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2011年7月30日

2482 子どもの斜視、治療は早めに 放置すると立体視に影響

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子供の斜視の記事が日本経済新聞に出ています。全体像が解りやすい解説です。

主な斜視には次の物が含まれています。、
間欠性外斜視:立体視はできる。手術で治療
乳児内斜視:6か月以内におき、内斜角度は大きい。手術へ
偽内斜視:鼻根部が広く一見内斜視に見えるが、実はまっすぐ
調節性内斜視:遠視が原因で起きてメガネでまっすぐになる。手術はしない

ーーーー記事の引用ーーー

子どもの斜視、治療は早めに 放置すると立体視に影響

 目の位置が正常でなく両目の視線がずれる斜視。正面を見据えたときに一方の目が鼻側や耳側に寄ることが多い。乳幼児の場合、放っておくと物を立体的に見ることができなくなる。治療用の眼鏡をかけたり眼球を手術したりする。専門医に相談し早期治療が大切だ。

 主婦のAさんは息子(4)の右目が気になっていた。前方の遠くを見るときに右目だけ外側を向くことがある。家族全員で撮った記念写真でも息子の右目は外側に寄っていた。眼科で診てもらったところ、間欠性外斜視と診断された。

 そもそも斜視とは目の位置が正常でない状態を指す。一方の目の視線が鼻側に寄っていれば内斜視、逆に外側に向いていれば外斜視という。

 順天堂大学医学部眼科学教室の藤巻拓郎准教授によると、人間の目は物体を立体的に見るため顔の正面に目が2つあり、連動している。ところが、一方の目が斜視だと両目の視線がずれたまま物体に向き、物体の像が両目の網膜に正しく映らない。

 すると、脳が混乱を防ぐために一方の目だけで見るようになる。こうした状態が続くと、最終的には立体視ができなくなるほか、距離感を把握できなくなる。藤巻准教授は「視覚の機能は乳幼児期に発達するので、斜視は早期診断・治療が大切」と強調する。

「小学校入学前に」

 間欠性外斜視は乳幼児で最も多い斜視だ。この場合、近くを見るときは両目とも同じ方向を向いているので、立体視はできている。検査のうえ、手術で治療する。

 検査は様々で、視力や屈折異常、立体視に重要な両眼視機能などを詳しく調べる。このうち、両眼視機能の検査では物体をどれだけ立体的に見ているかをチトマスのステレオ検査などで調べる。

 チトマスのステレオ検査は偏光眼鏡をかけて、絵の昆虫の羽が浮き上がるように見えるかを調べたり、物体がどれだけ出っ張っているように見えるかを分析したりする。斜視の目の視線がどれだけずれているのかを判定するのは、プリズムカバーテスト。透明樹脂でできた物差しのようなプリズムバーを目に当てて、すかして見える物体の見え方から、ずれの角度を割り出す。

 検査の結果、眼球に異常がなければ手術を実施する。前後転術と呼ぶ手術で、眼球を動かす筋肉を縫い付け直す。眼球は左右ともそれぞれ6本の筋肉によって、上下左右や斜め方向などに動く。Aさんの息子の場合は右目が外側に向くので、右目の両側面についている筋肉の位置をずらす。

 全身麻酔をかけて時間は30分程度。順天堂大の場合、3泊4日で手術する。2日目に手術し、翌日には眼帯を外し、ホコリなどを防ぐ透明な眼鏡をかけて両目で見るようにする。藤巻准教授は「小学校入学前に手術することを勧めている」という。

目を覆い弱視予防

 次に多いのが生後6カ月以内にみられる乳児内斜視。相手の視線に目を合わせるようになる生後3カ月頃になると、一方の目が鼻側に寄ることに家族が気づく場合が多い。藤巻准教授によると、乳児内斜視は基本的に手術で治療するが、どれくらいの斜視なのか診断が難しいので、検査が可能になる2歳前後に手術するという。それまでは自宅で片方の目を覆って過ごす。起きているときに左右の目を交互に30分ずつ覆う。

 目隠しをする理由は、眼鏡をかけても視力が上がらない弱視になるのを防ぐためだ。乳幼児期は視覚が発達の途上にある。左右の目の視力の差が広がらないように、目隠しをして斜視の目を鍛えてバランスよく見えるようにする。米国の研究では1日に合計5時間にわたり目隠しをすると効果があるという。

 乳児で注意したいのは偽内斜視だ。乳児は鼻の根元が広く、両目の鼻寄りの白目をまぶたが覆っていて寄り目のように見える。偽内斜視は斜視ではないので、治療の必要はない。

 間欠性外斜視も乳児内斜視も原因がはっきりしない場合が多いが、調節性内斜視は遠視が原因。散瞳剤をさして遠視の程度を調べる。結果を踏まえて、目隠しと治療用の眼鏡やコンタクトレンズを使って治療する。

 息子が3歳のときに調節性内斜視と診断された主婦のBさんは「眼鏡をかけると周囲がよく見えるようになるので、慣れてくると自分からかけるようになった」と振り返る。藤巻准教授は「幼児は眼鏡をよく壊すので、修理を依頼しやすい近所の眼鏡店で購入するとよい」とアドバイスする。

 Bさんの息子は現在、7歳。両目の視線は正常、物も立体的に見えるので今春、主治医から目隠しは不要といわれた。

 視覚は人間が得る情報の8割を占めるという。だが、乳幼児では異常の発見が遅れる恐れがある。藤巻准教授は「乳幼児の診断には時間がかかるので、フラッシュを使って撮影した正面写真を持参してほしい」と話している。

(編集委員 鹿児島昌樹)

[日本経済新聞夕刊2011年7月29日付]
ーーーーーー引用終了ーーーーーーーー
清澤のコメント:小児の斜視を比較的解りやすく解説した最近の日経新聞の記事です。
私のブログの中にもいくつもの斜視をテーマにしたものがありますので、よかったら下記をご覧ください。

◎外斜視についての質問と答え(リンク

●255 小児の内斜視(リンク

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