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2011年3月27日

2150 糖尿病網膜症 放っておくと失明!?

昭和40周年男 8

糖尿病網膜症  放っておくと失明!?

昭和40年男にとって、もっとも気になる成人病・糖尿病は、実は目の健康と密接な関係がある。
ところが、自覚症状がほとんどないので放置されがち。
腎症や神経障害と同様、放っておくと大変なことになる病なのだ。

 成人病としてよく知られ、我々世代に大いに関係のある糖尿病。実は眼病と深い関係があるということをご存知だろうか。糖尿病は言うまでもなく血糖値の高い状態が恒常的に続く病気だが、それ自体に自覚症状はほとんどない。糖尿病が怖いのはそれによって引き起こされる合併症なのである。

「とくに末梢神経の血流が阻害されることで起こる神経障害、血中の毒素を排出する腎臓が障害される腎症、そして今回お話する網膜症。これらは三大合併症といわれ、非常に多くみられます」

 では、この糖尿病性網膜症とはいったい、どんな病気なのだろうか。酸素を届けるための新しい血管が問題

「眼球の一番奥には、光を感じ取る神経が敷き詰められている網膜という組織があります。ここには多くの毛細血管が集まって、網膜に酸素や栄養を届けているのですが、糖尿病の方の血液は流動性が悪いため、毛細血管の血流が阻害されて酸素や栄養が不足し、虚血という状態になります。この段階でも血管壁に負担を与えて瘤をつくったり出血するのですが、虚血部分からは「酸素がほしい」という信号が出るので、太い血管は新しい枝を伸ばして血液を供給しようとします。この網膜新生血管はたいへん弱い血管で、大した力がかからなくてもちぎれて眼底出血を引き起こします。最初は出血も小さく、ほとんど自覚症状もないのですが、やがて出血箇所が増えてくると視力が低下したり、見え方に異常を感じるようになります。さらに症状が進むと大出血したり、伸びた新生血管網が収縮を起こすことによって網膜を引っ張って剥離させ、最悪の場合は失明にいたります」

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 失明と聞くとドキッとするが、高血糖だからといってすぐに糖尿病性網膜症になるというわけではないそうで、血糖が高いと言われてから5年間くらいは眼底出血は起こらない場合が多いという。

「だから血糖が高いよと言われたらきちんと定期的に検診を受けて、眼底出血が見られれば早めに対処することが大切ですし、そうすれば事はそれほど深刻ではありません。ただ、糖尿病って痛くもかゆくもないんで、つい後回しにしちゃうんですよね。痛いとか、しんどいとかになれば、仕事を休んででも病院に行くじゃないですか。でも「最近だるいなあ」と思うくらいじゃ、なかなかね。でもそうやって病院に行かな
いでいるうちに、眼底に大出血を起こして両目が見えなくなって、初めて病院に来る人が年に何人もいるんです。そうなると元のような視力にはなかなか戻らない」

 成人病はサイレントキラーなどと言われるが、それはこの病気にも当てはまるようだ。我々は果たしてどのくらいの頻度で検診を受ければいいだろうか。

「健康診断の結果が問題ない人なら年に一回、血糖が高いといわれた人なら3ヶ月に一回以上は行った方がいいと思います」

急激な血糖値の減少はかえって危険

 それでは、糖尿病性網膜症になるとどのような治療が行なわれるのだろう。
「まずは血糖のコントロールです。ただし、あまり急激に下げてはいけない。眼科で眼底出血が見つかったから、紹介された内科で血糖測ってもらったら高かったとしま
す。これは大変だと血糖をクスリでガクンと下げたら翌日出血するでしょうね。血糖を急激に下げると眼底出血は強くなるんです。

だから、とぼとぼと長い時間をかけて治療する必要があるんです」

 外科的なところではどうか。「網膜上の血流が悪い部分にレーザーを照射することでその部分の網膜を死滅させます。つまり酸素不足に陥った網膜を間引くことで、眼内の酸素の需要が減少し、新生血管がしだいに消滅します。

