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2011年9月9日

2585 【糖尿病網膜症】血管新生阻害薬が新たな選択肢に

【糖尿病網膜症】血管新生阻害薬が新たな選択肢に

九州大学大学院眼科学分野教授 石橋達朗氏に聞く

中沢真也=日経メディカル別冊では「糖尿病網膜症は失明原因の第2位を占める。硝子体手術や光凝固法が標準的な治療法になっているが、最近になって、血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬が登場、新たな治療の選択肢として注目されつつある。」と報じています。

ーーーこの記事の要旨ですーーー
 糖尿病網膜症の治療法としては、網膜にレーザー光を照射する光凝固法と硝子体手術の2つが確立されているが、最近、血管新生阻害薬(抗VEGF薬)が登場。これまでに行われた糖尿病黄斑浮腫に対する複数の臨床試験で、光凝固法に匹敵するか上回る視力改善がみられ、新たな治療選択肢として注目を集めつつある。

 糖尿病網膜症は、糖尿病の高血糖が引き起こす様々な代謝異常により、浮腫や新生血管が発生し、視力の低下をもたらす。病期としては、網膜の血管透過性が亢進する単純(非増殖)網膜症、次いで血管閉塞が生じる増殖前網膜症へと進み、さらに新生血管が生じる増殖網膜症に至るとされる。

 糖尿病網膜症では、硝子体や網膜のさまざまな細胞がVEGFを発現することが分かっている。抗VEGF薬は、糖尿病網膜症によって産生が亢進したVEGFを抑制するため、病態に合致した治療と考えられる。

 黄斑に病変が生じる糖尿病黄斑症は視力低下に直結する。抗VEGF薬は血管新生を抑えるだけでなく、血管の透過性亢進を抑える働きもあり、浮腫に対しても効果が期待できる。

 日本では、糖尿病網膜症を適応として承認された抗VEGF薬はない。眼科領域では加齢黄斑変性の治療薬としてペガプタニブ(商品名マクジェン)とラニビズマブ(同ルセンティス)が国内承認されている。ベバシズマブ(同アバスチン)は眼科領域では未承認だが抗癌剤として利用されているため入手しやすく、倫理委員会の審査を受けた上で糖尿病網膜症に用いられ、治療効果を上げている。
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 オーストラリア・シドニー大学が主導し、糖尿病黄斑浮腫に対するラニビズマブ単独治療と光凝固単独、および両治療の3群を比較した無作為化第3相のRESTORE試験は、2011年に結果が報告された。

 結果は、視力変化、中心網膜下液厚変化とも、光凝固単独群に比べ、ラニビズマブ単独群、およびラニビズマブ+光凝固群が有意に優れていたことが報告されている。「こうした結果をみると、今後、糖尿病黄斑浮腫に対する光凝固の必要性が減少する可能性はある。

 抗VEGF薬は目立った副作用が少なく、即効性があるため、使いやすい。ただし、効果はたかだか2~3カ月程度しか続かないため、1カ月に1回程度は投与しなければならないという欠点もある。糖尿病は一生続く疾患であるため、治療をどう継続するか、まだ不透明な部分はある。
ーーー要旨引用ここまでーーーー
清澤のコメント:確かに糖尿病網膜症にも抗VEGF薬は有効なようです。この方法が大学内での研究だけではなく、一般の保険診療にも使えるようになる日が近いことを期待することにしましょう。そして、その価格がリーズナブルなものになることも期待したいです。

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