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2011年5月15日

2263 米国で8歳娘に“しわ取り注射”との報道です

美少女コンテストのためなら…8歳娘に“しわ取り注射”という報道記事が出ています。
いくらなんでもこれはやりすぎかと思われます。

日本では片側顔面痙攣、眼瞼痙攣、痙性斜頸が従来このボトックス治療の対象とされてきましたが、私は高校生以下でこの治療を必要とした症例には出会ったことがありません。

hira1s国民健康保険の外では、美容外科でも使われています。

最近、2歳以上の上下肢の攣縮が強くて拘縮が強くなる症例が眼科ではありませんが適応に加えられています(下記プレスリリース参照)ので、眼科以外で有れば年齢としては8歳の児童でもボトックス治療の対象になる場合は有るであろうと考えられますけれど。いずれにしても、この記事が本当であれば、これは形を変えた児童虐待に相当し、いかにもやりすぎと感じられますね。(清澤のコメント)

ーーーーー報道記事の引用ーーーーーー

 美少女コンテストに出場する8歳の娘の見栄えを良くするため、しわ取りの美容効果があるとされる「ボトックス」を注射しているという母親について、米サンフランシスコの児童虐待監視当局は法律に違反する行為がなかったかどうか調査を始めた。ABCテレビなどが13日までに伝えた。

 専門家は、成長過程にある子どもの顔面にボトックスを注射すると、筋肉をまひさせ、顔の形が変わってしまう可能性があると警告している。

 この母親は12日、娘と共に同テレビの情報番組に出演。娘の額付近に注射している写真などが紹介された。娘は、注射が痛くて時々泣いてしまうが「もう慣れた」と話し、母親は「多くの母親がやっていること」「コンテストの世界は厳しいの」などと語った。

 ボツリヌス菌の毒素から作られるボトックスには筋肉を緊張させる神経の働きを抑える作用があり、顔面のけいれんの治療薬に使われるほか、手軽にしわを目立たなくできるとして美容整形でも使用される。(共同)
. [ 2011年5月14日 10:51 ]

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以下はやや前のプレスリリース引用です。

「ボトックス®」で適応追加
~脳卒中後などの痙縮(けいしゅく)の治療に新たな選択肢~ 2010-10-27

グラクソ・スミスクライン株式会社(社長:フィリップ・フォシェ、本社:東京都渋谷区、以下GSK)は、10月27日付で同社のA型ボツリヌス毒素製剤「ボトックス® 注用50単位」、「ボトックス® 注用100単位」(一般名:A型ボツリヌス毒素)について、「上肢痙縮、下肢痙縮」を効能・効果として、厚生労働省より適応追加の承認を取得しました。

このたび適応追加された痙縮(けいしゅく)とは、脳卒中、脳性麻痺、頭部外傷、脊髄損傷あるいは多発性硬化症などの疾患が原因で筋肉が緊張しすぎて、手足が動きにくかったり、勝手に動いてしまう症状を呈する状態です。痙縮による異常姿勢が長く続くと、筋肉が固まって関節の運動が制限され(拘縮)、日常生活に支障が生じてしまいます。また、痙縮がリハビリテーションの障害となることもあるので、痙縮に対する治療が必要となります。早期から実施されるリハビリテーションにボツリヌス毒素療法を効果的に組み合わせることによる機能障害の改善が期待されます。

痙縮の適応追加について、臨床試験を医学専門家として指導した徳島大学医学部 神経内科 教授 梶龍兒先生は次のように述べられています。
「ボトックスによる痙縮について、短い期間の臨床試験でも日常生活動作が明らかに改善した患者さんが見られました。欧米では、痙縮の治療として、ボツリヌス毒素製剤の筋肉注射が一般的であり、日本での承認が待ち望まれていました。介護保険で寝たきりに近い要介護度5では脳卒中後遺症に悩む患者さんが半数以上を占めており、脳卒中後遺症全体で年間2兆円近い費用がかかっております。痙縮に対する効能が追加されたことによって、とくに重症の痙縮患者さんでは、経済的負担、介護費用、医療費の軽減のみならず、ご自分でいろいろな動作ができるようになることで、自尊心を回復できるという大きなメリットがあると考えています。また、ボツリヌス毒素療法は患者さんのみならずリハビリテーション医や介護者にも大きな希望を与えることでしょう。」

「ボトックス®」について
「ボトックス®」は、ボツリヌス菌が作りだしたA型ボツリヌス毒素(天然のタンパク質)を有効成分とする筋弛緩剤です。神経と筋肉の間では、アセチルコリンという化学物質が放出されて刺激が伝わり筋肉が収縮します。本剤は、投与した部位に作用して、アセチルコリンの放出を阻害することにより、神経の働きを抑え、筋肉のけいれんや緊張を抑えることができます。「ボトックス®」は、日本において1996年に「眼(がん)瞼(けん)けいれん」、2000年に「片側(へんそく)顔面(がんめん)けいれん」、2001年に「痙(けい)性斜頸(せいしゃけい)」、2009年に「2歳以上の小児(しょうに)脳性(のうせい)麻痺(まひ)患者における下肢痙(かしけい)縮(しゅく)に伴う尖(せん)足(そく)」を適応として承認されています。現在、世界では、アメリカ、イギリスを含め80カ国以上で承認されています。そのうち「痙縮」については、70カ国以上で承認されています。
なお、グラクソ・スミスクラインplcは2005年10月にアラガンInc.(本社:米国カリフォルニア州アーバイン)の「ボトックス®」について、日本および中国における開発権および販売権の供与について契約を締結しています。

痙縮(けいしゅく)について
厚生労働省の患者調査結果によると、本邦での慢性期の脳卒中患者は約134万人1と報告されており、国内には約55万人の脳卒中後の痙縮患者が存在すると推定されます。また、頭部外傷、脊髄損傷、脳性麻痺、多発性硬化症などの後遺症に由来する痙縮についても同様の病態をとり、これら脳卒中後以外の原因に基づく重度痙縮症例が8万人以上いると推計されています。
ーーーー引用終了ーーー

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