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2011年5月22日

2281 心的外傷後ストレス障害(PTSD)による発達障害に注意!

心的外傷後ストレス障害(PTSD)による発達障害に注意!

これは、ヘルシーサイトコンソーシアム通信(視力矯正にとどまらない「眼の健康」への正しい理解を目指す専門家ネットワーク「ヘルシーサイト コンソーシアム」がお届けするコラム通信 VOL.07 )のために清澤が準備した原稿です。

視覚が未発達の子供に、
震災の被害映像を見せるべきではないヘルシーサイト コンソーシアム メンバー 清澤 源弘(清澤眼科医院 院長)

東日本大震災で、被災地だけでなく、
全国の子どもたちが不安になっている

 文部科学省は去る4月13日、東日本大震災で被災した児童・生徒の心をケアするため、被災地の小・中・高校などに千数百人規模で、臨床心理の専門的知識を持つスクールカウンセラーを新たに配置する方針を決めました。子どもの心は大人とは違って傷つきやすくPTSD(心的外傷後ストレス障害)を生じやすいことに対応した措置かと思われます。

ただ、今回の東日本大震災は、被災地ばかりではなく、全国の小学生を始めとする子どもたちを不安にさせているようです。これは、テレビやインターネット等から流れる大津波や原発事故の映像に子どもたちが長時間接することに起因すると言われています。臨床心理の専門家によれば、特に小学3年生以下の児童や幼児は、いま起こっていることと、過去のことの区別がつけにくく、漠然とした不安感に襲われてしまい、親と一緒にその悲惨な映像を見させられることで心が蝕まれるのだそうです。専門家たちは、子どもを保護する立場にある親や大人たちに向けて、「(子どもと一緒に)繰り返し災害の映像を見続けることを避け、映像から離れて、『大丈夫だよ』と言葉に出して伝えてほしい」と呼びかけています。

大人も・・・。ストレスが眼の健康に与える悪影響

 こうしたストレスに晒されていると、視機能や眼の健康にどのような悪影響を及ぼすのでしょうか。

一般的に、大人・子どもにかかわらず、神経的なストレスが長時間続くと「眼心身症」を引き起こすと言われています。「眼心身症」にはストレスが原因で自律神経のバランスが悪くなり症状がでてくるタイプと、ストレスをからだの一部に転換してしまうタイプがあります。後者のうち、目に転換するタイプには、「心因性視覚障害」、「チック症」、「トゥレット症候群」などがあります。心因性視覚障害では心的なストレスに伴って視神経に重篤な病変が無いにもかかわらず、視力低下や視野狭窄が現れます。本人には嘘を言っている自覚はありません。チック症は幼児期から思春期に多くみられる脳神経系の障害で、心的なストレスに伴って頻繁なまばたき、顔をしかめる、鼻を鳴らすなどの症状を示します。重い場合には「トゥレット症候群」と病名も変わり、日常生活に支障をきたすほどになります。また、角膜神経に単純ヘルペスウイルスが感染しておこる「角膜ヘルペス」も、普段は神経内に潜伏しているウィルスが、ストレスや発熱、紫外線などの誘因によって活性化され、神経を下降して角膜に炎症を起こすと言われていて、今回の震災の後では普段より高い頻度で発生しています。

 また子どもの場合は、視覚を司る脳が発達途上であって、その完成には6歳までの十分な視覚的な体験が必要であるとされています。小児期における視覚情報入力の不足はその発達に支障をきたし、弱視を発生させることが知られています。この時期に視覚入力のストレスをかけることは視覚系の正しい成長に影響することが危惧されます。

こうした「眼心身症」を自覚したときは、出来るだけ専門の医師に診てもらうことが必要です。

発達途上にある子供の視覚。
刺激過多の情報から障害をきたすことも・・・

 日本小児神経学会によると発達途上にある、子どもの視覚や聴覚を司る脳の機能は、今回の震災報道のような感覚刺激に対しては、視床などがフィルターとなって刺激の減弱などの処理をしていると考えられています。刺激過多の状況では許容範囲以上の刺激を取り込んでしまう恐れがあるのです。機能的に処理能力を超えた量の映像は、結果的として脳神経細胞の障害をきたすことになります。心的外傷を負った子どもの脳では海馬の委縮が認められるという報告もあります。またこのような脳内の情報処理システムに異常をきたすと、子どもは、「言葉が出なくなる」、「音や匂いに敏感になる」、「悪夢を見
る(しかしその内容などを言葉で説明できなくなる)」などの様子を見せるようになることがあると言われています。

