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2010年12月13日

1889 ゴールドマン・サックス研究 (文春新書) [新書] を読みました

ゴールドマンサックス研究
ゴールドマン・サックス研究 (文春新書) [新書]

『強欲資本主義 ウォール街の自爆』の著者が自ら在籍した経験から、ゴールドマン・サックスのビジネスと生態、彼らの思考法を明かした本です。

日本経済を呑み込んで「二番底」は必ず来ます。なぜかくも世界経済が混乱を極めているのか。その真相を掴むにはまずゴールドマンをはじめとするウォール街の実態を知らなければなりません。

産業の成長を助けたマーチャントバンクが変容し、他人の会社が倒れるのを期待して仕込み保険を作り、GMなどの会社が倒れて保険金が支払われるまで自主再生は許さないといった姿勢をとる限り、今の資本主義は蝕まれて行きます、という話です。

日本政府の予算も、身の丈に合わぬもので、負債を積みあげています。このような輩に目をつけられたら、いくら大きいと言っても一溜まりもないことでしょう。

最も印象に残ったのは第13章は 「2番底に備えよ」です。

著者の認識では、今我々は「大恐慌」の中に居るのです。
曰く、”1929年に始まった大恐慌はその後一旦回復したかに見えたが、38年以降「2番底」に突入した。ニューディール政策などの財政支出は有効ではなく、結局、戦争需要の傍聴を待つまでアメリカ経済は復興しなかった。

いま我々が同様の環境にいるように思えて仕方がない。”この認識は、著者の神谷さんだけの認識ではないと思います。(別のいいかたをするならば、第二次世界大戦の悲惨とその後の敗戦とは日本軍部の独走が招いたという単純な図式では説明できない。世界の社会メカニズムの中で必然的におきた現象であるとする考えもあります。)

そして著者が”最も恐れているのは単に経済恐慌ではなく、それがもたらすであろう国家間の剥き出しの利害の対立、衝突である。”といいます。

つまり、大戦の予感。

日本の国民総生産は20年前も今も470兆円の水準でちっとも伸びていないそうです。これがの本の失われた20年。日本だけではなくて時代は第二次大恐慌に向かっているのでしょうか。

私事で恐縮ですが、この期間は丁度、私がフランスと米国フィラデルフィアでの留学を終えて帰国してからの時代です。今から思い起こしてみますと、たしかに出国時と帰国後の世相は変わっておりました。私は浦島太郎状態にある自分の成果と思ってましたが、実際に日本の社会も変わっていたのでしょう。偶然にも著者が大学を卒業したのは昭和53年、私の大学卒業と同じ年です。

彼は、現在の社会に対する処方箋として知恵のサプライチェーンを目指せというのですが、私には今ひとつどうすれば良いのかが、今の段階ではしっくりわかりません。

この著者の、他の著書にも注目して見て行きたいと思います。
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登録情報
新書: 208ページ
出版社: 文藝春秋 (2010/10/19)
ISBN-10: 4166607804
ISBN-13: 978-4166607808
発売日: 2010/10/19

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