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2011年10月8日

2678 消石灰による眼へのアルカリ火傷に注意の記事

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消石灰による眼へのアルカリ火傷に注意という内容のニュースがネットに流れています。その本になっているPDFは⇒こちら

 そもそも眼外傷の内でも化学薬剤によるものの中ではアルカリによる物の方が、酸によるものよりも危険であるとされています。酸は角膜や結膜の表面にたんぱく質の凝固した膜を作ってそれ以上は浸み込みにくいのですが、アルカリはたんぱく質を溶かししながら浸潤するので性質が良くありません。

飛入物が粉末や微粒子の場合には組織表面に残る細かい微粒子からアルカリの溶け出しが何日も続いて組織をアルカリ性にしてしまいます。この化学やけどの結果、角膜表面は白濁し、角膜や結膜が癒着して瞼球癒着を残してしまいます。また、涙液のムチンを分泌するゴブレット細胞も障害されますので、涙液の3層構造も破壊されてしまいます。

というわけで、アルカリ性の物を扱うときには可能ならば防御メガネをお使いください。しかし生コンクリートを扱う作業員が安全メガネを装用しているという話は見聞きしませんね。学校では、昔はライン引きにこの消石灰が使われていましたが、最近は別のものに変わっている様です。

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治療は1にも、2にも、そして3にも水での洗浄。病院に急ぐよりも15分くらい砂粒が残らないように水道水で十二分に現場で洗い流してください。

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眼科の診療機関に来たら、私は尿の酸性度を調べる検査スティック等を使ってペーハーPhが7近辺になるまで生理食塩水で1リットルでも洗い続けてもらいます。ラクテート緩衝リンゲル注射液等のPHに対して緩衝作用のある注射液が有ればなお宜しい。

眼科医は角膜に白濁が無くても翌日は見ておく方が安全でしょう。

ーーーー記事の引用ーーーーー
[2011年10月6日:公表]

消石灰による失明事故発生
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」(既に上に引用)をご覧下さい。

 農業生産や家庭菜園において、農作物の生育を促すために土つくりは欠かせない。肥料用消石灰は酸性土壌を中和させ、作物に適した土壌を作るために用いられる。ホームセンターなどでは家庭園芸用の消石灰も販売されており、広く土壌つくりに利用されている。

 農作業中に消石灰が眼に入り、左眼を失明するという事故情報がPIO-NETに入力された。

危害事例
【事例1】
 肥料用消石灰を入れたバケツを左手に持ち、畑に散布しているときに転倒した。転んだ際にバケツに入れてあった肥料用消石灰をかぶり両眼に入ってしまった。化学外傷(注)のため入院し治療を受けたが左眼を失明した。肥料用消石灰の袋には注意書きや表示がなかったがよいのか?もし表示があれば、安全眼鏡等を使用して失明という事態を防げていたかもしれない。
(事故発生年月 2011年4月 80歳代 女性 山口県)
(注)化学外傷
強力な刺激性あるいは腐食性を有する物質により化学熱傷が生じる。強酸、強アルカリ、有機溶剤などの化学・工業薬品類が原因となる。アルカリは組織を溶解するため酸によるものより深い病変を形成する。

消石灰について
消石灰
 消石灰は水酸化カルシウムの別名で、生石灰(酸化カルシウム)に水を加えて作られる強アルカリ性の物質である。水酸化カルシウム(消石灰)の危険有害性は、「皮膚刺激」「重篤な眼の損傷」「呼吸器系の障害」「長期又は反復ばく露による肺の障害のおそれ」があげられている。

肥料用消石灰
 肥料に使用する消石灰は、酸性の土壌を中和する際などに用いられ、肥料取締法に品質等が定められている。肥料用消石灰は、同法により「普通肥料」に分類され、生産する事業者の所在地を管轄する都道府県の登録を受けなければならない。また、肥料取締法に基づき普通肥料の公定規格を定める等の件により、「消石灰(マグネシウムの酸化物又は水酸化物を混合したものを含む)は『含有すべき主成分の最小量(%)』が『アルカリ分60.0%』」と規定されている強アルカリ性の肥料である。

肥料用消石灰の表示
 「普通肥料」である肥料用消石灰は、同法第17条に基づき、当該肥料の容器又は包装の外部に保証票(生産者保証票又は輸入業者保証票あるいは販売業者保証票)を付けなければならない。

 「保証票には肥料の種類及び名称、保証成分量、生産業者又は輸入業者の氏名又は名称及び住所、農林水産省令で定める事項等を記載しなくてはならないが、使用上の注意事項や警告表示は義務付けられていない。

消費者へのアドバイス
肥料用消石灰を使用するときは、十分に注意する
 眼に入らないよう保護メガネをかけ、皮膚に付かないよう保護手袋を着用し、吸入しないよう保護マスク等を着用する。 また、飛散しにくい粒状タイプも販売されているので、利用を考える。

 なお、今回のように農作業中に注意表示等がないものを使用し、事故があることがわかった。肥料用消石灰は強アルカリであることから、家庭園芸用としてだけではなく、農家も含め、広く注意が必要である。

使用する際は応急処置も覚えておく
 使用する際だけではなく、肥料用消石灰が飛散し眼に入った場合などの応急処置について、あらかじめ覚えておくこと。

•眼に入った場合は、きれいな水で十分に洗浄し、すぐに医師の診断を受ける。
•皮膚についた場合は、きれいな水で十分に洗い流す。消石灰がついた衣類は脱ぐ。気分が悪いときは、医師の診断を受ける。
•吸い込んだ場合は、うがいをし、気分が悪いときは医師の診断を受ける。
•飲み込んだ場合は、口をすすぎ、医師診断を受ける。
保管方法に気をつける
 直射日光など高温になる場所を避け、水気のない換気の良い所に保管する。
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