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2011年9月30日

2649 参天製薬がフランスの製薬会社を買収

エブリーの市章
眼科製剤を製造販売する会社としては日本では最も大きい参天製薬がフランスの製薬会社を買収するという記事がプレスリリースされています。このフランスの会社が持つドライアイに免疫抑制剤の溶液を点眼で使うというアイデアは、米国では既にレスタシスとして実用化されていますが、日本ではその手の商品は出ていません。辛うじて似た成分のパピロックミニが春期カタルの治療薬として参天製薬から出ていたはずです。
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ところで、この会社の所在地エヴリー(Évry)は聞いたことのある地名。フランス中央部、イル・ド・フランス地域圏の都市でエソンヌ県(92がその番号)の県庁所在地。留学先の病院があったオルセイ市や、研究所のアパートが有ったジフ・スール・イベット市を含むエッソンヌ県の県庁所在地です。運転免許か何かを書き換えにこの県庁まで行ったことを思い出しました。wikipedia を見るとパリから南に26キロの郊外。

ーーーープレスリリースの再録ーーー
(9/28)参天製薬、フランス製薬会社Novagali Pharma社を買収
発表日:2011年9月28日

Novagali Pharma社の買収(子会社化)について

 参天製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:黒川 明、以下「参天製薬」または「当社」)は、本日、フランスの製薬会社であるNovagali Pharma S.A.(本社:フランス共和国エブリー市、最高執行責任者:Jerome Martinez、ユーロネクスト・パリ証券取引所上場、以下「Novagali社」)の発行済株式の約50.55%を取得することで、Novagali社の株式保有者と株式譲渡契約を締結しましたのでお知らせします。本株式譲渡契約の締結は、両社の取締役会において承認されたものであります。また、本件株式取得後、参天製薬は合意内容およびフランス金融市場庁(AMF)の規則に基づき、Novagali社の公開買い付けを実施いたします。参天製薬は、本件株式取得およびその後の公開買い付けを通じて、Novagali社の発行済み株式の100%の取得を目指します。本件株式取得およびその後の公開買い付けによる取得価格総額は、一株当たりの買付け価格を6.15ユーロとして、約100.3百万ユーロ(約105億円、1ユーロ=105円として)となる予定です。また、公開買付けにより、参天製薬が、発行済み株式の95%以上を所有することとなった場合、本件株式取得およびその後の公開買付けによる取得価格は、一株当たり6.25ユーロとなり、取得価格総額は、約101.9百万ユーロ(約107億円、1ユーロ=105円として)となる予定です。

1.Novagali社買収の目的

 Novagali社は、ドライアイ領域を眼科用医薬品の研究開発を展開する製薬企業であり、一般用医薬品の販売も行っています。参天製薬は、Novagali社の有する高い研究開発力と製剤技術力に着目いたしました。

 特にNovagali社が保有する、Novasorb(R)技術(*1)を含む優れた製剤技術を獲得する事により、参天製薬の開発品の臨床効果の向上を図ることが可能となり、当社の競争力向上のためには、Novagali社の買収が最適な選択肢であると判断いたしました。また同社が現在開発中のCyclokatR(一般名:シクロスポリン)は、前述のNovasorb(R)技術を使用した、ドライアイ領域では世界的に数少ない後期開発品であり、今後、欧州市場における初の医療用ドライアイ治療剤としての上市が期待できる事により、参天製薬が重点地域とする欧州を含む海外事業の強化が図れると考えています。

 当社は、1890年の創業以来、眼科とリウマチ領域に特化したスペシャリティー・カンパニーとして、人々の目と体の健康維持・増進に寄与してきました。また、2013年度を最終年度とする中期経営計画において、「世界で存在感のあるスペシャリティー・カンパニー」の実現を目指し、事業のグローバル化および研究開発投資を重点項目として掲げております。Novagali社の有する研究開発パイプラインと製剤技術を獲得する事により、ドライアイ領域でのパイプラインの強化と製品競争力の向上を実現し、参天製薬の事業基盤を強化することができると考えております。

*1 乳化点眼剤に正電荷を付与する技術で、それにより薬剤の眼表面滞留性と眼内移行性を高めるためのもの。

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0292674_01.pdf
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別の記事ですが、この方が買収の規模や目的が解りやすいように感じました。
ーーーー引用ーー
【参天製薬】仏ノバガリファーマを買収‐製剤技術獲得し研究開発力強化

 参天製薬は、フランスの製薬会社ノバガリファーマを買収した。点眼剤の効果を向上させる同社の製剤技術と、欧州で第III相臨床試験段階にあるドライアイ治療剤「シクロカット」(一般名:シクロスポリン)の入手が主な目的。現地時間の27日に、発行済株式の約50・55%を取得する株式譲渡契約を、同社の株式保有者と結んだ。今後、公開買付を実施し、株式の100%取得を目指す考え。取得価格の総額は約107億円になる見通しだ。

 参天製薬が着目したのは、ノバガリファーマが確立した「ノバソーブ」と称される製剤技術。乳化した点眼剤に正電荷を付加できる。眼の表面は負電荷となっており、この技術によって、薬剤の眼表面滞留性と眼内移行性を高められる。薬効の持続時間延長などの効果が見込まれ、新薬開発や既存薬の製剤改良への活用が期待される。

 この技術を活用した「シクロカット」の第III相臨床試験が、今春から欧州で始まった。順調に開発が進めば2012年末に承認申請を行える見通し。同剤は、ドライアイ領域では世界的に数少ない臨床後期開発品。現在、欧州市場には医療用医薬品として承認されたドライアイ治療剤は存在しない。同剤は欧州市場初のドライアイ治療剤になる可能性があるという。

 同剤を含め臨床開発中のパイプラインは合計4品目。春季カタルを対象にしたシクロスポリンの点眼剤が第III相段階、緑内障を対象にしたラタノプロストの点眼剤が第II相段階、糖尿病黄斑浮腫を対象にしたデキサメタゾンの注射剤が第I相段階にある。

 ノバガリファーマは研究開発に特化した製薬会社。00年に設立された。資本金は約1億3650万円、従業員数は43人。上市済みの製品は、ドライアイに関連した一般用医薬品1品目のみで、10年の売上高は約6000万円。営業利益は研究開発が先行し、約8億円の赤字となっている。

 参天製薬は、社内的に策定している10年間の長期経営計画で、[1]医療用眼科薬領域でグローバルトップ3に入る[2]現在15%の海外売上比率を21年3月期に40~50%に高める‐‐を目標に掲げている。欧州を含む海外事業の強化や、ドライアイ領域でのパイプライン強化につながる今回の買収は、こうした構想に基づくものだ。
ーーー引用終了ーーーー

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