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2011年4月17日

2196;~前眼部手術~開瞼困難は薬剤性眼瞼痙攣の可能性 (メディカルトリビューン記事)

 眼科手術は,視機能,術後の快適性,さらに外見の問題がその成果を左右するという特殊性がある。また,眼科手術の結果は患者の自覚として反映されるため,術者の医学的評価とは必ずしも連動しない。そのため,“眼科手術不適応症候群”と称される術後の不定愁訴・不満が生じやすく,昨今はそうした症例が増加している。

京都市で開かれた第34回日本眼科手術学会(会長=近畿大学眼科学・下村嘉一主任教授)のシンポジウム「眼科手術:術後愁訴や不満への対応」〔オーガナイザー=井上眼科病院(東京都)・若倉雅登院長,永田眼科(奈良県)・松村美代氏〕では,これまでほとんど論議されてこなかった術後の不定愁訴や不満をテーマに取り上げ,各眼科手術の経験例などを基に,その問題点と必要な対策が発表された。

このシンポジウムの内容

~白内障・緑内障手術~眼だけでなく患者総体のQOLとして満足度を考慮
~前眼部手術~開瞼困難は薬剤性眼瞼痙攣の可能性
~網膜硝子体手術~痛みのない手術を行うことが肝要
~屈折矯正手術~総合的な視機能矯正を考慮し適応判定を

この中の清澤の担当部分

~前眼部手術~
開瞼困難は薬剤性眼瞼痙攣の可能性
 前眼部の術後愁訴として,疼痛,複視,眼瞼下垂,視力低下などが挙げられる。東京医科歯科大学臨床教授で清澤眼科医院(東京都)の清澤源弘院長は,こうした術後愁訴や不満を訴えてきた前眼部手術症例について解説。白内障手術などの術後眼痛や開瞼困難は薬剤性眼瞼痙攣が原因である可能性を指摘した。

レーシック術後では眼トラブルが多い
 まず,霰粒腫切除術では術後に眼瞼動脈弓の切断による出血が起こることがあるため,術前に説明しておく必要がある。その一例として清澤院長は,術後5日目,運動後に瞼に痒みを感じ,かいたところ突然流れるような出血が始まり,救急外来で圧迫止血するも止まらず,翌朝同院を受診した症例を示した。この症例については,手術顕微鏡下で切断された管腔などで出血点を確認し,バイポーラ凝固鑷子で焼灼した。眼瞼近くに通糸し固く結紮する方法でも止血は可能だという。

 レーシック術後はドライアイ,過矯正,中心の偏位,感染の可能性がある。フラップの接着力は術後2年でも正常角膜の2%程度しかないため,フラップの脱落なども生じる。外傷によりレーシックフラップが脱落した症例では,眼痛に対し保護用のコンタクトレンズを処方し,フラップなしで上皮の再生を待つことでの対応も可能である。

 涙点プラグ挿入術ではプラグのサイズや種類の選択を間違うと埋没の恐れがある。しかし,涙小管炎や涙嚢炎など合併症を発症していないのであれば,プラグが残留しても問題にならないケースが多い。

 白内障手術では術後に開瞼困難や眼痛,異物感を訴えることがあり,この場合,抗うつ薬や睡眠薬による薬剤性の眼瞼痙攣が原因として隠れていることがある。隠れた眼瞼痙攣を探すには,眼瞼痙攣自己診断(若倉表;表)が有効である。薬剤性眼瞼痙攣の治療としては,精神科薬の減量を精神科医に依頼するが,減量できない場合はドライアイの治療やボトックス投与で改善することが多い。さらに症状が続く場合はクラッチ眼鏡や眼輪筋切除を考慮する必要がある。同院長は「患者は精神科疾患について話したがらないことが多いので,白内障手術などの術後眼痛や開瞼困難例では薬剤性の眼瞼痙攣を疑い,うつ病自己評価尺度でスクリーニングを試みるのも1つの方法である」と述べた。

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