仙台から一人の同級生のMさんが夏休みで帰省中の私の実家(長野県松本市)に突然なんの前触れもなく大型のオートバイで訪ねてきてくれました。
聞くと、駅前の同業者の卵屋さんに飛び込んで、この街に清澤という卵屋が有るはずだが知らないか?と聞いて私の家の場所を教えてもらってたどり着いたのだそうです。
その時どんな事をお話したのかはもう忘れましたが、当時は元気で有った両親、祖母、妹、弟ともどもその珍客をとても喜んで歓迎したことでした。
その豪快なヒゲの友人は、今は岩沼で開業していて、今回の地震の後停電と断水で入浴ができないと知るや髪を坊主頭にして、その日から被災者の治療に奔走しているのですが、今日は同級生のメーリングリストでこんなことを知らせてくれました。
当院の患者さんでも紙一重で助かった方のお話をいろいろ聞いております。
そのなかでちょっといい話を一つ
阿武隈川河口蒲崎地区の方で当院の隣の住人の方の父上の話です。
阿武隈川の堤防に避難し九死に一生、水没した地域から助けてーという声がたく
さん聞こえて何かできないかといてもたってもいられなく、いあわせた数人で、
火事場のくそ力で阿武隈川に流れているボートを引き寄せて堤防を担ぎあげ、水
没地区におろし救助開始、
水面は流木、漂流物でおおわれて、数メートル進むのに1時間かかるような状況
の中暗闇の中10時までかけて妊婦さんを含む十数人を助け上げたとのことでした。
10時になっておいお前らどこにいると声をかけて屋根の上だとの返事だけになっ
た時点で、お前ら溺れる心配ないから朝までそこにいろ、俺たちも疲れた、と
いって一休みとのことでした。
体の芯まで冷えて風邪ひいたと来院されましたのでPL処方後いい話をありがとう
と日本酒1升届け、落ち着いたら一緒に飲みましょうと約束しました。
世の中捨てたもんじゃないですね。
ーー引用終了ーー
清澤のコメント:市民が水没者の救助をしたのもいい話、一升瓶を届けたのもまたいい話です。
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