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2011年7月26日

2471 眼瞼痙攣診療ガイドライン完成

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眼瞼痙攣診療ガイドライン完成
眼瞼けいれん患者の治療を有効かつ安全に行うためには、眼瞼けいれん患者を正しく診断し、そのボツリヌスA型毒素を含むさまざまな治療法の正しい知識をもつことが重要です。そこで、日本神経眼科学会理事長より委嘱を受け、7名の委員から成る眼瞼痙攣診療ガイドライン委員会を立ち上げ、眼瞼けいれん診療ガイドライン(2011年度版)を策定しました
(日本眼科学会ホームページ内のPDFにリンク)眼瞼痙攣診療ガイドライン委員会(五十音順)
三村  治(委員長)、河原 正明、清澤 源弘、中馬 秀樹、不二門 尚、山本 紘子、若倉 雅登

ついでに、この文書は日本神経眼科学会でも印刷物にすることになりました。各委員のコメントを載せてくださるということで、清澤は下記のコメントをお出ししました。
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この度、日本神経眼科学会眼瞼けいれん診療ガイドラインが策定されました。完成してしまえば当然といった内容ですが、全国から何回も委員が集まって相談を重ね、さらに事務局がその調整に多大な時間と労力をかけたものです。

 眼瞼けいれんは“眼輪筋の間欠性あるいは持続性の過度の収縮により不随意な閉瞼が生ずる疾患で、他の神経学的、眼科学的異常が原因となっていない物”と定義されています。しかし、その臨床症状は実に多彩です。開瞼困難ばかりではなく、羞明感や乾燥感そして流涙などを主訴として訴えることも少なくはありません。そういう訳で眼科臨床医にはなかなかそれと気付いてもらえないことも多い疾患です。それらに対して涙液の補充などをしているだけでは顔瞼けいれんの症状を治すことはできません。

顔瞼痙攣の症状は目に現れているのですから、治療をするのに最も適した科が眼科であるにもかかわらず、患者さんが感情的に見えることやその訴えの複雑さなどのために、患者さんは精神科などの他科に紹介されてしまうことも少なくはないと思います。顔瞼けいれんの患者さんは正しい診断を得られぬまま今も全国をさまよって居り、適切な治療の為には眼科医による正しい診断を必要としているのです。

また、様々な検査結果から患者さんに顔瞼けいれんという診断名を告げたとしても、「私の瞼は痙攣しては居ない、ただ目を開いているのが辛いだけだ」とその診断に疑義を述べる患者さんもしばしばおいでになります。そのような患者さんにこの診断を理解していただくにも、医師が正しい疾患に対する知識を持つことが必要です。

このガイドラインに含まれている大脳基底核と視床を含んだこの疾患の病態生理学的な説明もそのような場面では大変有用であろうかと思います。

顔瞼けいれんにはボツリヌスA毒素による治療が中心となりますが、ボツリヌスA毒素の使用量は初回から妥当な量でなくてはなりません。あまりに少なすぎればボツリヌス毒素は私には効かないと言われますし、また多ければこんな不快な治療は以後御免だと言う事になるでしょう。また眼鏡、内服などの併用も適切に行われなくてはなりませんし、顔輪筋切除などの手術療法も知っておく必要があります。

このガイドラインはこの多様な疾患を診断し、患者を最適な治療に導くために必要な知識を十分に取り入れた物になっていると思います。このガイドラインがこの疾患に悩む多くの患者さんの助けになることを願っています。

              東京医科歯科大学 臨床教授 清澤源弘
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