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2010年8月16日

1596 急性前部ぶどう膜炎(AAU)とは、

急性前部ぶどう膜炎図の出典
組織適合抗原HLA-B27を持つ急性前部ぶどう膜炎(AAU)と診断された患者さんを見ましたのでその特徴をおさらいしておきます。

急性前部ぶどう膜炎(AAU)は片目に突然発症する、繊維素(フィブリン)の析出を伴う炎症の強いぶどう膜炎です。その、原因は依然不明ですが、組織適合抗原HLA-B27(白血球の血液型のようなもの)を持つことが多いことが分かっています。

繊維素とはいうのは、血液の中の液体成分である血漿(けっしょう)から分離される糊のような物質です。炎症で破壊された組織を補修する役割があります。しかしこの病気で、前房に線維素がでてくると、虹彩を水晶体や角膜と癒着させてしまい、眼圧の上昇などの原因となりますから、目には悪い効果を及ぼします。また、房水の中に貯まると下方に沈着して「前房蓄膿(ぜんぼうちくのう)」と呼ばれる状体をおこします。

古典的な急性前部ぶどう膜炎の症状は、5主徴は痛み、充血、流涙、羞明、かすみで有るとされています。また、急性前部ぶどう膜炎の典型的な所見は角膜周囲の充血、角膜後面沈着物、縮瞳、前房内細胞、フレア、フィブリン、蓄膿、虹彩後癒着、前部硝子体内細胞であるという記載が有ります。

発病時には全身倦怠感や発熱などの風邪のような症状も出ることがあります。急性前部ぶどう膜炎では、特に痛みを強く感じるところが症状が似ているベーチェット病との違いであるという研究者もいます。

急性前部ぶどう膜炎(AAU)は全身病としての「強直性脊椎炎」に伴って起こることがあります。強直性脊椎炎は、脊椎と仙腸関節(背骨と骨盤を結合する関節)に炎症を起こすという原因不明の病気です。この患者の約90%がHLA-B27を持っていることが知られています。一方この組織適合抗原を持つ人は日本人では1%程度しかいません。

強直性脊椎炎患者の半数にはその発症数年後に急性前部ぶどう膜炎(AAU)が見られます。強直性脊椎炎は、白人に多く、欧米では強直性脊椎炎がぶどう膜炎の主要原因の一つになっています。

急性前部ぶどう膜炎の治療は、基本的には他のぶどう膜炎と変わるところはなく、症状に応じてステロイド薬、非ステロイド抗炎症薬、散瞳薬の点眼・内服・結膜下注射などが行われます。多くの解説を見ますと、早期に集中的な治療がなされれば、比較的良い予後が得られる疾患であるという事の様です。

急性前部ぶどう膜炎(AAU)は再発することが多いので、この疾患と診断がついたら、患者が異常を感じた時には早めにかかりつけの眼科医を受診する様に指導しておくのが良いでしょう。

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