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2011年3月6日

2094 眼瞼痙攣・片側顔面痙攣友の会2011 眼瞼痙攣の診断と治療 江本、清澤

スミレの肖像ーーーーー
1)
眼瞼痙攣・片側顔面痙攣友の会2011
眼瞼痙攣の診断と治療
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科眼科学

江本博文  清澤源弘

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sakura hina
2)眼瞼痙攣
眼瞼痙攣は、眼輪筋が不随意に攣縮し、開瞼困難となる局所ジストニアである。

症状は主に3つあり、
1.運動症状=開瞼困難、
2.感覚症状=目の不快感と羞明、
3.精神症状=うつ。

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3)眼瞼痙攣
 開瞼困難が有名だが、実際の来院理由では、

まぶしい(95%)、
目をつぶっていた方が楽(92%)、
目が乾く(51%)

などの感覚障害が実際には多い。

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4)眼瞼痙攣
瞼の動きに問題があるので、ドライアイを合併することが多い。

単なるドライアイ
 と違って、開瞼障害
 のために人や電柱に
 ぶつかることが多い。

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5)疫学
疫学的には10万人に約13人の割合で見られる。

男女比は約1:2でやや女性に多い傾向にある。

平均発症年齢は56歳で、約2/3は60歳以上である。

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6)病因
本態性眼瞼痙攣は現在までのところ原因が不詳であるが、文献的には大脳基底核、視床、脳幹部の異常との関連が指摘されている。

三叉神経を入力、
  顔面神経を出力とする、
  瞬目反射の異常が関連
しているとする仮説もあ
る。

dai7kai
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7)分類
眼瞼痙攣は、

本態性眼瞼痙攣、
症候性眼瞼痙攣、
薬剤性眼瞼痙攣、   の3つに大別される。

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8)症候性眼瞼痙攣
症候性眼瞼痙攣は、パーキンソン病やパーキンソン病類縁疾患に合併するものである。

逆に眼瞼痙攣の患者で、
 約10%がパーキンソン
 病を発症したとする報告
 もある。

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9)薬剤性眼瞼痙攣
薬剤性眼瞼痙攣は、エチゾラムや、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬を服用していることが多い。

50歳未満の若年性の症例が多い。

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10)眼瞼痙攣の診断11)診断
症候的に診断を行う。

医療機器による検査で確定診断できるものではない。

症状を正確に評価した上で鑑別診断をしっかり行う必要がある。

12)運動症状の評価
眼ーーーーー
瞼痙攣では、随意瞬目が拙劣なことが多い。

健常者では、10秒間に30回以上の随意瞬目が可能であるが、眼瞼痙攣の患者では、連続してできなかったり、強い瞬目しかできなかったりする。

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13)運動症状の評価
軽瞬、速瞬、強瞬の評価を行う。
井上眼科病院 若倉雅登先生 監修 :
「眼瞼けいれんの診断と治療」 DVDより

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14)感覚症状の評価
眼瞼の運動障害のため、ドライアイの合併も多く、シルマーテスト、フルオレセイン染色試験などで涙液の質と量の評価を行う。

羞明に対して、閾値の評価は困難であるが、問診して把握しておく

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15)うつ症状の評価

米国国立精神保健研究所の、CES-Dを用い、スクリーニングを行う。

20の質問に対し患者が答える形式で、数分でできる。16点以上で気分障害群と判定される

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16)鑑別診断

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17)鑑別診断
片側顔面けいれん
眼瞼ミオキミア
 開瞼失行症
ドライアイ
 重症筋無力症など に対して鑑別診断を行う。

 そのために、必要に応じて他科と連携をとり、診断を進めていく。

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18)眼瞼痙攣の治療
運動症状に対する治療

ボツリヌス治療
向精神薬の減量・中止
内服治療
手術治療

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19)ボツリヌス治療
眼瞼痙攣の運動症状に対する治療の第一選択は、ボツリヌス治療である。

基本的な投与方法では、
眼輪筋6か所に対し、0.1ml(1.25~2.5単位)程度投与する。

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20)ボツリヌス治療
約90%と高い有効性と安全性で、治療法として確立されている。

通常、数日で効果が発現し、約2~3カ月間、効果が持続する。

副作用は、局所性のものが殆どで、全身性の副作用は非常に稀である

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21)ボツリヌス治療
局所性の副作用は、注射部位の疼痛、浮腫、発赤、皮下出血、頭痛、一過性の知覚過敏などが報告されている。

本邦での使用調査では、6445例中、652例(10.12%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。

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22)ボツリヌス治療
その主なものは、眼瞼下垂141例(2.19%)、兎眼・閉瞼不全138例(2.14%)、流涙例(1.04%)であった。

しかし、いずれも可逆的である。

ボツリヌス毒素が投与部近位の上眼瞼挙筋に拡散し、眼瞼下垂が生じることがあるので、眼輪筋眼窩部を避けて瞼板前部に投与すると、効果的にも良い。

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23)向精神薬・抗不安薬の減量・中止

向精神薬、抗不安薬・睡眠薬などを内服している患者に眼瞼痙攣を合併することがある。

このようなケースでは、薬剤の減量・中止により症状の改善が見られることがある。

向精神薬・抗不安薬の減量は、処方医師と相談の上、精神症状を観察しながら行う。

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24)内服治療
従来より抗コリン薬や、ベンゾジアゼピン系薬剤が有効であるとの報告があるが、本当に有効であるかはエビデンスに乏しい。

いろいろな処方が試みられているが、長期的に効果を認めたのは、内服治療全体の約22%程度であったとの報告もある。

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25)外科的治療

ボツリヌス毒素注射が無効で、内服治療にても十分な効果が得られなかった症例では、外科的治療を考慮する。

眼瞼痙攣の患者の1.3%~14%が手術治療を受けている。

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26)眼輪筋切除術
眼輪筋切除術の手術成績は、64%~77%で術後に改善が得られている。

眼輪筋切除術の合併症は、
  術後の腫脹、血腫、
  兎眼性角膜炎、眼瞼外反症  などで、
 重篤な合併症は殆どない。

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27)眼輪筋切除術術後

眼輪筋切除術後も眼瞼痙攣は完治するわけではなく、引き続きボツリヌス治療が必要なことは珍しくない。

眼輪筋切除術後の66%にボツリヌス治療を施行している例もある。

瘢痕収縮のためか、術後例のボツリヌス毒素注射では、疼痛を訴えることがあるので注意が必要である。
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28)感覚症状に対する治療
目の不快感が瞬目反射を介して運動症状を増悪させている可能性がある。

ドライアイの治療(点眼薬、涙点プラグの挿入など)で改善が見られるケースがある。

羞明に対しては、特殊なサングラス(FL-41レンズ)の装用が、71%のケースで有効であったという報告がある。
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