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2011年8月24日

2541 ストーリーとしての競争戦略という楠木建さんの話を聞きました

歌舞伎役者の様な風貌で、講師の演壇に登ることなく、聴衆と同じフロアに立って、右に左へと行き来しながら緩急交えた講演をなさいました。講演を聞き、興味深いお話でしたので、著書も購入してきました。ほぼ講演内容は著書の内容どおりでしたから、これを一人で読むのはとても大変と思いますのでずいぶん得をした気分でした。

すでに発表されている書評を参考になぞってみますと、戦略の神髄は 思わず人に話したくなるような面白いストーリーにある!というお話でした。

この本は他の戦略本が示すようなこのように戦略を立てれば、事業がうまく行くという本ではないというところから講演は話は始まります。大きな成功を収め、その成功を持続している企業は、戦略が流れと動きを持った「ストーリー」として組み立てられているという共通点を持ってたといいます。

戦略とは、必要に迫られて、難しい顔をしながら仕方なくつらされるものではなく、社長が誰かに話したくてたまらなくなるような、面白い「お話」をつくるということなのだと演者は言います。

たとえばアマゾンはITが現物を持たずに販売者が供給者と消費者を結べるというのに、巨大な物流倉庫を持つ業態を作ります。それは消費者が求める物に合わせた展示を画面上で常にして見せるためであって、商品がいつまでに手元に届くのか或いはいつまでは届かないのかという情報は商品の価格と同様に重要な情報であり、それをはっきりさせるためには大きな物流倉庫への在庫が必要なのだと言います。

国内企業でいえば、中古車買い取りのガリバーが紹介されます。少数の中古車を数台売って販売利益を得るという従来の店と違って、この会社は本部の査定で価格を決める買い取りに特化しています。集め他中古車は全国のオークションに流し込みますので、その価格も妥当なものが解っての買い取りとなります。

という様に、本書では、多くの事例をもとに「ストーリー」という視点から、究極の競争優位をもたらした共通の論理を解明していく。

各参加者が最も合理的な行動を取ったら、誰も設けを得られないはずであるという経済市場原理を示しながら、他人にとっては非合理的であるが、それを話す経営者に取っては筋の通ったストーリーを展開できる会社だけが、大きな成功にたどり着くという、いわば当たり前のことなのですが、多くの会社が後追いで戦略を立てる羽目に陥っていることの誤謬を説明しています。

膨大な研究と取材によって紡ぎ出された500ページの本文です。そのボリュームを感じさせない圧倒的な筆力で、経営戦略の本質を描き出しています。

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