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2011年2月18日

2050 眼窩脂肪織炎?眼窩蜂窩織炎(orbital cellulitis)

cellulitis
眼窩脂肪織炎という診断の一例が神経眼科勉強会で紹介されていました。眼球運動麻痺が片側の眼窩にみられ、画像診断では眼窩脂肪の浮腫が強いけれど、外眼筋の肥厚は見られず、ステロイドパルスには直後には反応しなかったが、しばらくしたら普通に戻って行ったというお話でした。

この眼窩脂肪織炎という診断は放射線科がつけたもののようで、私は今まで一度も出会ったことがありません。類似のものには、眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)《蜂巣炎(ほうそうえん)》がありますが、これは副鼻腔等からの感染が眼窩の脂肪に広がったもので、抗生物質で治療したり、粘液のう胞などの原因病巣があればそれを手術で解放すると言ったものです。少なくともステロイドパルス療法の適応ではありません。

今回の報告は、ステロイドで治療できた眼窩の炎症性疾患があったというだけの発表であって、眼窩脂肪織炎を知っておいてくださいという意味ではなかったようです。眼科医の常識として知っておくべき眼窩蜂窩織炎とは?

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眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)、蜂巣炎(ほうそうえん)Orbital cellulitis

 眼球は、筋肉や脂肪組織に包まれて骨のくぼみに入っている。このくぼみ(眼窩)に病原菌が侵入し、眼球の周囲や後部が化膿した状態を眼窩蜂窩織炎という。

 細菌感染症であり、最も多いのが蓄膿症など耳鼻科領域の病気、次いで歯の炎症の波及である。そのほか、涙嚢炎など目の周辺の炎症や、外傷が原因となる場合もある。

orbital cellulitis
【症状】
瞼や強膜(白目の部分)が赤くはれて痛み、目は後ろから押されるように前方に飛び出し、炎症が重い場合には眼球の動きも障害され、複視を来たす。 全身的には感染による発熱、全身倦怠感、頭痛、悪心などの症状がみられる。

【治療】
CT・MRIなどの画像診断や、採血などで炎症の診断を確定し、抗生物質を点滴などで十分使用すると同時に、速やかに原因疾患の治療を行うことが大切。切開して膿を出すこともある。
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眼窩蜂窩織炎の報告はこのブログでも過去に紹介したことがある。
清澤眼科医院通信:1495 眼窩周囲蜂巣炎と眼窩蜂巣炎:10年の入院患者の分析;という論文が出ています
よろしければご参照を。

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