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2011年2月25日

2067 リビア反乱のゆくえ(田中 宇)を読みました

北アフリカや中東の政情不安をみていると、現在の私たちは、100年に一度の世界の変換期に生きているという実感がわいてきます。幸い、私たちの生活には今のところ支障は生じていませんが、食料や石油製品価格の高騰等から、日本も直接の社会不安や戦争等に進展する恐れも無いわけではありません。

リビア反乱のゆくえ という2011年2月22日に田中 宇 氏の書いたレポート(http://tanakanews.com/)を読みましたが、これはとても読みごたえのあるものです。要点をなぞってみましょう。

——–要旨———–
 リビアに、チュニジアとエジプトとの政権転覆革命が波及している。リビアもカダフィによる42年間の独裁政権だ。人口が急増して若年層が国民の大半を占め、世界的な食料高騰や、若年層の失業に対する不満が国民の間に高まっていた。

 すでにリビア第2の都市ベンガジは、市民ら反政府勢力が軍を追い出し、政府を敵視して自治を開始している。閣僚や外交官の中からも、反政府勢力を支持する者が出て、カダフィの辞任が間近な感じも受ける。

リビアはいまだに、首都トリポリを中心とする西部地域(トリポリタニア)と、第2の都市ベンガジを中心とする東部地域(キレナイカ)の間に対立が強く、国家が二分されて内戦になる可能性がある。

 1959年にリビア東部で油田の採掘が始まり、西部地域(トリポリタニア)や南部地域(フェザン)の諸部族が不満を持った。69年にクーデターで王政を倒した軍部のカダフィは、西部の主要部族であるワルファラ族の支持を取り付けて権力を握った。それ以来、カダフィは国家収入を西部の開発に投入した。 東部の人々は何度も反政府運動を起こしたが、鎮圧された。

▼リビアは部族社会で、軍が独自の勢力になっていない。リビアでは、軍部がカダフィを失脚させる可能性はほとんどない。さらに、リビアが、チュニジアやエジプトと異なる点は、リビアでは欧風の中産階級や労組、リベラル派などが育ちにくく、労組や野党の存在が全く許されなかったことである。

 リビアは今も100以上の部族からなる部族社会で、あらゆる人がどれかの部族に属し、部族はリビア人にとって社会的な唯一最大の枠組みになっている。リビアにはワルファラ(Warfalla)、ズワヤ(Zuwiyya)、メカルハ(Meqarha)、カダファ(Gadafa)という4つの大きな部族がある。ワルファラが最大勢力で、カダフィは4つの中で最も小さなカダファ族の出身。

冷戦の終結後の1993年、カダフィは方針を変えて各部族代表からなる全国評議会を作り、新たな統治機構として機能させようとした。この部族評議会が代わりの権力機構となり、そこで石油利権の分配など重要事項について、各部族間の談合が成立するなら、次の政権体制に移行することができる。カダフィ失脚後のリビアは、リベラル民主主義の国にならず、アフガニスタン的な、部族間の談合で成り立つ国になる。

▼数日内にカダフィ失脚がなければ内戦化も

 その一方で、カダフィが今後すぐに失脚せず、トリポリはカダフィ支持、ベンガジはカダフィ敵視でかたまり、リビアの東西が対立して長い内戦に入る可能性もある。

カダフィは長く米国に敵視されてきたため、いまさら米国に非難されても失うものが少ない。 米国の在野の分析者は「リビアやイラン、シリアは米国に敵視されてきただけに、エジプトやチュニジアのようにすぐに政権が転覆されることはない」と予測している。

今後どれだけカダフィ政権が持つかを見極めるのは難しい。早ければ数日内に政権崩壊となるだろうが、このまま東西分裂の内戦に陥る可能性もある。すでに東部で強まっているイスラム主義の政治勢力が全国的に強まり、自分の権力を維持できるなら欧米との和解をいとわなかったカダフィよりも欧米にとって悪い政権ができる可能性も大きい。
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清澤のコメント:
北アフリカ情勢は、海の向こうのお話ではなく、自分の問題として理解する必要があります。

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