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2010年8月30日

1632 緑内障患者群にみられた一次視覚野における脳糖代謝低下(神経眼科学会提出演題)

題名:緑内障患者群にみられた一次視覚野における脳糖代謝低下
氏名:村井秀樹1)、鈴木幸久1)、清澤源弘1)、望月 學1)、石渡喜一2)、石井賢二2)
所属:東京医歯大 眼科1) 、東京都健康長寿医療センター2)
本文
【背景・目的】緑内障は視神経障害に伴う眼疾患であるが、これまで脳との関係はあまり調べられていない。今回、我々は緑内障患者の脳の活動性をポジトロン断層法にて評価した。
【対象・方法】ハンフリー視野検査を施行し、緑内障と診断した患者22例(男性11例、女性11例;年齢58±14歳)および正常人10例(男性6例、女性4例;年齢57±17歳)を対象とした。全例に対し、ポジトロン断層法を用いて安静時脳糖代謝を測定し、両群の脳糖代謝を画像解析ソフトSPM8を用いて比較した。また、緑内障群において、両眼あわせた右視野、左視野のトータル偏差の平均値と、対側の一次視覚野の糖代謝との相関を調べた。
【結果】緑内障患者群において両側の一次視覚野の糖代謝低下を認めたが、視覚連合野など他の部位の糖代謝変化はみられなかった。また、トータル偏差の平均値と対側の一次視覚野の糖代謝との間に有意な正の相関を認めた(右視野:相関係数(r)= 0.79、P = 1.1410-5、左視野:r = 0.87、P = 1.4610-7)。
【考察】緑内障の視野障害が視神経萎縮を伴うことは以前から知られているが、近年、外側膝状体や視放線などにも変化を生じることが報告されている。緑内障患者ではそれらの変化に伴って視覚入力が減少し、一次視覚野の活動性が低下していると考えられた。また、同側視野の両眼あわせたトータル偏差の平均値は、対側の一次視覚野の糖代謝と高い正の相関を示したことから、一次視覚野の糖代謝は、緑内障患者の視機能を良く反映していると考えられた。
【結論】緑内障患者において、緑内障の進行度に応じた一次視覚野の活動性の低下がみられた。

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清澤の追加コメント:ここ数年研究を続けてきた緑内障と神経の伝達、脳の働きを見る研究のプレリミナリーな結果が出ました。昨年の東大の新家教授の後発表でも動物でのデータが示されていたと思いますが、こちらは清澤眼科医院の患者さんに協力をいただいて臨床のデータを出しました。研究は継続中です。毛急に対する倫理委員会の許可は健康長寿医療センターで取得しています。

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