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2011年6月26日

2378 診療に役立つ認知行動療法のエッセンス 心療眼科研究会(印象記)

診療に役立つ認知行動療法のエッセンス 東京女子医大 神経精神科 臨床心理士 小林清香先生の話を、診療眼科研究会で聞きました。 
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認知行動療法(cognitive behavior therapy)は,抑鬱や不安などに伴う情緒的・行動的問題に関する心理療法の一つです。認知行動療法では問題とされている事象を「環境・行動・感情・認知・身体の反応」といった面から整理し、同じ問題に出会っても個人によって反応が違うのはなぜか、過剰な不適応反応を改善するにはどうしたらよいかを考えます。

 この療法では心身の健康を守り、促進するための「行動」をセルフコントロールできるようにさせることを目指します。治療者はトレーナーとして関与します。

まず有る事象を或る患者が認知すると、同じことにであっても患者はそれぞれに違う気分を感じ、違った行動をとります。認知と気分および行動の関係にはいくつかの類型が見られます。

実際の医療では、医療者の考え(予測・理解)と患者の考えや反応はずれています。
そこで本人の「認知」を明らかにするためには、何に困っているのかを知りたいのでと患者に語りかけます。
患者さんは一番悪いことだけを聞いて思考停止に陥っているのかもしれません。それは嫌なことだけが耳に残るからです。患者は鬱や不安に伴って、自己不信、周囲への批判、そして将来に対する否定的見解等を抱きます。

治療の初めには、問題点を医療者が指摘するのではなく患者に答えさせるのです。不安な人には危険に対する対処力を強めてもらうことが必要です。

 認知行動療法の基本は行動を変えさせるために医療者はどう対処するか?ということです。そこで、自己効力感というのですが、自分にもできるのではないか?と患者に思わせることが必要です。

そのためには自己目標を決めさせるのですが、その目標は具体的であって、ステップ・バイ・ステップなものでなくてはなりません。具体的目標には継続的な励ましも必要です。この場合遠くて大きな目標はよくありません。目的がダイエットでも夜食は食べないとか、何時以降は口にものを入れない等のような具体的な目標にします。

本人の行動に変化が見られたら、次には望ましい行動を継続させる工夫をします。それは学習理論と行動強化があります。お菓子を食べるのを減らさせるためには我慢するというのではその達成は難しく、その食べるということへのきっかけを制御してやります。長期的に見て良いことではなくて、目先の行動に報酬や嫌悪刺激で働きかけます。小さい目標を成し遂げたら、成功体験を増強するためにほめてやります。そして順々に目標の難易度を上げてゆきます。

 この場合、自分が決めた目標の方が実行しやすいという特徴があり、モチベーションを上げるために、これならできそうという目標を自分で決めさせます。

医師が○○はできていますか?と、聞くのもいつも医師が気にしているということを見せる報酬の与え方の一つです。できたことに注目してあげ、できなかったことは批判しません。脅しては駄目です。十分な知識の提供も必要ですし、セルフモニタリング(自己評価)や身近な報酬が大切です。時々は目標も見直しましょう。
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清澤のコメント;
うつ病の治療だけではなく、自分の体重コントロールの完遂や、子供に勉強をさせたい等というときにも使えそうなテクニックですね。保険診療の点数は精神科でないとつかないそうですが、診療の交通整理や効率化という見地からだけも資金が全額医院の持ち出しであったとしてもこの治療法は使えそうなことを感じて帰ってきました。

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