この治療法では一部の網膜が死滅しますので、明るさの感度が鈍って薄暗いところは見えにくくなることがあります。また、新生血管が硝子体にまで入り込んで出血した場合は、ゼリーで満たされている硝子体内から、出血で濁った部分を吸い取る手術を行なうこともあります」

 どちらも痛みは少ないそうだが、やはりきちんと血糖をコントロールして手術の必要がないようにするのが好ましいに決まっている。血糖が高めの方は要注意だ。

糖尿病性網膜症の症状
・ぼんやり見える
・飛び物が見える(飛蚊症)
・影や暗くて見えない部分がある
・夜間に見えにくくなる
・直線が歪んで見える

糖尿病網膜症と新生血
血液の流れが悪くなるとまず毛細血管がダメージを受け、破裂したり瘤ができたりする。次に新生血管が出来始め、それがちぎれてあちこちで出血を起こす。やがて新生血管は硝子体にまで達し、硝子体内部での出血が起こり始める。出血によって繊維質の膜が形成され、これが網膜を引っ張ることで網膜剥離を起こす。こうなると重症だといえる

レーザー光凝固術
新生血管をつくらせないためには、酸素が不足しているエリアの酸素需要を減らすことができればいい。レーザー光を当てることで網膜の一部を焼き、死滅させるのがこ
の治療法。光を感じる能力は落ちるので暗く感じることがある。

硝子体手術
硝子体にまで達した新生血管が出血すると、硝子体が血液でにごってしまう。そこで眼圧を保つための灌流液を注ぎながら濁った硝子体を吸いとるのがこの治療法。眼内は暗いので照明ファイバーで照らしながら手術する。

正常な網
眼の状態
自覚症状

単純網膜
眼の状態
・網膜の毛細血管がもろくなる
・点状及び斑状出血が発生
・毛細血管瘤ができる
・硬性白斑(脂肪や蛋白質の沈着)
・軟性白斑(血管詰まってできる)
自覚症状:なし

増殖前網膜
眼の状態
・軟性白斑が多くみられる
・欠陥が詰まり、酸素欠乏になった
部分がみえる
・静脈が異常に腫れて、毛細血管
の形が不規則になる

自覚症状:なし

増殖網膜症
眼の状態
・新生血管が硝子体にみられる
・硝子体出血がある
・増殖膜の出現
・網膜剥離
・失明にいたることがある

自覚症状:
・視力の極端な低下
・黒いものがちらつく
・ものがブレて見える

■糖尿病と網膜症の関係
血糖が高く、血液がドロドロ

毛細血管の詰まり、流れの悪さ、眼底出血

網膜への酸素・栄養素が不足

新しい血管で不足分を補おう!

本来はない弱い新生血管の発生

新生血管の破裂、出血

硝子体出血、網膜剥離、視力障害、失明

地道な血糖値の改善が効く。

■網膜剥離の恐怖
 ボクサーが選手生命を絶たれるかどうか…などで話題になることの多い網膜剥離。視神経が張り巡らされた網膜は眼の奥に張り付いているが、その接着力は弱く、何らかの理由で網膜が剥がれて硝子体の中に浮き上がってしまうことがある。これが網膜剥離だ。

 とくに中高年になるとゼリー状だった硝子体の一部が、水のような液状になってくる。ゼリー状の硝子体が眼球内で揺れ動くのようになり、これによって網膜と硝子体の癒着部分が引っ張られ裂け目ができる。するとそこから液体が入り込みみますます網膜の剥離が進んでしまう。

 網膜剥離になると黒い点やゴミのようなものが見えたり、目の中に光が見えたり、視野欠損が起こったりするが、初めは自覚症状は少ない。少しでも違和感があったら眼科を訪ねよう。

網膜剥離の眼底写真。上部の網膜がはがれて浮いている。網膜は半透明のため、くっついていると下の層のしま模様とオレンジ色がはっきり見えるが、はが
れると見えず、白っぽく見える

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