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2010年7月17日

1541 眼科でも見つかるクモ膜のう胞

眼科で脳神経との関連が疑われる何がしかの症状が有ってMRIを撮りますと、偶然にみつかる事が多いのがクモ膜のう胞です。多くは心配のない物なのですが、眼科診療に関連してはどのようなことが有るのでしょうか?

arachnoid cyst 2

1、くも膜嚢胞(Arachnoid Cyst)とは
くも膜嚢胞とは、くも膜でできた被膜の中に髄液が局所的に貯留している状態で、先天的な疾患です。発生頻度は人口の0.1~0.3%といわれています。

① 中頭蓋窩、シルビウス裂あたりにできるものが(50-65%)、大孔 円蓋部(5-10%)、トルコ鞍上部(5-10%)とされていますが、その他の部分にも見つかることがあります。(上の図出典下の図出典
arachnoid cyst
2、くも膜嚢胞の分類
1)症状の有無による分類
(1) 無症候性(無症状):たまたまCT, MRI の検査を行ったときに偶然に発見される物で、くも膜嚢胞による自覚症状も他覚症状も有りません。おそらく眼科で見つかるものの多くはこれでしょう。

(2) 症候性(症状あり)
① 嚢胞に接した頭蓋の局所的な膨隆
② 嚢胞の圧迫による局所神経症状
③ 嚢胞により脳室系が閉塞し水頭症、頭蓋内圧亢進症状をきたす
④ 外傷により嚢胞の近くに硬膜下水腫、硬膜下出血が生じる

(3) 因果関係不明
頭痛、てんかん、発達遅滞などの症状はあるが、それがくも膜嚢胞が原因なのかどうか因果関係不明なものも有ります。

3、くも膜嚢胞の経過
(1)くも膜嚢胞の増大
大きな嚢胞は増大傾向があるとされていて、一方小さな嚢胞が増大する可能性は少ないとされます。

(2)くも膜嚢胞と出血(硬膜下血腫の合併)
慢性硬膜下血腫の2.4%にくも膜嚢胞が認められると言います。また、くも膜嚢胞に合併して発生する出血のリスクは、0.004%/年とされ、そうであれば、それほど高い頻度ではない事になります。

4、治療
無症状の小さな嚢胞の場合は、手術等は考えないで経過観察を行います。くも膜嚢胞が脳を圧迫して、神経症状をあらわしているような大きな嚢胞では手術を行う場合が有る様です。(眼科としては、この先は脳外科に相談することになります。)その方法には① 嚢胞を開放して、くも膜下腔と交通をつけるものと② 嚢胞腹腔シャントを行う方法が有るそうです。

5、眼の症状
側頭葉前方のチストに関連した眼の後方の疼痛や眼球突出の報告、下垂体部にできたチストに関連した急激な視力の低下報告等が有るようです。

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