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2010年7月26日

1554 眼科アップデートセミナー印象記

ホテルイースト21
 昨日から今朝にかけて、私的な眼科アップデートセミナーが御近所の江東区東陽町のホテルイースト21で開かれています。一人の演者が20分で22人の講師が各分野の最新の話題を手短に紹介してくれます。なかなか優れた講師の人選です。私は初参加ですが、聴衆は全国の眼科医で、自前で3万円の聴講料を払ってきているだけあって真剣そのもの。今年が5回目と言う事で、眼科医には夏の風物詩にもなっているようです。
 仙台の平成会前理事長酒井先生など仙台時代の先輩や後輩も参加しておられ、夕食の後しばらく時間を作って当医院も見ていただきました。

(以下に講演の印象を記します。コメントしてないのは私が聞くことのできなかった講演です。)
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石原
○ 先天色覚異常者へのカウンセリング 中村かおる先生
 清澤のコメント:最近学校では色覚の検査が行われなくなっています。このため、就職や進学の頃になって、自分が色覚異常を持つことに気がつき、希望の進路が閉ざされていることに気がつくという事が有ります。眼科医は機会を見つけて色覚の異常を無料でチェックしてあげるのが良いかもしれません。

拡大読書機
○ ロービジョンとそのケアを学ぶ 新家 眞 先生
 清澤のコメント:我が国における視覚障害の状況等が紹介されました。ロービジョン外来の受診者は緑内障、糖尿病網膜症、黄斑変性、角膜疾患その他となっています。その道具には拡大鏡、単眼鏡、遮光眼鏡、拡大読書器などが有るそうです。

硝子体注射○ 抗VEGF療法 柳 靖雄 先生
 清澤のまとめ:治療に誓われる抗VEGF抗体にはラニビズマブ(ルセンティス)、ベバシズマブ(アバスチン)、ぺガプタニブ(マックジェン)の3種が有ります。ラニビズマブはAMDに使われています。まず活動病変に導入期で使い以後は維持期に使います。ベバシズマブかラニビズマブか?という選択が有り、近視等の黄斑病変にはベバシズマブが有効です。
商品名の方がピンと来るのになあ。

○ 紛らわしい網膜(視神経)疾患を診断するコツ 近藤 峰生 先生
テンポの早いご講演でした。病気は停止性か進行性か?夜盲系(杆体)か昼盲系(錐体)か、黄斑系か周辺系か?等を考えて病態を聞きましょうという解りやすいお話。
 眼底が正常に近くて視力の良くないものとしては、夜盲系で停止性なら先天性定在性夜盲、昼盲系で進行性なら錐体ジストロフィー、昼盲系で停止性なら杆体一色覚(全色盲)、黄斑系で進行系なら、スタルガルト病かオカルト黄斑症と言うように考えよという事でした。OCT,FAとIA,ERG,MRIが重要な4つの検査で有ると。今、日本でこれらを鑑別できる人は他にはほとんどいないのではないでしょうか?

OCT
○ OCTの見方 岸 章治 先生
清澤の理解したポイント:OCTも今や盛んにつかわれる器械ですが、とても参考になる講義でした。反射光なので走査光に対して斜めの反射は弱く見えるそうです。走査の方向は眼底写真の左から右、下から上だそうです。視細胞は外節が視力を決めるからIS-OSラインがないAZOORは視野が欠けるのだそうです。

ザラカム○ 新しい緑内障治療薬:配合剤 福地 健郎 先生(新潟大)
PG+β(つまりザラカム:ラタノプロスト+チモロールあるいはデュオトラバ:トラバタンズ+チモロール)かβ+CAI(コソプト:ドルゾラミド+チモロール)かというお話ですね。コンプライアンスの向上にどこまで役立つでしょうか?

