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2010年8月30日

1631前眼部および外眼部手術の術後愁訴や不満への対応(手術学会シンポジウム演題)

第34回日本手術学会総会のシンポジウムへの抄録を提出しました。
白内障などの手術後に見られる不定愁訴にどう対応するかという内容のお話です。

セッション: シンポジウム≪分野:手術一般≫
テーマ: 眼科手術:術後愁訴や不満への対応
タイトル:前眼部および外眼部手術の術後愁訴や不満への対応

自院ないし他院での前眼部手術術後に様々な難解な愁訴を訴えて受診する患者がいる。それらに対する神経眼科学的な対応を考えて見よう。

 前眼部手術後に訴える症状には、疼痛、複視、眼瞼下垂、視力低下等が有る。

中でも原因不詳の疼痛は最もに多い訴えである。その場合には、まず前眼部を丁寧に診察する。充血を伴う疼痛の原因で多いのはドライアイである。眼瞼下垂やレーシック手術でもドライアイが悪化する場合が有る。涙点プラグはこの様な時に特に有効である。痛みの原因がはっきりしない場合には鬱病スクリーニング用のセスデーテストも行う。不安が強い患者は痛みに敏感に反応している。パキシル等の抗鬱薬には疼痛を減弱させる効果もある。白内障等の術後眼痛や開瞼困難の原因が隠れた眼瞼痙攣である事もある。眼瞼痙攣のスクリーニングには若倉の10の質問が有効で、ボトックス注射でその愁訴を的確に除ける場合がある。

複視も、白内障手術術後の愁訴として多いものである。その評価にはヘスチャートが最も適している。眼球運動神経麻痺の他、眼筋無力症甲状腺眼症が隠れていることもある。画像診断定型的な採血検査は躊躇せずに出すのがよい。循環障害が原因ならば3か月で消失するが、消退しなければプリズム処方で対応する。初期にはフレネル膜プリズムで、また安定したらプリズムレンズに換える。プリズムを勧める際は、その説明とタイミングに工夫が必要である。
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清澤の追加コメント
敬愛し尊敬する若倉先生から声を掛けていただき、眼科手術学会は57歳でのデビュー戦がこのシンポジウムという事になりました。

困った症例を集めてみようかなどとこの数か月悩んでみましたが、結局、歩きなれたこの道(眼瞼痙攣を含む神経眼科)での演題としました。

 眼瞼痙攣の患者のうち、白内障術後のカルテをざっと探してもらいましたら、7人も見つかりました。眼瞼痙攣のまぶしさを白内障によるものと考えて白内障手術を受けたが愁訴が解決されないと言うのか?、眼に入る光が強まる等の白内障手術による何らかの変調が眼瞼痙攣を引き起こすのか?確かに眼瞼痙攣の症例も白内障の術後愁訴の中には混じっているようです。

会が終わりましたら、また、会場の意見をお伝えしましょう。

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