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2011年11月15日

2807 レックリングハウゼン病の新聞記事から:付記:神経繊維腫症タイプ1に伴う視神経膠腫の眼所見

レックリングハウゼン病の患者さんの記事が新聞に出ており、その患者さんが失明していることも記載されておりました。この視力障害は、この疾患に伴って発生する視神経膠腫による物や、眼内病変に続発する緑内障などに因ることも考えられるでしょう。

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下の記事を読み、この失明が視神経膠腫によるものであると仮定して、「神経繊維腫症タイプ1の眼所見」から視神経膠腫の部分を訳出してみます。

このブログの以前の記事には(2007年06月07日)357 レクリングハウゼン病(von Recklinghausen disease)とその眼症状も有ります⇒リンク

ーーー神経繊維腫症タイプ1に伴う視神経膠腫の眼所見ーーー
NF-1を持った子どものおよそ15-40%は、視神経、視交叉あるいは視索に視神経膠腫を持っています。これらの病変には無症候性のものもあります。両側の視神経膠腫は、ほとんどレックリングハウゼン病(NF-1)だけに見られます。このほか相対的求心性瞳孔反応欠損や斜視を伴った片側の強い視力低下が生じているかもしれません。

視神経膠腫は、視神経の紡錘型の拡張としてCT或いはMRIに映ります。視神経膠腫の悪性度は低いですが、局所的には侵襲性で、その成長は緩徐です。しかしながら、視交叉の神経膠腫は視床下部と第三脳室にまで侵入して、閉塞性水頭症を引き起こす事もあります。視神経膠腫を持つ小児患者の約10-38%はNF-1であるとされています。

視神経膠腫を持ったほとんどの子供の主症状は無痛の眼球突出で、視力減少もあるかもしれません。身体所見には視力喪失、色覚障害、求心性瞳孔障害および視神経委縮が含まれます。

大きな病変は視交叉を圧縮し、その結果として眼振あるいは他の徴候を引き起こすかもしれません。視床下部の徴候も見られるかもしれません。
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難病カルテ:患者たちのいま/19 神経線維腫症1型 /佐賀
 ◇「もう一度輝きたい」盲学校通い資格取得へ

 佐賀市の県立盲学校実習室で、白衣の鶴田信実さん(37)=嬉野市=がマッサージの実技指導を受けている。「背筋を伸ばして」「場所が違う」。講師から厳しい声が飛ぶ。「難しいけれど、頑張って覚えたいから」。汗を流しながら、腕を動かす。

 生後1、2カ月で、右目付近が膨らんだ。皮膚に「カフェオレ斑」というシミが広がっていた。数年後、「神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)」と診断。祖父と父親も同じ病気を持っており、遺伝だった。

 高校まで「いじめ」は日常だった。「おいわさん」「よそばしか(汚い)」という言葉。靴を隠す、ノートや教科書への落書き。絶え間なく続いた。

 それでも「保育士になりたい」という目標を追うため、通い続けた。高校を卒業すると、岐阜県内の短大へ。3人の弟を支える両親のため、紡績工場で働きながら3年間を過ごした。お酒を飲み、遊びに行く友達にも出会えて「青春を取り戻した」時間だった。

 佐賀に戻ってからは、幼稚園や保育園で正職員の就職口がなかなか見つからず、臨時職員として働く期間が続いた。

 約10年前だった。結婚を約束した人がいた。しかし「子供を産んだら、2分の1の確率で、この病気を持った子が生まれる」ということが、頭から離れなかった。

 「好きな人の子を抱きたい」という気持ちと、子供に同じつらい思いをさせたくない、という不安感。迷いを重ね、「この人を幸せにできるのは、私ではない」と思い込むようにした。

 「他に好きな人がいる」とうそをついた。2日間電話が鳴り続けたが、無視した。携帯の番号も変えた。次第に連絡が途切れた。

 「心が陥没したようでした」

 その後、症状が悪化する。頭部に大きな腫瘍ができ、手術。その後も、まぶた、側頭部など、2年に1度のペースで手術が続いた。肌に手術痕が残るのも、いじめのことも、徐々に落ちる視力のことも……。「なぜこんな病気になる」と自暴自棄になった。保健師の勧めで、静岡県で療養することを決めた。

 佐賀に戻った3年後。静岡で出会った視覚障害者の助言をきっかけに、盲学校へ通い始めた。「もう一度働きたい。輝きたい」と思った。

 国家資格を取ったら、経験を積み、同じ病気や障害を持っている人のために働きたい。「社会の一員として働くことができるチャンスをもらえる。病気になったことで、新しい人生の切符をもらえたんですね」。今はそう思っている。【蒔田備憲】

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 ◇神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)
 皮膚や神経に、神経線維腫と呼ばれる良性腫瘍を中心にさまざまな異常が起こる病気。両親のいずれかがこの病気を持っていると、2分の1の確率で生まれる子に遺伝する。発症率は約3000人に1人の割合。
医療費助成の対象になる特定疾患に指定されている。

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