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2011年11月3日

2766 医師会はなぜTPPに反対なのか?

現在の国内での大きな話題はTPPです。農業ばかりではなく医療や介護を含むサービス業もその対象になります。Wikipediaにも解説が出ていますが、経済関連の団体はそれに賛成であり、それに反対している大きな勢力は農業関係の団体と医師会のようです。

そこで、日本医師会が昨年12月に行った記者会見の資料を読んでみました。(記事にリンク)[PDF]

この資料を見ますと、「TPPでもたらされるであろう混合診療解禁の次には逆に保険診療が一層制限されることに繋がり、この結果国民に対する医療全体の質が下がることになるだろう」というのが医師会の主張であるということが分かりました。

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日本政府のTPP 参加検討に対する問題提起-日本医師会の見解-
dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20101201_1.pdf
2010年12月1日 – 社団法人 日本医師会(2010 年 12 月 1 日 定例記者会見).
1. TPP とは. TPP(Trans- Pacific Partnership)は、現在 9 か国によって交渉中の環太平. 洋連携協定1であり、 2015 年までの交渉妥結を目指している。 2006 年、シンガポール、 …
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清澤のコメント:
現在の日本の医療は世界に、例がない廉価で質の高いサービスをすべての国民に平等に提供しています。(それでもその医療費の総額は多くて国庫に対する負債が毎年増加してはいるのですけれど。)

保険診療の上に自由に自由診療と言うものを積み上げ、これを合わせて行う混合診療が出来るようになると、そこには大きな新しい商売の入り込む余地が生じますから、それが米国が日本にTPPを求める大きな理由の一つになっているもようです。

 上の資料を見ますと、混合診療解禁の次には逆に保険診療が一層制限されることに繋がり、全体の医療の質が下がることになるだろうというのが医師会の主張であるということが分かります。

更に、私的な商業資本に美味しい所を取られてしまいますと、現在赤字で運営されているような公的な医療機関(病院)や不採算部門は一層その存続が難しくなることでしょう。そして、一度失われればその再検は更に困難になります。

海外からの上客を求めて医療でもうけようという考えもそれを許したときには、日本人の保険診療は後回しになるでしょうから、はじき出されて医療崩壊にさらされるのは保険料を払っている現在の一般国民になるのですよとも言っています。

 確かに、日本医師会が現在の利権を守ろうという為だけにTPP反対を主張している訳ではないことが私には理解できました。

しかし、果たして日本だけがこのTPPから逃れていられるかどうか?というのも考えどころです。米国政財界はがっかりするでしょうが、今回は国内の反対が強くて、参加できないということでお断りして、今後は韓国のように2国間の交渉を気長に続けるという手もあるかもしれないと思いました。

追記:
2011年1月の記者会見資料ですhttp://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20110126_11.pdf(リンク

別の8枚のスライドも公表されています。(それにリンク

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