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2011年2月20日

2055 神経心理学の勉強会で眼瞼痙攣のお話をしました

三田の国際医療福祉大学で開かれた神経心理学の勉強会でお話をしました。

今回のお話は”眼瞼痙攣のお話”。概要を記録しておきましょう。
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先日のTMDフォーラムで江本博文先生と鈴木幸久先生が話してくれた私たち東京医科歯科大学の神経眼科研究班が進めている眼瞼痙攣の臨床と研究のお話を約一時間でしました。

まずは、主催者の武田克彦教授からのリクエストで、眼科における視力、視野、そしてコントラスト感度(空間周波数特性)の測り方に関する概要の説明(約10分間)。神経心理学的に分析をする場合に、中枢性の疾患でコントラスト感度が落ちるのを評価したい場面があるようです。

当医院では、半盲のリハビリテーションなどを武田先生にお願いすることが多いのですが、武田先生の指導で東山先生がこれらの方々の検査や訓練をしてくださっていたのだそうです。

次は江本先生のスライドを借用して、眼瞼痙攣の診断と治療に関する一般的な解説をしました(約20分間)。近々行われる眼瞼痙攣患者友の会でもこのあたりのお話を解りやすくするつもりです。

”ここで話題を変えて、研究の話をしてみよう”という展開にしました(約30分間)。

まず、鈴木先生の論文のスライドです。眼瞼痙攣でボトックス治療をした患者さんのなかで、完全に痙攣が抑えられた患者さん群と、痙攣が軽度残った患者さん群の脳糖代謝を年齢と性をマッチさせた正常人のそれと比較したという話を紹介しました。

痙攣の残った患者さんでは視床、小脳、脳幹に代謝亢進があり、痙攣が抑えられた患者さんでは視床の代謝亢進が残っていたので、眼瞼痙攣の本体は視床の活動亢進に関連しており、小脳と脳幹の代謝亢進は、眼瞼が動くことや、それに関連した知覚刺激による変化であろうという物語です。

次が江本先生の論文の話で、眼瞼痙攣の患者さんの中で眩しさを訴える患者さんがいるけれどそれは脳代謝とはどう関連しているのか?という話題です。

脳幹で行われる瞬目反射に対して視床はアクセル、上丘はブレーキの働きをします。そこで、視床と上丘の代謝を縦横軸にとってグラフにして見ると、眼瞼痙攣では羞明のある群、無い群ともに(上丘代謝÷視床代謝)の値は下がっています。その中で、上丘の代謝(これは視床の代謝も少し抑えられている)が低い部分に属するものが羞明を訴えず、上丘の代謝比較的高い群では羞明を訴えるというものです。(図を示さないと分かりにくいです)

最後に、緑内障で後頭葉の糖代謝が下がっているという写真を提示し、私が眼科医院を開業してからの(最近5年の)出版録に従って、どのような方向で私たちのグループが勉強を進めているのかを聞いていただきました。

パーキンソン病で強い開瞼失行を伴う眼瞼痙攣を示す患者さんのビデオを用意してくださった先生もおられ、討論も親密に行うことが出来ました。

今回の発表ではスライドを使って説明する立場に立ったので、従来の筆頭演者の話を聞いているのとは違って、準備の段階でストーリーの込み入った細かい点もだんだんに見えてきて私にも大変勉強になりました。聴いて下さった方々の参考になるとよいのですが。

1.Gray matter density increase in the primary sensorimotorcortex in long-term essential blepharospasm. Suzuki Y, Kiyosawa M, Wakakura M, Mochizuki M, Ishii K. Neuroimage. 2011 Feb 7 印刷中

2.The pre-supplementary and primary motor areas generate rhythm for voluntary eye opening and closing movements. Suzuki Y, Kiyosawa M, Mochizuki M, Ishiwata K, Ishii K.Tohoku J Exp Med. 2010;222(2):97-104.

3.Photophobia in essential blepharospasm–a positron emission tomographic study.
Emoto H, Suzuki Y, Wakakura M, Horie C, Kiyosawa M, Mochizuki M, Kawasaki K, Oda K, Ishiwata K, Ishii K. Mov Disord. 2010 Mar 15;25(4):433-9.

4.Functional and neuroreceptor imaging of the brain in bicuculline-induced dystonic rats.QingGeLeTu, Suzuki Y, Kiyosawa M, Ishiwata K, Mochizuki M.Tohoku J Exp Med. 2009 Apr;217(4):313-20.

5.Decreased dopamine D receptor binding in essential blepharospasm. Horie C, Suzuki Y, Kiyosawa M, Mochizuki M, Wakakura M, Oda K, Ishiwata K, Ishii K.Acta Neurol Scand. 2009 Jan;119(1):49-54.

6.Measurement of the 11C-flumazenil binding in the visual cortex predicts the prognosis of hemianopia. Suzuki Y, Horie C, Kiyosawa M, Nariai T, Mochizuki M, Oda K, Kimura Y, Ishiwata K, Ishii K. J Neurol Sci. 2008 May 15;268(1-2):102-7.

7.Nonlinear characteristics of visual evoked potential in glaucomapatients and their correlation with the visual responses on magnocellular and parvocellular athways.Momose K, Kiyosawa M.Conf Proc IEEE Eng Med Biol Soc. 2006;1:4568-71.

8.Glucose hypermetabolism in the thalamus of patients with essential blepharospasm. Suzuki Y, Mizoguchi S, Kiyosawa M, Mochizuki M, Ishiwata K, Wakakura M, Ishii K.J Neurol. 2007 Jul;254(7):890-6.

お招きいただいた武田克彦先生は鈴蘭幼稚園以来の同級生。わざわざ聴きに来てくれた大学の同級生でこの病院放射線科の北原教授にも感謝いたします。大学を離れてからも、このような活動が続けられていることに協力いただいている皆様に感謝しています。

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