新潟の眼科医安藤先生からのメーリングリストが今回の震災後には東京からの仙台への自動車交通路の事や下に転載する「福島原発の放射能を理解する」スライド等にもリンクしておいでです。
通常は新潟で行われる眼科リハビリ等の研究会の情報が主なのですが、この「福島原発の放射能を理解する」スライドはすぐれたもので、具体的にどのような放射性物質が飛散する恐れがあるのか?とかその半減期がどの程度で有るのかなどを短時間で読み取ることが出来ます。紹介する際には部分的な引用は避けるようにということでした。
基本的な高校や大学教養部の物理学程度の知識でも読み取れますので、興味のある方はぜひご覧ください。
(安藤先生の了解が得られたところでこの記事はアップします。)清澤
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1)「福島原発の放射能を理解する」スライド公開(ここでスライドにリンクします)
http://ribf.riken.jp/~koji/jishin/ 素粒子実験分野の研究者/院生の皆さん
今回の震災に起因した福島原発の事故について国民の不安が高まっています。チェルノブイリのように
なってしまうと思っている人も多いです。放射線を学び、利用し、国のお金で物理を研究させてもらって
いる我々が、持っている知識を周りの人々に伝えるべき時です。
アメリカのBen Monreal教授が非常に良い解説を作ってくれました。
http://online.kitp.ucsb.edu/online/plecture/bmonreal11/
もちろん個人的な見解ですが、我々ツイッター物理クラスタの有志はこれに賛同し、このスライドの日本語訳を作りました。能力不足から至らない点もあると思いますが、皆さん、これを利用して自分の周り(家族、近所、学校など)で国民の不安を少しでも取り除くための「街角紙芝居」に出て頂けませんでしょうか。よろしくお願いします。
野尻美保子(高エネルギー加速器研究機構/東京大学IPMU)
久世正弘(東京工業大学理工学研究科)
前野昌弘(琉球大学理学部)
衛藤稔・石井貴昭・橋本幸士(理化学研究所仁科加速器研究センター)
翻訳の許可をオリジナル作成者よりいただいています
その概要は:
○数ミリシーベルト(mSv)の被曝は全く心配する必要
はない(しかしmSv/時を長時間蓄積するのは良くない)
○福島原発2号炉のような燃料棒融解と閉じ込め失敗では
ジルコニウム被覆内では燃料+核分裂生成物+アクチノイドが
冷却水中では核分裂生成物 セシウム,ヨウ素,テクネチウムなどが
蒸気中には核分裂生成物キセノン、クリプトン、ラドン などが
環境中ではキセノン、クリプトン、ラドンだけのはずが、
↓
キセノン、クリプトン、ラドン、セシウム、ヨウ素、テクネチウム等を含むようになります。
○注意すべき核種は次の4つ。
ヨウ素131は半減期 8 日。チェルノブイリでは短期間に東欧のすべての住民が0.5mSv 被曝した。
セシウム137 の半減期は30 年であり、加えて30年にわたって、1mSv被曝する
ストロンチウム90は半減期 30 年で総量はセシウムより少ないが骨に蓄積する。
プルトニウム241の半減期は 14年。原子炉近くでの影響が大きい。ただし除染が容易
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2)【新潟から仙台へのルート;自動車】(3月20日;新潟市男性)
現在、東京から仙台に入る重要なルートは新潟経由です。東京から新潟までは関越自動車道、新潟から仙台までのルートを以下に記します。
新潟中央IC→(高速)→荒川・胎内IC→(113号線)→
南陽市→(13号線)天童市→(48号線)→仙台市内
・上記ルートでの渋滞はほとんどなく、立ち入り制限や検問もありませんでした。但し、山形県内や仙台への山越えでは積雪があり、東京から回ってきたと思われる車輌はノーマルタイヤらしく、立ち往生していました。夜間は凍結もしていますので、冬タイヤは必須です。
(清澤注:この情報はあくまで参考にという意味で引いておきます。少なくともこの季節に東北の山越えに東京の普通タイヤででは危険という意味でご覧ください。)
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