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2010年7月4日

1518 第4回心療眼科研究会が7月3日午後、盛大に行われました。(印象記)

第4回心療眼科研修会
第4回心療眼科研究会が7月3日午後、盛大に行われました。
恒例の印象記です

1、シャルル・ボネ症候群と思われる一例 杏林大学 気賀沢 一輝
清澤のコメント: 反復性の幻視が有り、認知機能は正常で病識が有り妄想はない、視力が低下。という条件を満たすいわゆるシャルル・ボネ症候群について。視覚的幻覚はどこから来るかという質問に私は海馬を挙げたけれど、後の朝田先生の話を聞くと”視覚的な長期記憶の引き出し”は前楔状回にあるという事だったようです。

2.「器質的疾患を契機に発症したと考えられた機能的輻輳痙攣の一症例」  都立墨東病院  林恵子
清澤のコメント: ”輻輳痙攣とは過剰で持続的な服装が一定期間認められる病態”。38歳のSLEを持つ患者の症例報告ですが、対応する病変は不明という事であり、発症に関連するイベント(脳梗塞)が有るという事でも典型的な症例だと思います。1)若倉先生のように同定できない病変が有ると考えて、適切な治療法を考える必要が有ると考えるか、2)基本的に脳腫瘍などがなければ心理的なものと考え、様子を見るしかない(清澤)と割り切るか対応は分かれると思います。

3.「だっこ点眼法の周辺と新しい展望」  早川眼科医院  早川真人
清澤のコメント; 近方視力の低下、色覚も悪い、らせん視野などを示す心因性視力障害。過程が不安定な例も多いとのお話でした。スライド1枚のお話で、文化人類学にまで話が展開してしまったので座長は心配されたようでした。多くの配布資料をいただきました。

特別講演
「日常良く遭遇する心の病気の基本理解 ~認知症に気づく為の眼科医のたしなみ」
筑波大学大学院 人間総合科学研究科 教授 朝田 隆先生

清澤のコメント:2010年に認知症患者は300万人いるそうです。主婦であれば、まず料理ができなくなり、洗濯は後までできるのだそうです。”最近の連続テレビ小説はつまらない”という発言は連続する話が理解できなくなったのかも知れないとのこと。軽度認知障害MCI (mild cognitive impairmaent)という言葉も出てきました。左右の親指と小指をそれぞれ合わさせておき、それを入れ替えさせると、空間認知の障害が有る患者ではそれが難しいそうです。レビー小体型認知症では治療に抗コリンエステラーゼ財が有効で、自律神経系の症状が強いという事でした。昔パリに留学時代(1985年ごろ)にヒヒの認知症モデルでアレコリンが効くか?という実験をさせられましたが、その辺に関連が有りそうなお話でした。

4.「眼科通院中の患者さんが自殺未遂!その時眼科医にできることは?」 石井第一眼科 石井 るみ子

清澤のコメント;これも大変難しいお話です。眼科で血圧の薬まで処方してお相手していたご老人が自殺未遂をしてしまった。精神科の受診は本人も家族も同意しない。市役所も民生委員も同居家族がいる家庭内には口を挟みたがらない。というお話です。わずかな救いは”地域包括センター”というところは話を聞いてくれたそうです。

5.「視力低下した糖尿病患者は抑うつ症状が亢進している」  済生会新潟第二病院  安藤 伸朗
清澤のコメント:安蔵先生らしい、データと文献考察の整ったお話でした。糖尿病と鬱が相関することは報告が多いが、視力低下と鬱にもさらに相関が見られるというお話と理解しましたが。鬱の評価はセスデーをお使いでした。

6.「認知症患者における白内障手術と日常生活動作の関係」  吉田病院  高木 美昭
清澤のコメント:認知症患者に白内障手術という負荷をかけると、安定剤などの影響もあって、誤嚥性肺炎などをおこしやすい。注意が必要というお話と理解しました。老人医療センターなどではいつもちょくめんするもんだいでしょう。
この高木先生には向精神薬内服中の患者における眼瞼痙攣の検討という臨床眼科64:297-301の別刷りもいただきました。眼瞼痙攣関連ですので、後日紹介します。

7.「認知症が背景にあった視機能障害の1例」  井上眼科病院  若倉 雅登
(時間が押したので中止演題です)

教育講演 19:50~20:20 
「精神疾患-従来の分類と今日の概念-」
東京女子医科大学 精神科 教授 石郷岡 純 先生
 ”病名に対応する原因を想定して疾患を説明する精神医学が、原因は棚上げして病気の診断基準を立ててその患者群の特徴や治療を論ずる様な精神医学にパラダイムが大きく変わってきている”という石郷岡純先生の教育講演は感動的でした。

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さて、この会の先だって行われた世話人会では次回の第5回は気賀澤先生と私(清澤)が招待する講演の話題を見つけてプログラムを作ると言う事を曖昧ににお引き受けしてしまいましたが、さてどうしましょう。

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