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2011年4月24日

2210 院内での患者の階段からの転落事故死という記事です

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階段…目の不自由な患者の転落(50歳代女性)2011年4月23日 
京都府保険医協会・医療安全対策部会というネットの記事が載っていました。

(京都府保険医協会・医療安全対策部会編『事例で見る 医療安全対策の心得』(2010年10月1日発行)(http://www.healthnet.jp/MedicalSafety.html)から抜粋です。)

医療従事者にとって、患者さんが病院内で怪我をしたり、ましてそれがもとで命を落としてしまうということは考えられる最悪の事態です。もちろん患者さんにとってもそのご家族にとっても大変な事態です。

昨年は谷啓さんが階段からの転落事故で命を落とされましたが、この階段からの転落死は、年に1000件も有るようです。このケースの場合、両眼の視力が非常に低いということと、ベッドを離れるときにはナースを呼ぶような指導はしていたというお話ではありますが、夜中のトイレなどでは遠慮して呼ばない事も有るでしょう。

このような事態を表現するのには医療事故、医療過誤、そして医療紛争という3つの言葉があるそうです。

”医療事故とは”とグーグルで探して見ましたら以下の説明が見つかりました。
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◆医療事故とは: 『医療行為に起因して生じた事故を総称していい、その中には医療従事者の過失責任を伴うものから不可効力的な無責事故までを含む』

◆医療過誤とは: 『上記医療事故で医療従事者が当然払うべき注意義務を怠ったために患者に損害を与えた場合をいう』

◆医事紛争とは: 『何らかの医療行為あるいは医療サービスに関連して生じた患者側と医療側との全てのトラブルをいう』

そのページにはそれぞれがこう説明されていました。

ーーーー引用開始ーーーー
さて、
階段…目の不自由な患者の転落(50歳代女性)

事例に学ぶ場所別安全対策◆Vol.3

2011年4月23日 京都府保険医協会・医療安全対策部会

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1.事故の概要と経過
 白内障手術を行う前に糖尿病の血糖コントロールを行うため、当該医療機関に入院した。入院当初より右眼ライトセンス(光のみ認識可能)、左眼0.01の視力であったので、トイレに行くとき等の移動時にはナースコールをするように看護師から説明してあった。また主治医は介助なしの歩行を禁止し、排泄はポータブルないし看護師の介助で行うよう指導していた。それにも関わらず、一人で詰所まで行き看護師から厳重注意された事実があり、カルテにも記載がされていた。その後は一人で歩行することもなく、排泄もポータブルまたは看護師の介助で行っていた。

 ところが、朝早く同室患者とトイレに行き排泄後一人で帰室する際に、トイレ正面の階段より転落した。転落した際の物音に掃除担当者等が気づき、直ちに当直医が診察し同時に脳外科医にオンコールした。また、家族にも連絡を入れている。CT検査ならびにX-Pの結果、硬膜下血腫、脳幹損傷と診断したが、状態がひどく対症療法のみにとどまり2日後に死亡した。

 遺族側からは、事故原因の正式な説明がない、トイレの側に階段がある病院の構造に問題があるのではないか、管理・看護の体制に問題はなかったのか、について回答がない限り、原疾患である糖尿病の治療費以外の医療費は払えないと主張した。

医療機関側は、入院時より視力低下に配慮し歩行や排泄の時には看護師の介助を指示してきており、事故直後にも家族に連絡を取り院長が診察の上、状況を説明している。また、施設の構造上の問題もないとして無責を主張した。

 紛争発生から解決までに約1カ月間要した。

2.問題点
 以下の点を確認した結果、医療機関側に過誤は認められないと考えられた。(1)床下は濡れていなかった、(2)現場の照明は通常で特に暗くなかった、(3)当該患者には一人での歩行を禁止しナースコールで看護師を呼ぶように指導し、患者はそれを理解していた、(4)事故後の当直医の処置、脳外科医との連携も適切に行われていた、(5)夜勤帯ではあったが職員数が特に少なかった事実はなかった。

3.解決方法
 医療機関側が誠意と根拠を以て管理上のミスがないことを遺族側に説明した結果、遺族側は納得して一般の事故死として了解した。なお、医療機関側が事故証明を患者側が加入している保険会社に提出して生命保険金が支払われた。

【階段での医療安全対策】
(1)床などが濡れている場合は直ちに拭く。
(2)照明の電球が切れた場合は早急に取り替える(常に一定の明るさを保つ)。
(3)滑りやすいところには滑り止めを付ける。
(4)摺りを付ける。
ーーーー引用終了ーーーーーー

清澤のコメント:

この説明を読んで感じたのは、この事例は直接の医療に関連したものではなく、病院の管理責任はそれほど大きくはないと感じました。が、ご家族に納得していただけるのにはずいぶん説明を要したことと推察されます。

◆そもそもこの事態は医療事故なのか?

◆次に、医療過誤によるものだったのかどうか?

◆そしてそれは医事紛争に発展してしまうかどうか?

といくつもの段階を経て事態は推移すると思われますから、医療者は単に謝るとか、単に責任がないということを言いつのるのではなく、真実を誠実に説明する責任があるのでしょう。

今後の対策としては、上に記された対策ということにはなるのでしょうけれども、このような事故に直面した場合に、その交渉過程を通じて諸職員の患者さんの治療に対する熱意が減退する結果になることが最も恐れられます。

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