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2011年4月20日

2202潰瘍性大腸炎による眼障害

2202 潰瘍性大腸炎による眼障害 Eye Problems Caused by Ulcerative Colitis

(出典:やや詳しい解説を目指し清澤が翻訳して言葉を加えてみます。)

2001年に発表された眼炎症と免疫財団ウエブサイトでFoster博士は潰瘍性大腸炎患者の 5%が反復性のぶどう膜炎を起こすと記載しました。ぶどう膜炎とは網膜の下の層の炎症のことです。 眼内のそのほかの部分も同様に炎症を起こします。

ASCRSの2007年に発行した大腸と直腸の疾患の教科書でも虹彩炎、上強膜炎、そしてぶどう膜炎が潰瘍性大腸炎やクローン病の患者の2ないし8%で起きると記載されています。しかし腸における炎症のboutsは通常は目における炎症のboutsとは同時には存在しない。

ulcerative colitis, episcleritis
上強膜炎 Episcleritis (
上強膜は強膜の上を覆う薄い層です。上強膜炎では痛み、充血、流涙を示します。上強膜炎では通常は視力は脅かされません。そして自然に回復します。眼科医はこれを局所ステロイド投与で治療し、もし不快感の訴えがあれば人工涙液で治療します。

虹彩炎 Iritis
虹彩炎は前房を含む目のまえの部分です。前房と言うのは脈絡膜の一部である虹彩と透明な角膜の間の部分です。虹彩炎では羞明や、痛み、目の充血、視力の低下などが見られます。虹彩炎の合併症には白内障や緑内障、そして虹彩以外の部分への炎症の波及等も有ります。これらの合併症は視力の低下を来たし、時には失明に至ります。虹彩炎は局所または経口でのステロイドで治療されます。全身性の炎症性疾患である潰瘍性大腸炎などには免疫抑制剤なども使われます。

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ぶどう膜炎 Uveitis

この他のタイプの潰瘍性大腸炎に合併する目の炎症にはぶどう膜炎がある。ぶどう膜は眼球の後半部分にある網膜の下にある血管の膜で有る。

充血、痛み、視力低下、眩しさがぶどう膜炎の症状である。虹彩炎と共通の症状をもち、その炎症の場所だけが違う。(はAcute anterior uveitis with plasmoid aqueous and hypopyon in a patient with ulcerative colitis.とされているが前房蓄膿はHLA-B27関連ぶどう膜炎、Behçet disease、感染などが多い)

虹彩炎と同様に目に重症の合併症を起こす可能性がある。緑内障、視力の喪失、白内障の進行、網膜病変の何れもが起こりうる。

副腎皮質ステロイドの点眼が有効な治療法である。しかし、病変は目の後方にあるからステロイドは経口投与されたり、眼内に注射されたりもする。

免疫抑制剤が処方されるケースもある。ある患者によっては、硝子体切除手術が診断や治療に必要である。

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清澤のコメント

潰瘍性大腸炎には外眼筋炎との合併の報告も少しだけあります。そのことを調べて記載したこのブログの記事がここ”1032 潰瘍性大腸炎と外眼筋炎との関係についてという質問を受けました。”にあります。(リンク)

529 上強膜炎と強膜炎、その診断と治療はこちらで解説しています(リンク

もっと広い意味で目と内科の病気について の知識をお求めならば
761 目と内科の病気についての記事もあります(リンク)。

さらに詳しい知識を求める人には英文ですが: http://www.livestrong.com/article/168916-eye-problems-caused-by-ulcerative-colitis/#ixzz1JygjziC3
もあります。

そもそも潰瘍性大腸炎というのは?:(慶應義塾大学炎症性腸疾患センターの記載を参考に)

 大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍を引き起こす原因不明の疾患の総称を炎症性腸疾患(IBD:fInflammatory Bowel Disease)と言う。潰瘍性大腸炎も、この炎症性腸疾患の一つ。大腸の粘膜をおかし、しばしばそこに小さく浅い潰瘍やびらんが多発する病気。

 初期の症状は腹痛とともにゼリー状の粘液が排便時に多くなり下痢の傾向になる。放置しておくと粘液の量が増えるとともに血液が混じるようになったり(粘血便)、血便が出るようになる。さらに、ひどくなると一日に何十回も粘血便や血便が出るようになる。この他、発熱や体重減少、まれに便秘も認められる。

 原因は、腸内に棲む細菌のバランスが崩れたことが関わってくるのではないかという細菌説、人間の免疫機構が、体の一部であるはずの大腸粘膜を敵と認識して攻撃し、破壊しているという自己免疫異常説が言われている。また食生活が関与しているという説や、ストレスが大きく関与している説など様々な説がある。

 特定疾患受給者証の交付件数では、平成8年度の時点でおける我が国の患者数は約4.6万人。有病率は10万人あたり36.9で、さらに年間約4,000人が発病。発病率には男女差はなく、発症年齢は男性で20~24歳、女性で25~29歳をピークとする。死亡率は欧米で10万人当たり0.1~0.25%、日本では0.1%と、特定の場合を除いては死に至ることはない。

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