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2010年9月4日

1644 耐性菌による大学病院での院内感染が注目されています。

昨日辺りからのニュースを読んでいますと、抗生物質が効かない多剤耐性菌アシネトバクター・バウマニの院内感染が、帝京大学や藤田保健大学の病院で起きています。
 
アシネトバクターは緑膿菌に近いグラム陰性桿菌(グラム染色という細菌を顕微鏡で見るためのプレパラートの染め方で染まらない菌という意味)に属する細菌のようです。普段はなんでもない菌のようなのですが、、、また、幸いと言っては何ですが、この菌は眼科にはあまり関係ないようでもあり、培養結果でも見かけないような気がします。

アシネトバクター
アシネトバクター菌の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)=共同 

ーーニュースから再録ーーー
帝京大病院(東京都板橋区、1154床)は3日、ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性菌アシネトバクター・バウマニに患者46人が院内感染し、27人が死亡したと発表した。うち9人は死亡と感染の因果関係が否定できないという。国内で同菌の大規模な院内感染が明らかになるのは、09年の福岡大病院に次いで2例目で感染者数は最多。

用語解説 ◇アシネトバクター・バウマニとは

 最近10年で世界的に急増している、複数の薬剤が効かない細菌の一種。アシネトバクター菌自体は水や土壌の中などに存在しており、健康な人は感染しても発症しない。しかし免疫力が低下した人が感染すると、肺炎や敗血症で死亡することがある。アシネトバクター・バウマニの多剤耐性菌は90年代から欧米で増加し、00年ごろにはほとんどの薬が効かない種類が出現した。国内では09年に福岡大病院で、同菌による院内感染が判明した。(http://mainichi.jp/word/news/20100904ddm001040030000c.html)
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寺門和夫氏 (元科学雑誌Newton副編集長、科学ジャーナリストとしても活躍。)のブログにもう少し詳しい記載がありました。アシネトバクターの開設部分を拝借しますと、--

スーパー薬剤耐性菌アシネトバクター 2010.04.08
アシネトバクターはグラム陰性菌とよばれる細菌のグループに属し、土壌や水などの環境中、あるいは人間の皮膚などに常在しています。いわゆる日和見感染を起こす細菌で、健康な人には影響を与えませんが、重症者や糖尿病患者など免疫力の低下した人に感染すると、肺炎や敗血症などの深刻な症状をもたらし、死に至ることもあります。

アシネトバクターは従来、多くの抗生物質で治療が可能でしたが、近年、複数の抗生物質に耐性を示す多剤耐性株が出現しつつあり、アメリカでは10年ほど前から問題になってきました。この耐性菌の存在を世間に知らしめたのは、イラク戦争に参加した兵士がアメリカ軍の医療施設で集団感染した事件でした。

アシネトバクターによる院内感染は、主に人工呼吸器などにより広がるようです。昨年の末、アメリカの300の病院でアシネトバクターによる院内感染を調査した結果が発表されました。それによると、1999年から2006年の間に、アシネトバクターによる院内感染の発生件数は3倍に増加していました。

院内感染を起こすアシネトバクターのうち、発生例の約80%を占めているのは、アシネトバクター・バウマニという株です。
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清澤のコメント:

 結膜炎や涙嚢炎の患者が来て、それが細菌性の結膜炎を疑わせるようなもので有れば、最近は細菌培養を出し、菌が出たらその耐性も調べてもらう様にしています。その結果で出てくるもののほとんどはレボフロキサシン(点眼液の商品名がクラビット)が効く株なのですが、まれにこれに耐性があるという返事のものが出てくることがあります。(それでも結膜炎ならば数日で治っていることが多いのですが。)

 そのような場合には系統の違うベストロン(セフメノキシム塩酸塩 Cefmenoxime hydrochloride)点眼液などを処方しますが、それも効かないといわれると対応に窮します。聞くところでは、大学などではこのような場合、注射液を薄めて点眼に用いたりするようではありますが。

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