お盆の帰省のときに実家の庭で蜂に左腕を刺されてしまいました。
その数分前から自分の周りを蜂が飛んでいたのには気が付いていたのですが、庭の菜園のトマトを採ることに夢中になっていました。きっと近くに蜂の巣が有ったのでしょう。
直後の刺すような痛み。そのあと2-3日で黄色く膿を持ったようになり、小さく切開したら茶色の蜂の針が出てきました。この後も直径5ミリほどの部分がささぶたが出来たようになり、一か月経っても瘢痕は消えません。
さて、例年日本では20人程度が蜂に刺されて死亡しているそうです。そこで何故蜂に刺されたくらいで人が死ぬことが有るのか?その対応はどうしたらよいのかを調べてみました。
ハチに刺された人の多くは、刺された局所の発赤、熱感、はれなどの症状が出て数日後には消えます。しかし、約20%の人では、じんましん、吐き気、嘔吐、呼吸困難、動悸などの全身症状が出現するとされています。
約2~3%の人は血圧低下によるショック症状を起こしたり、咽頭の浮腫で呼吸困難をきたすといわれています。このような全身症状の出現は、ハチに刺されてから30分以内にみとめられ、治療が遅れると死亡する可能性があります。ですから、一般の医師もその対応を知っておく必要があります。
ハチに刺されたことによる症状の多くは、ハチ毒に対するIgE抗体による即時型Ⅰ型アナフィラキシー型反応が原因と考えられます。
一部の人ではハチに刺されるとハチ毒に対する抗体(ハチ特異的IgE抗体)が作られます。そのような状態の人が、2度目にハチに刺されると、ハチ毒(抗原)とハチ特異的IgE抗体の抗原抗体反応によって、肥満細胞から活性物質が放出され、アナフィラキシー症状がひき起こされます。
ハチに刺されない予防法は様々述べられていますのでここでは省略します。
応急処置としては、”刺されたところを冷やし、手足を刺された場合心臓に近いほうをゴムなどで縛る。全身症状が出た場合、近くの人に助けを求めて医師に連絡をとり、仰臥(ぎょうが)位か足を高くする姿勢(ショック体位)を保ち、できるだけ早く受診する。”とされています。
診療機関における治療としては、エピネフリン(アドレナリン)注射がもっとも有効で、携帯用エピネフリン自己注射キットも医師の処方で使用できるようになッています。
ハチ刺されでアナフィラキシー症状が出たことのある人や、血中抗体が高いことが解っていれば、携帯用エピネフリン自己注射キットを常備し、刺されたら自己注射するようにすることができます。
私のような状態の人がいれば、ハチ特異的IgE抗体を調べて置き、もしそれが高値で有れば携帯用エピネフリン自己注射キットを持たせておくというのもよいのかも知れません。
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