お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2010年12月20日

1909 翼状片手術を正月休みの間にできないかというご質問

翼状片
今朝の診療中に海外在住の方から”翼状片手術を正月休みの間にできないか”という趣旨でのご質問の電話がありました。

”当医院ではこの手術は行ってはおらず、私は正月前後で行っていただける診療施設も存じ上げません”と、事務の責任者に答えさせていただきました。

少し言葉が足りなかったと思いますのでご返事に言葉を足しましょう。

翼状片は結膜の組織が角膜上に増殖してきて、角膜の鼻側の端に白い隆起を形成する両性の疾患です。若い患者さんにも見られないことはないのですが、多くは中高年の患者さんに見られます。とくに紫外線を浴びたり、戸外の風を浴びるような仕事の方にしばしば見られます。

手術には、点眼と局所注射で局所に麻酔をかけ、この白く濁った部分とその外側に広がる結膜およびその下のテノン膜を切除します。そのあと、健康な結膜で弁を作り切り取った部分を覆えるように結膜をずらして縫い合わせます。

手術時間はおよそ30分程度で、一週間後に抜糸をすればよい程度のものですがそれなりの術後診察も必要です。

ですから、紹介医が無理を頼めるような手術医がいればよいのですけれども、それにしても問題がいくつもあります。

その一つは、まずどんな手術でも一見の患者さんに対して行われるものではないということ。患者さんと話をして、患者さんのもつ癖を十分に理解し、理詰めで手術の必要性や利点・欠点を述べて同意を頂けるような性格の患者さんかどうかを探らなければなりません。気が急いたような患者さんでは、術後に不満が噴出する恐れがあります。それはもっとも避けなくてはならないことです。

第2に、(開放性の外傷などの特殊な場合を除けば)、大病院で手術室を用いての手術をする場合には、肝炎や梅毒などの感染症がないことをあらかじめその病院でのデータとしてそろえないと手術室は手術を受けてはくれません。それには採血後1週間はかかるでしょうし、3か月以内のデータでないとその後に感染を受けているかもしれないといわれてしまいます。

さらに第3には、通常手術室は2月くらい先まで予約で埋まっています。そこに緊急性のない疾患で割り込ませることは難しいでしょう。

というようなわけですので私は、”正月中にこの手術を引き受けて下さる医師を探して差し上げましょう。”とは申し上げませんでした。

国内でこの手術を受けようということであれば、まず最寄りの眼科を受診していただきます(これは当医でもお受けします)。そこで、しかるべき手術を手がけている眼科医への紹介を受けていただきましょう。そこでの予約日に病院を初診で訪ねていただけば、手術を担当する医師と患者さんとの相談で手術日が決定されます。必要であれば、その時に採血などの検査も始まるでしょう。その結果に基づいて、おそらくは外来で翼状片の切除が予定されそれが実際にも行われます。

患者さまとしましては、たかが翼状片とお考えかと思いますが、私はこのあたりを考えて、すぐに当医院をご受診くださいとは申し上げなかったという事情です。

うまく事が次々に進み、ご満足いただける結果になるととよいのですが、今から動いて1月の第1週までの手術予定を組ませることはなかなか難しいのではないかと思います。翼状片は慢性で手術を急ぐ疾患ではないだけに、一層慎重に話を進められるのがよろしいのではないでしょうか?

当医院を受診してくだされば、可能な範囲で早く処置をしてくださる病院の医師を探してみるのはやぶさかではありませんが。

このtou tube画像は結膜弁の代わりに人口のシートを用いています。

⇒以前のこのブログの翼状編の記事にリンク

Categorised in: 未分類