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2011年5月29日

2302水疱性角膜症 Bullous Keratopathytoは有痛性の角膜上皮下への水泡形成のこと

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水疱性角膜症 Bullous Keratopathyは角膜内皮が損耗して角膜に浮腫を生じて曇ってしまうような時に見られる有痛性の角膜上皮下への水泡形成のことですがその保存的な治療法がすこし話題になっています。

水泡性角膜症にお悩みの方々の参考に記載してみます。

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臨床的特徴:
水泡性角膜症でみられる内皮のポンプ機能低下は、内皮の細胞密度と機能の補償不全の結果です。先天性角膜内皮ジストロフィ、外傷、 白内障(1-2%ともいわれる)またはその他の眼内手術、前房型眼内レンズ(この場合は10%にも及ぶ)、そして長期の眼内炎症などが水泡性角膜症の原因になります。

症状は:
軽度ないし重篤な視力低下を示す
嚢胞の上皮細胞と上皮下細胞の破壊による痛みを伴う
流涙
光に対する過敏症
角膜知覚の減弱または高度な喪失

bullouskeratopathy2検査所見:
角膜上皮細胞と角膜間質の浮腫
角膜の小水泡と水疱の形成
慢性浮腫の解消に伴う上皮下の瘢痕形成

管理:
高浸透圧塩化ナトリウム5%溶液および軟膏。
ソフトコンタクトレンズでも、痛みを制御することができる。
眼圧を下げる薬剤でコントロールすることもできる。
手術:高度な例では全層角膜移植術。
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清澤のコメント:
点眼に使う高張食塩水点眼よりも、一説にはむしろ食塩を加えた軟膏の方が使いやすいという意見もあるようです。

眼科医向けですが、そのの作り方についての丁寧な指導が紹介されていまして(http://ozawa.or.jp/ionto/nacl.htm)とても参考になりました。この製法は日本病院薬剤師会による病院薬局製剤の本にも点眼・軟膏とも掲載されているそうです。しかし、最近は大学でもこの手の“作ってみました的な薬剤”を作ってもらうのも、実際に使わせることにも、はかなりハードルが高くなりました。

大学の薬剤部に頼まないとすると自分で食塩と白色ワセリンを湯煎して溶かし合わせるということですが、開業医ではそんな設備もないしこれもなんだか面倒?

この方法の軟膏で閉塞隅角緑内障の高眼圧に伴う浮腫を引かせて、そのあとレーザー虹彩切除をするというのならば受け入れやすい話です。

bullous keratopathy1
しかし、白内障手術で内皮の損耗が強く、遅発性に起きているような水泡性角膜症ですとずっと続けるしかないのか?と患者さんには聞かれそうです。

眼圧降下剤は、その点使い続けることに対する不安は少ないです。

角膜移植も、一昔前の全層角膜手術ですと拒絶反応の可能性まで考慮すると、最後の手段としてでないとお勧めするのにはなかなか踏み切れません。最近進歩した角膜内皮移植という方法もその辺りを考えるとありうる手段かもしれません。これも今後の成績でのお手並みを拝見というところでしょうか?

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