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2011年9月11日

2591 昭和16年夏の敗戦  猪瀬直樹:これも面白い本です

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昭和16年の夏に首相の諮問機関の様な「内閣総力戦研究所」が永田町の首相官邸裏に創られ、そこには軍部、行政府そして大手企業から優秀な若手の人材が集められた。そこには教官役の所員と学生と言う扱いの職員が居たが、目的は日米戦の机上演習をし、日米戦における日本の勝算を探ることであった。

その成立および机上演習の進行と並行して、近衛首相が内閣を放り出した後に東條英機が首相になるが、天皇の希望に添えぬまま真珠湾攻撃に突入していった歴史が詳らかに記載されています。

軍部も勝てると思ってこの戦を始めたわけではなく、状況と国民の空気の中で負けると解っている戦に突入していったという状況がよく説明されています。

開戦時の在米国日本大使は野村と来栖だったわけですが、当時の米国国務長官ハルは、米国人の妻を伴って新任で着任した来栖を一目見た瞬間に、信頼できる人物ではないと切って捨てていたというくだりには驚きました。

その辺からも、日本に先に手を出させるという米国政府の策略に日本政府および軍部がまんまとはめられていたという分析はたぶん正しかったのであろうと思われます。

振り返って現在の世界の情勢を見ますと1)デフォルトは避けたものの既に覇権を唱えるには弱まった米国、2)ギリシャ等の経済的に弱い成分を持ちながらも統一的な政府は持ちえないで苦闘するEC、3)そして政治的にも迷走を続け、しかも経済的面では国庫の過剰な赤字と東日本大震災に対する復興の重荷に耐えかねている破綻寸前の日本。この現状の中で、日本がどうやってしのいでゆくのか?は、戦前に日本人が直面したと同じ重さで現実の問題が日本に覆いかぶさってきていると思います。 

著者は現在の東京都の副知事なわけですが、この現状を同分析し判断しているのでしょうか?かれの他の著書も読んでみたいと思いました。

ーーーーー引用ーーーーーー

日本人はなぜ戦争をしたか―昭和16年夏の敗戦 (日本の近代 猪瀬直樹著作集) [単行本]

出版社/著者からの内容紹介
若手エリートたちによって構成された「模擬内閣」は、あらゆるデータを基に日米開戦を分析、昭和16年8月の段階で「日本必敗」の結論を導き出していた。数少ない資料・当事者の取材を通して机上演習をも再現する。
  昭和16年、「内閣総力戦研究所」に軍部・官庁・民間から選りすぐった将来の指導者たちが集められた。それぞれの出身母体に応じて「模擬内閣」を組織し、戦局の展開を予想したのだ。単なる精神論ではなく、兵器増産の見通し、食糧や燃料の自給度や運送経路、同盟国との連携などについて科学的に分析、「奇襲作戦が成功し緒戦の勝利は見込まれるが、長期戦になって物資不足は決定的となり、ソ連の参戦もあって敗れる」という結論を導き出した。この報告は昭和16年8月に、当時の近衛内閣にも報告され、後の首相となる東條陸将も真剣に受け止めていたはずだった。

内容(「BOOK」データベースより)
いま、すべての30代におくる、ほんとうの日本人の物語。開戦前夜、若きエリートたちが密かに霞が関に集められた。“模擬内閣”、日米戦必敗の予測―。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

猪瀬 直樹
1946年長野生まれ。『ミカドの肖像』で87年第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で96年度文芸春秋読者賞受賞。既成の常識に捉われないユニークな視点でつぎつぎと作品を発表、『ペルソナ三島由紀夫伝』『マガジン青春譜川端康成と大宅壮一』『ピカレスク太宰治伝』の作家評伝三部作が話題に。作家活動のほかにメールマガジン「日本国の研究・不安との訣別/再生のカルテ」の編集長。行革断行評議会委員として特殊法人等の民営化に取り組む。政府税制調査会委員、日本ペンクラブ理事・言論表現委員長、日本文芸家協会理事、国際日本文化研究センター客員教授、東京大学客員教授など幅広い領域で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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