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2011年2月20日

2057 春の訪れ知る仕組み突き止める 夜明けの光で季節感知 だそうです

春ホルモン概念図

光を当てると、松果体で作られるメラトニンの産生が変わることや、うつ病の患者に強い蛍光籐のひかりを当てて治療をすることなどが良く知られていますが、今回は”春になると脳内で作られる特有なホルモン”発見だそうです。

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春の訪れ知る仕組み突き止める 夜明けの光で季節感知

 夜明けの光が照り始める時間が早まることで、生物が春の訪れを知る仕組みを理化学研究所神戸研究所(神戸市)や近畿大(大阪府)、京都大のチームが突き止めた。

 理研の上田泰己プロジェクトリーダーは「生き物が季節を感じ取り、発情期を迎えたり冬眠したりする生態の一端が分かった。人間でも季節によって気分が浮き沈みする季節性情動障害が知られており、治療に寄与できるかもしれない」としている。

 チームは、春になると脳内で作られる特有のホルモンを2008年に名古屋大と共に発見。

 今回、マウスに光を当てる時間を調節し、昼間が短い冬の日照条件(昼8時間、夜16時間)で3週間飼育。この状態では、春ホルモンはほとんど分泌されなかったが、夜明けを8時間早めると分泌されるようになった。

 日没を8時間遅らせて昼を長くしても春ホルモンは作られず、夜明けの光で季節変化を認識していることを確かめた。

 春ホルモンが出るようになるには、夜明けが早まると働き始める遺伝子「Eya3」が必要なことも発見した。

 成果は米科学誌カレント・バイオロジーに掲載された。

2011/02/20 17:03 【共同通信】
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清澤のコメント:良くまとめてはいるのですが、正直この記事を読んでも何が新しいのか良く解りませんでした。

そこでEYA3を検索しましたら、理化学研究所のページに詳しい説明http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2010/101203/detail.htmlがありました。

まず、春ホルモンというのは 日照時間が長くなると、下垂体正中隆起部で誘導される甲状腺刺激ホルモンβサブユニット(TSHβ)のこと。日照時間が短い状態から長い状態になることは、季節変化によって冬から春になることがイメージされるので、ここではTSHβを「春ホルモン」と呼称するのだそうです。
 
実験動物はCBA/Nマウス。これは日長が長くなると下垂体正中隆起部でTSHβを誘導する特性があり、これで従来は羊などでしか研究出来なかった体内時計を遺伝子がよくわかっているマウスで検討できるようになりました。

この研究のキーワードはDNAマイクロアレイを用いたゲノムワイドな解析。まずマウスが持つ約4万個の全遺伝子の中から、日長の変動に伴って、マウス下垂体正中隆起部で発現量が変化する光周性遺伝子を同定してゆきます。その結果、長日条件下で強く発現する長日遺伝子を246個、短日条件下で強く発現する短日遺伝子を57個、合計で303個の光周性遺伝子が同定できたそうです。

さらに、TSHβ発現には夕方の日照ではだめで、朝の日照に関連してTSHβは発現する事を見つけて、候補遺伝子を絞って行きます。明け方の光によって発現が上昇する遺伝子を探索すると、光に反応してすぐに発現が上昇する遺伝子は34個ありました。

それらの中から転写因子を抽出し、さらに解析を進めた結果、TSHβ(春ホルモン)の発現を制御する遺伝子、いわば春ホルモンの司令塔遺伝子(Eyes absent 3:Eya3)を同定することに成功したというわけです。

 また分子生物学的手法を用いた結果、このEya3は恒常的に発現している副司令塔的な遺伝子(Sine oculis-related homeobox 1 homolog (Drosophila):Six1)とともに働いてTSHβを誘導し、さらに補佐官的な遺伝子(Thyrotroph embryonic factor:Tef、およびHepatic leukemia factor :Hlf)と協同して、より一層誘導促進を起こすことも分かったのだそうです。

少しは詳しく理解願えましたでしょうか。さらに興味をお持ちの方は、論文自体または理研のホームページをご覧ください。

春ホルモンの制御遺伝子を日本人が見つけたということは素晴らしいことです。が、この実験法はアイデア勝負というよりは、遺伝子のライブラリーに有るすべての遺伝子を試してみるという最近はやりで米国流の力で押し切る手法ですね。

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