 日本小児科医会が「子どもの心のケアのために」と題した心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関するリーフレットの中で説明している、幼児や小学生が心的外傷後ストレス障害で見せる主なサインと大人ができる支援を紹介します。(日本小児科医会が、今回の地震対応用に一部改変)

幼児や小学生が見せる主なサインは・・・
・赤ちゃん返りをする
・親や保育士にまとわりつく
・無口になる。または攻撃的になる
・夜一人になることを怖がる
・地震ごっこをする
・それまで好きだったことをしなくなる

大人ができる支援は・・・
・「大丈夫だよ」と言葉に出して伝える
・何度でも子どもの話に耳を傾ける
・睡眠や食事などの日常生活を今まで通り続ける
・地震ごっこをしても「やめなさい」と言わない

ヘルシーサイト コンソーシアムが「よりよい視覚のための相談室」を開設!

 私たちヘルシーサイト コンソーシアムでは今回の震災に際して、主に被災地で避難生活を余儀なくされていらっしゃる方々を情報提供面で支援すべく、先月私たちのウェブサイト内に「避難生活における目の健康Q&A」を開設しました。被災者の方々のみならず、現地で健康指導にあたられている保健師の方々等にもご活用いただいているようです。もともと被災地に居住されている外国人や諸外国から支援に来られている医療従事者やボランティアの方々にも、ご活用いただけるよう、このほど英語版も準備しました。

 これに続き、同じく私たちのウェブサイト内に、眼の健康に関して、不安を感じていらっしゃる方々からのご質問やご相談に、当コンソーシアムのメンバーである眼科医がお応えする「よりよい視覚のための相談室」を開設しました。

 今回ご説明した子どもの視機能や視覚発達に関するご質問を始め、眼の健康を維持する上で、疑問に思っていらっしゃること等がございましたら、お気軽にご利用ください。ヘルシーサイト コンソーシアムのサイトはこちら▶http://www.healthysight.jp

ヘルシーサイト コンソーシアムが
「よりよい視覚のための相談室」を開設!

 私たちヘルシーサイト コンソーシアムでは今回の震災に際して、主に被災地で避難生活を余儀なくされていらっしゃる方々を情報提供面で支援すべく、先月私たちのウェブサイト内に「避難生活における目の健康Q&A」を開設しました。被災者の方々のみならず、現地で健康指導にあたられている保健師の方々等にもご活用いただいているようです。もともと被災地に居住されている外国人や諸外国から支援に来られている医療従事者やボランティアの方々にも、ご活用いただけるよう、このほど英語版も準備しました。

 これに続き、同じく私たちのウェブサイト内に、眼の健康に関して、不安を感じていらっしゃる方々からのご質問やご相談に、当コンソーシアムのメンバーである眼科医がお応えする「よりよい視覚のための相談室」を開設しました。

今回ご説明した子どもの視機能や視覚発達に関するご質問を始め、眼の健康を維持する上で、疑問に思っていらっしゃること等がございましたら、お気軽にご利用ください。ヘルシーサイト コンソーシアムのサイトはこちら▶
http://www.healthysight.jp

ヘルシーサイト コンソーシアムとは、「Healthy Sight」(ヘルシーサイト:より良い視覚)を企業テーマとして掲げるトランジションズ オプティカル ジャパン(紫外線の量によって色の濃さが変化する眼鏡レンズ、フォトクロミックレンズの製造・販売元)の呼びかけに応じて集まった、日本国内の眼科医を中心とする専門家のネットワークです。“視力矯正にとどまらない、「眼の健康」や「視機能」に関する正しい情報提供と理解向上”を目的に「眼の健康」に関する様々な疑問や悩みを抱える一般の方々をはじめ、医療従事者、眼鏡店・眼鏡関連器具関係者などに向け、専門的な立場からの啓発活動を行っています。
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ヘルシーサイト コンソーシアム メンバー
●川端秀仁(かわばた眼科 院長)
●佐々木洋(金沢医科大学 眼科学 主任教授)
●清澤源弘(東京医科歯科大学臨床教授/清澤眼科医院 院長)
●坂本保夫(東北文化学園大学 医療福祉学部 視覚機能学専攻 教授)
●井上賢治(井上眼科病院 理事長)
●濱田恒一(ハマダ眼科 院長)
●藤田京子(駿河台日本大学病院 眼科)

May 2011 ※順不同

ヘルシーサイト コンソーシアムでは、「眼の健康」や「視機能」を中心とした情報コラムを定期的に発行しております。企画などのご参考に、お役立ていただければ幸いです。

TEL.03-3523-8210 ヘルシーサイト コンソーシアム 広報事務局
(株式会社ジャパン・カウンセラーズ内)担当:後藤・村田
TEL.03-3523-8210
www.healthysight.jp

Categorised in: 未分類