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2011年11月7日

2787 効果とコストと安全性と加齢黄斑変性の最新事情:という記事です。

2787 効果とコストと安全性と加齢黄斑変性の最新事情:という記事です。

血管新生黄斑症に使われる
「ペガプタニブ(販売名マクジェン)」
「ラニビズマブ(販売名ルセンティス)」
と、それに先駆けて網膜疾患への使用と言う点では未承認である
「ベバシズマブ(アバスチン)」
を話題にした記事で、かなり詳しくポイントをついてはいます。

初期に学内倫理委員会を通して、「ベバシズマブ(アバスチン)」を使った治療をしていた例は知っていますが、私の周りではもうそのような例は消えたと理解しています。個人輸入をしたとしても、国内では保険には眼科用剤としては収載されていませんので、あらゆる合併症の責任を使った医師が問われることになりますし、製薬会社としても製造物責任を問われるでしょうから、「患者の為に経済的な薬をオフラベルで使った」という言い訳は聞きたくもないことでしょう。

多施設とライアルは、「ベバシズマブ(アバスチン)」の方が合併症が多いという製薬会社には都合のよい結果だったようですが、常識的に考えるとそんな結論が出るものだろうか?と疑いたくなります。

実際に、研究が始まったころには無料で「ベバシズマブ(アバスチン)」を使った治療を始めてくれたのに、保険承認薬が出たら無料から急に一回5万円ですと言うのも騙し打ちのようで厳しいものがあり、支払い窓口では揉めるケースもあったようです。

保険診療を行う一診療医としては、いくら値段水準が違うと言っても国民健康保険で許された薬が既に有るのに、安い治療(治療費はいただけないはずです)ができるからと違法な薬剤を眼内に注射するおせっかいな医師が未だに存在するとはまず考えられないと思います。

ですから、この記事はかなり良い所は突いているのですが、「ベバシズマブ(アバスチン)を使った治療を受けるならもう一度改めてインフォームドコンセントを貰ったら」という結論はちょっと違うかな?と思ったのでした。
下の関連記事、殊に「薬剤のオフラベル使用」もご覧ください。

ーーーー記事の引用ーーーーー

効果とコストと安全性と加齢黄斑変性の最新事情

血管新生阻害薬
中途失明要因の一つ、加齢黄斑変性(AMD)がじわじわ増えている。網膜の中心部にある「黄斑」組織に異常が生じる病気で、AMDを発症すると視野の中央がゆがむ、モノが小さく暗く見えるなどの症状が出てくる。徐々に組織が萎縮する「ドライ」タイプと、病的な血管が増殖し(血管新生)滲み出した血液で黄斑組織が損なわれる「ウエット」タイプがあり、後者は進行がかなり早い。

 ただ近年、ウエットタイプの治療法は格段に進化した。以前の侵襲的治療に代わり標準治療になったのは、がんの分子標的薬から派生した血管新生阻害薬。病的な血管の増殖を阻止する眼内注射薬で、日本では2008年に「ペガプタニブ(販売名マクジェン)」が、09年に「ラニビズマブ(販売名ルセンティス)」が承認された。

 特にラニビズマブは視機能改善効果があり、最初に使われることが多い。ただし、根治療法ではないので初期の3ヵ月は毎月1回、その後も定期的な注射が必要だ。視力を失わない手間は惜しまないが、問題は薬価が約18万円と高いこと(3割負担で5万円超)。このあたりは海外でも同じで、米国ではAMD未承認だが1回のコストが40分の1の約50ドルですむ「ベバシズマブ」が“影の第1選択薬”になっていた(日本でも未承認)。そもそも、ラニビズマブはベバシズマブをAMD用に改良した薬剤で、承認を待つ間に「元祖」の使用が広まったらしい。

そしてそのあたりを曖昧にしないのが米国流。米国立眼研究所の音頭で「ラニビズマブvsベバシズマブ」のガチンコ勝負が行われたのである。結果、「1年間の治療効果は同等だが、ベバシズマブ群で死亡例や入院を必要とする重篤な副作用の発症率が高い」ことが報告された。とはいえ、未承認使用を禁ずるでもなく、確実に患者に情報を開示するよう意見が出されるにとどまっている。

 国民皆保険の日本ではピンとこないが、米国では「コストか安全性か」を選択するのは患者自身。日本でもベバシズマブを個人輸入してAMD治療を行う施設があるが、もし、そうした病院で治療中なら、再インフォームドコンセントをお勧めする。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)
ーーーーー引用終了ーーーーーー
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