○ 難治性緑内障手術(インプラント手術)について 千原 悦夫 先生
清澤の理解:最近は緑内障手術自体が施行されることが少なくなっており、殊に開業医では手掛ける医師も少ないと思うのですが、千原先生は今もインプラントを含む難しい手術を続けている模様です。最近の第4世代インプラントは、パルスプラナに管を入れて、吸収部分は赤道部付近に置くのだそうです。対象は、難治例でも良いのですが視野が末期の症例では術後に高眼圧が続く時期も有って既にその適応では無いのだそうです。

緑内障におけるアドヒアランス 柏木 賢治 先生
アドヒアランス不良例の見つけ方とか、アドヒアランス改善のための5要素とか、今まで深く考えなかった要素がたくさん聞き取れました。通ってきてはいるのだが点眼回数が抜けているという事も数多有りましょうが、通院の枡眼から漏れている患者が多い事にも気がつきました。そこで清澤眼科では”緑内障アドヘアランス向上のキャンペーン”を新たに考えることにします。

○ 外眼部手術の要諦 根本 裕次 先生
清澤の理解:眼瞼の形成というのも今や私が自ら手掛けることはなくなってしまった分野では有りますが、大変面白い領域です。眼瞼を前葉と後葉に分けてそのいずれを動かすのか?また瞼板の縫着5箇所をどう決めるかというお話は大変興味深い物でした。時間を作って彼の書術室へ見学に行きたいほどのものです。埋没眼瞼縫合術がなぜ結膜側に浮かび出るのか(瞼板のある場所に糸を置くから)というお話も全眼部手術の思わぬ合併症のお話の中で使えそうな小話でした。

○ 眼腫瘍の診断と治療 吉川 洋 先生(九州大学)
清澤の理解:まず最初のテーマがマイボーム腺嚢胞、短くしてマ嚢胞です。古いカラジオンに見えますが、炎症を経ずにできた眼瞼の嚢胞で上皮を残すと角質が再生し再発します。白いさらさらした液体、クリーム状のもの、茶色の泥状の内容物などの入った者が有るというお話でした。月曜日に自分の医院に戻ってみたら、何とそんなカラジオンばかりです。中には何回目かの切開だという患者さんもいて、その真実性にびっくり。ただし、白色の個体が出てくるカラジオンもどきはマ腺癌だそうですからぜひご注意ください。

MALTリンパ腫も面白い話題でしたが、東北大学病理の一迫教授からいろいろ習ってますので、この話題の講釈は別の機会にします。(悪性リンパ腫の診断システム(READシステム)の紹介を読んで

ミクリッツ病もIgG4に関連した炎症(関連記事へ)として注目されている話題ですよね。

レンズケース
○ 眼感染症・最近の話題 国民生活センター報告を考える 大橋 裕一 先生
清澤の感想:アカントアメーバ感染症のお話からです。レンズケースは清潔なものを多数擁して置き、患者さんの要望に応じていくつでも差し上げられるようにするのが良さそうです。私は過酸化水素をまず進めてはいますが、当医院で過酸化水素を購入してない患者さんはやはりドラッグストアでMPSを購入しているのでしょうね。

○ドライアイ ガイドラインに沿って 木下 茂 先生
清澤の理解:まずは手堅く、ムチン、リン脂質のお話。次にシルマーテストでわかる涙液減少型と、BUTでわかる蒸発亢進型の2つのドライアイのタイピング。標準がシルマー1法というのは承知ですが、いたがられますので私は2法でやってます。やはり1法にしますか?この後のお話はドライアイの定義の変遷について、特に自覚症状を診断基準に加えるのかというお話です。

ortho
○オルソケラトロジーの実際 吉野 健一 先生
清澤の感想:治験が小児を対象としていないので小児が適応の対象にはなってないのですが、需要は小児に有るといういつもの議論にはなってしまうのですが。全体として解りやすいお話でした。レンズの周辺と中央の間の部分に汚れがたまり感染の原因になりやすいそうです。まだ高いであろうトライアルレンズセットの購入は急がなくてもよいでしょうかね。
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お粗末な印象記ですみません。

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