〈こだまでしょうか、/いいえ、誰でも。〉というフレーズは東日本大震災を機にACのコマーシャルで知られるようになった金子みすゞの詩ですが、この詩人をご存知でしたか?今の人ではありません。多くの眼や涙などをテーマにした作品を残しています。
金子みすゞを『ウィキペディア(Wikipedia)』で、見ますと。
金子みすゞ (かねこ みすず) は1903年4月11日 山口県大津郡仙崎村で生まれ、大正時代末期から昭和時代初期にかけて活躍した童謡詩人で、本名は金子テル(かねこ てる)です。
大正末期から昭和初期にかけて、26歳の若さでこの世を去るまでに512編もの詩を綴ったとされます。1923年(大正12年)9月に『童話』『婦人倶楽部』『婦人画報』『金の星』の4誌に一斉に詩が掲載され、西條八十からは若き童謡詩人の中の巨星と賞賛されました。
しかし、1930年(昭和5年)2月に離婚が決まった時。みすゞは、せめて娘を手元で育てたいと要求し、夫も一度は受け入れましたが、すぐに考えを翻し、娘の親権を強硬に要求。夫への抵抗心から同年3月10日、みすゞは、娘を自分の母に託すことを懇願する遺書を遺し服毒自殺し、26年の短い生涯を閉じました。
金子みすゞの巻 万物の心と同化した叙情:というコラムがネットの読売新聞のページ(リンク)に出ていましたが、それを読んでみますと眼や泪という単語が多く出てくるのに気がつきました。
◇豊漁に沸く浜辺ではなく、死んだ魚を弔う海中に視線を向けた「大漁」には、みすゞの優しさと共に、世間の厳しさ、生きることのつらさも投影されているようです。
〈浜はまつりの/ようだけど/海のなかでは/何万の/鰮(いわし)のとむらい/するだろう。〉
◇「星とたんぽぽ」
〈昼のお星は眼(め)にみえぬ。/見えぬけれどもあるんだよ、/見えぬものでもあるんだよ。〉
◇「露」
〈誰にも言わずに/おきましょう。/朝のお庭の/すみっこで、/花がほろりと/泣いたこと。〉
◇「わらい」
〈もしも泪(なみだ)がこぼれるように、/こんな笑いがこぼれたら、/どんなに、どんなに、きれいでしょう。〉
コラムを記した多葉田聡さんは”美しい叙情と鋭い観察眼。生誕100年を過ぎた今も、みすゞの詩は様々なことを感じさせてくれます。”とここにも眼という言葉を使っています。
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