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2010年10月4日

1702 白金も黄金も玉もなにせむに、勝れる宝、子にしかめやも

「白金も黄金も玉もなにせむに、勝れる宝、子にしかめやも。」

しろがね
「しろがねも、くがねもたまもなにせむに、まされるたからこにしかめやも」
と詠みます。奈良時代の官人、で歌人の山上憶良の歌です。

どれほどの金銀財宝、宝石をもってしても、子供に勝る宝物は無いと言う意味です。

それ程、子供はいつの時代でも大切な存在であった訳です。

なぜこの歌を引用したかと申しますと、ーーーーー

”失われた人命の多さに息をのんだ【中日新聞のコラム】
墓標の一つに十五歳と十二歳の兄妹の写真があった。そこにこんな歌が刻まれている。<白金も黄金も玉も何にせむ/子にまされる宝/世にあらめやも>。二人の子を失った親の悲憤が歳月を超えて伝わってきた

▼日航ジャンボ機が群馬県上野村の御巣鷹の尾根に墜落、五百二十人が死亡した事故からきょうで二十五年になる。先月下旬、少し早い慰霊登山をしてきた。霧に覆われた広大な斜面に数え切れない墓標や石仏が点在、失われた人命の多さに息をのんだ
ーーーーー
という記事を見たからです。そうですよね、誰でもが共感する歌は誰にでも詠めるものではありません。山上 憶良と言えば、貧窮問答歌。これも心に残る歌です。
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    貧窮問答歌一首 短歌を并(あは)せたり

        山上 憶良

風雑(まじ)り 雨ふるよ(夜)の 雨雑(まじ)り 雪ふるよ(夜)は すべ(術)もなく 寒くしあれば 堅塩(かたしほ)を 取りつづしろひ 糟湯酒(かすゆざけ) うちすす(啜)ろひて しはぶ(咳)かひ 鼻びしびしに しか(然)とあらぬ ひげ(鬚)かき撫(な)でて あれ(吾)をお(除)きて 人はあらじと ほこ(誇)ろへど 寒くしあれば 麻ぶすま(衾) 引きかがふ(被)り 布かた(肩)衣(ぎぬ)
あ(有)りのことごと きそ(着襲)へども 寒き夜(よ)すらを われ(我)よりも 貧しき人の 父母は 飢ゑ寒(こご)ゆらむ 妻子(めこ)どもは 乞(こ)ひて泣くらむ 此の時は いか(如何)にしつつか 汝(な)がよ(世)はわた(渡)る 天地(あめつち)は ひろ(広)しといへど あ(吾)がためは 狭(さ)くやなりぬる 日月(ひつき)は あか(明)しといへど あ(吾)がためは 照りやたまはぬ 人皆か あ(吾)のみやしか(然)る わくらばに ひと(人)とはあるを ひとなみ(人並)に あれ(吾)も作(な)れるを 綿もなき 布(ぬの)かた(肩)衣(ぎぬ)の みる(海松)のごと わわけさ(下)がれる かかふ(襤褸)のみ 肩に打ち懸け ふせいほ(伏廬)の まげいほ(曲廬)の内に 直土(ひたつち)に 藁(わら)解き敷きて 父母は 枕のかた(方)に 妻子(めこ)どもは 足(あと)の方(かた)に 囲(かく)み居(ゐ)て 憂(うれ)へ吟(さまよ)ひ かまど(竈)には 火気(ほけ)ふ(吹)きた(立)てず こしき(甑)には くも(蜘蛛)のす(巣)か(懸)きて 飯(いひ)炊(かし)く 事もわす(忘)れて ぬえ(鵼)鳥(どり)の のどよ(呻吟)ひ居(を)るに いとのきて 短き物を 端(はし)き(切)ると 云(い)へるが如(ごと)く 楚(しもと)取る さとをさ(里長)がこゑ(声)は 寝屋ど(処)まで 来立ち呼ばひぬ かくばかり すべ(術)なきものか 世間(よのなか)の道 

世間(よのなか)をう(憂)しとやさしとおも(思)へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば
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現代語訳と朗読です
http://www.geocities.jp/akanehompy/reading/tsuchiyamasumi/mon/

ではまた。

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