お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2010年8月9日

1587 網膜色素変性症とピカチュリンに関する海外からの問い合わせです。

インドネシアの方からピカチュリンについてについての質問をいただきました。
知り合いが網膜色素変性症で、この治療へのピカチュリンの有用性を聞いて見えました。(また少し私のブログも国際的になってきました。)

各質問への答えを文中に、総論を末尾に書きました。
ーーーご質問の手紙(回答挿入)ーーー
2010/08/09 01:18
拝啓
はじめまして、インドネシア人のジュリアナです。少し日本語が話せます。
40才のインドネシア女性仏教の僧侶がRetinitis Pigmentosaと言う病気で、一番いい治療を探しているらしいでこのメールを送りました。
Osaka Bioscience Instituteのホームページを見つけて、Pikachurin Proteinの詳しい情報をいただけないでしょうか。

下記の質問を説明していただけませんか。

1.Pikachurin Proteinは人間に研究されたことがありますか。今にも服用している患者がいますか。 
お答え:いないはずです

2.Pikachurin  Proteinの内容量は何ですか。植物か動物かそれとも化学的な分子ですか。  
お答え:人間が普通なら持って生まれている物質です。治療のための薬ではありません。

3.Pikachurin Protein はどんな形ですか。タブレットか液体ですか。液体の場合は医者以外に注射してもらわないとだめだと言うことですか。
お答え:上に書いたとおりすでに分離精製された薬剤ではなくて、体内にそのようなたんぱく質が含まれているということが調べられたというだけの物質です。

4.Pikachurin  Proteinどこで売っていますか。一包何個ありますか。どうやって服用しますか。いくらにしますか。
お答え:治療用に販売されているようなものではありません。

5.Pikachurin Proteinの服用する場合は取り扱いの注意がありますか。悪い効果が出る可能性がありますか。
お答え:服用を想定された薬ではありません

急に申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。お返事をお待ちしております。

ーーーーーーーーーー
ピカチュリンに関するお答え:個別のお答えをまえの本文中に記入しました。

清澤です。遠いところから、なれない日本語でのご質問を投稿くださり、ありがとうございます。私が、眼科医として持っている知識で、これらの質問への返事を出し、お答えを本文の中にはさんで書きました。ごらんください。

ピカチュリンは治療薬ではありません。将来治療への道を切り開いてくれる糸口にはなるかもしれませんが、まだ患者さんに飲ませたり、注射したりするようなものではありません。

なお、著者のe-mailは元の論文の中に研究責任者のメールが載っていましたが、この分野の研究をする学者が共同研究を申し込むためのものですから、ここには記載しません。

臨床医ではない研究者には患者さんからの治療に関連した直接の問い合わせは、ご迷惑なだけだろうと推察します。

どうか現地の眼科の先生の指示をお聞きになって、アダプチノールなどでの治療をお続けください。

ーーーー
追記:
2008年07月25日
620 目の神経形成に重要な新タンパク質を「ピカチュリン」と命名:の記事を読みました(リンク)

Nature Neuroscience
Published online: 20 July 2008 | doi:10.1038/nn.2160
(Pikachurin, a dystroglycan ligand, is essential for photoreceptor ribbon
synapse formation ⇒リンクは上記記事にあります)

632 網膜色素変性症 retinitis pigmentosa, pigmentaru retinal dystrophhy
 (リンク)  この質問が寄せられた元記事です。
ーーーーーーーーーー
辞書::
:ピカチュリン
外語:Pikachurin

概要:目が受けた光の刺激は、電気信号として脳に伝えられる。

ヒトなど哺乳類の目は、網膜の視細胞で光が電気信号に変化し、双極細胞を通過して視神経から脳へ伝達されている。

この視細胞と双極細胞の間を繋ぐ視神経周辺に特異的に発現する蛋白質が、ピカチュリンである。
特徴発見この蛋白質は、大阪バイオサイエンス研究所の古川貴久研究部長(神経発生学)らのチームにより、マウスを使った実験で発見された。

ここで、電気を操るネズミに似たキャラクター「ピカチュウ」にちなみ、ピカチュリンと命名され、2008(平成20)年7月21日、米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版に発表した。

この命名に日本国中が湧き、注目が集まった。
応用iPS細胞(人工多能性幹細胞)で視細胞を作り、治療に用いる研究が進められている。

細胞自体を作ることはできるようになってきたたが、神経回路のメカニズム自体はまだ殆ど明らかになっていない。

古川貴久は「網膜の神経回路のメカニズムを明らかにする大きな一報」としており、今後の再生医療に応用できるとしている。
ーーーーー

Categorised in: 未分類