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2011年7月19日

2445 ドキュメント東京電力―福島原発誕生の内幕 (文春文庫)を読みました

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2445 ドキュメント東京電力―福島原発誕生の内幕 (文春文庫)を読みました

ドキュメント東京電力―福島原発誕生の内幕 (文春文庫)
田原 総一朗 (著)
価格: ¥ 580

GHQに解体された電力事業は、官僚組織との激しい主導権争いの末、再国有化を免れ、巨大企業・東京電力が生まれる。その暗闘の駆け引き材料とされたのが、原子力発電。福島原発も議論、検討もなおざりのまま建設が進められた。誕生からの東電の姿を、当事者への取材を交えて丹念に追った名作ノンフィクション。待望の復刊。

田原 総一朗
昭和9(1934)年、滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒。岩波映画、テレビ東京を経て、活字と放送の両メディアで活躍中。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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目次

はじめに―なぜ福島原発事故は起きたのか

第1部 電力の栄光(老将たちの危惧、巨大化しすぎた恐竜、電力国管化の背景 ほか)

第2部 通商産業省の賭け (資源エネルギー庁の誕生、原子力界の陰の首領、オイル・ショックの打撃 ほか)

第3部 誰がエネルギーを制するか (原発推進のPR戦略、ローカル・エネルギー・システム、メジャーと石炭の関係 ほか)
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ドキュメント東京電力―福島原発誕生の内幕
(清澤源弘の私的な印象記)

戦前から日本の電力会で電力王と呼ばれた松永安左衛門、そして東電社長を務め電力界の天皇と呼ばれた木川田一隆は、国と民間との主導権争いを民間と側で演じている。それに対する国側の代理組織が電源開発であったという。

この本は、1986年に刊行された「ドキュメント東京電力企画室」を改題して復刊されたものである。

また、1955年に東電社長室に原子力発電課が新設された翌年に、正力松太郎原子力委員長による第一号大型原子炉導入の動きが活発になり「国家対電力会社の遺恨試合、泥仕合」が繰り広げられたというのはおそらく真実であろうが、今回の事故がなければ多くの国民はその構造には気がつくことなく過ごしていたことであろう。

確かに、東京電力は情報を国に出さず、管直人総理大臣もまた政府も東京電力に対して普通以上に高圧的な態度をとり続けたという今回の事故の状況には、この主導権争いの下地があってこそと思われた。

東京電力といえば、日本の権力の総本山に最も近い存在かと信じていただけに、彼らが原子力発電所建設での通産省との主導権争いに多くの労力を割いてきたという話は全く意外であった。

この中にはわずかしか登場しないが田中直次郎という名前がある。彼は私の故郷松本市出身の人物で、最初は松永安左衛門に従った人物なのだが、木川田一隆社長の下、福島原発の建設にも大いに寄与して東京電力の副社長にまでのぼりつめたと聞いてきた。

その系譜は何人かの松本市出身の東京電力社員にも引き継がれていて、私の高校の同級生でも東京電力に奉職した友人は多い。現在の社長の西澤俊夫氏 (京都大学 経済学部卒業)もまた松本深志高校の出身者だと聞いた。

その同級生のほとんどは今回の事故のはるか前に既に東京電力を離れてはいるのだけれど、彼らが、正しいと信じて行ってきた仕事がこのように否定される事態になっては言葉もないことであろう。現在の事態にどのような感想を持っているかは、時間が過ぎてからじっくりと飲みながらでも聞いてみたいものだと思う。

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