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2011年3月6日

2093 眼瞼・顔面けいれんの眼形成外科手術 根本先生ご講演要旨

眼瞼・顔面けいれんの眼形成外科手術
 
根本裕次先生 (帝京大学附属病院眼科 准教授) 

(これは清澤が聴き取ったご講演の要旨です。誤りがありましたらご教示いただけると幸甚です。)

A:顔面の神経と筋肉には、 
 開瞼筋群: 前頭筋、上眼瞼挙筋
 閉瞼筋群; 眼輪筋、趨鼻筋、鼻根筋
があります。

B:各種の手術を説明されました

1、併発症とそれに対する手術治療

 術式を組み合わせて行うことが多い
 術後の合併症は少ないが、術後もボトックス療法が必要である

1ー1、眼瞼皮膚弛緩ーー眼瞼皮膚切除(上瞼の緩んだ皮膚を外側を中心に切除する)

1-2、眼瞼下垂ーーーー眼瞼挙筋短縮術

1-3、眉毛下垂ーーーー前頭筋前転(目の上の骨の線よりも繭は上に有るべきもの。それより下がったなら、前頭筋と眉の下の皮膚を結んで眉を持ち上げる)

1-4、靭帯弛緩、眼瞼内反(内眦靭帯や外眦靭帯が緩んで、下瞼が内側に倒れるなら靭帯の縫着や内反手術を行う)

2、開瞼失行には: 前頭筋前転や前頭筋に上眼瞼の瞼板を縫い付ける釣り上げ法を行うと、前頭筋で上瞼を上げようとする意図的な動きが瞼の引き上げに直接伝わり開くことの開始が促進できる。

3、閉瞼筋力を低下させる手術
3-1、閉瞼筋切除術:「ボツリヌス毒素で筋力が十分に低下しない場合」に行われる。部分切除術と全切除術があるが相当の覚悟が必要であり、あまり勧められない。

3-2、顔面神経切除術:筋切除以外で閉瞼筋を弱める手術

このお話の後に手術希望時のチェックリストを示されました。(聴きとった清澤流に言葉を補って改変してありますので、間違っていたらご容赦ください。)

1)自分の病態(具体的に元の疾患が眼瞼痙攣なのか片側顔面けいれんなのかとか、その合併症の何があるのか、など)を理解している

2)ボトックスは筋麻痺を生じさせるだけにすぎないということを理解している

3)ボトックスでは眩しさなどの感覚異常は改善しないことを理解した。

4)手術は「元に戻すことのできない治療」であると理解している

5)手術でもやはり眩しさなどの感覚異常は改善しないことを理解した。

6)手術には併発症・開瞼失行の改善を目指す手術と、(閉瞼の)筋力を低下させる手術の2通りのものがあることを理解した。

7)併発症改善手術では手術後もボトックスは必要であると理解した。

8)閉瞼筋力低下手術には術後合併症が多いことを理解した。

9)客観的な証拠がないと誤った手術を受ける危険があることを理解している

10)痙攣治療のかかりつけ医に、詳しい紹介状がもらえた。(前の様子も分からない勝手な転医をして来るのはお断り)

11)内科などのかかりつけ医で手術が行える体であることを確認する紹介状をもらえた。

12)血液凝固阻害剤(ワルファリンやアスピリン)は手術時に中止出来ることを内科主治医に許可された。

13)手術を希望する医療機関の診察予約を取った。(簡単な話ではないのだから、いきなりの受診はしないで。)

14)診察には家族が同席(してください。思い込みの激しい本人だけの受診ではだめです。)
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清澤の感想:
根本先生は、ご自分を魚屋さんと謙遜されましたが、疾患を非常に理論的に分解して理解しておられます。また、患者さんにも自分の頭脳で自己責任を以ってそれを理解することを求めておいでです。

目に不自然な力が加わることが続いた結果での皮膚弛緩や下垂ならば、それぞれに適応すべき手術があるという説明も明快です。

私は、ボトックスをはじめとしてクラッチや内服などあらゆる手段を用いて、どうしても満足できない場合にだけ(根本先生はあまり”勧めない”という)眼輪筋切除を求めて特に親しい特定の形成外科医に頼んでいました。(現在までにこのような医科歯科大学形成外科で手術をしていただいた症例はすでに30-50例にもなろうかと思いますが。)

先生のお話を聞くと、皮膚弛緩による上方視野狭窄等のような症状があったのならば。もっと早い時期に軽い気持ちで皮膚弛緩切除や下垂の手術を依頼してもよかったのかと気づかされた気がいたしました。

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