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2010年5月23日

1440 近代的な大病院を建ててしまった地方公共団体が少なくないようです。

北秋田市民病院
 日本各地で地域の医療崩壊におびえ、地域産業の低調にも背中を押されて、病院の統合化という美名の下に近代的な大病院を建ててしまった地方公共団体が少なくないようです。それが公共団体の大きな荷物になっているという事らしいです。今回の番組話題になっている北秋田病院も、十和田市立中央病院も、ともに100億円規模の資金を投入したということのようです。その十和田市立中央病院で頑張っているのが蘆野吉和先生。

十和田市立病院
 これは、金利を年5%としても利息だけで5億円、3%でも3億円になります。現在の国民健康保険の医療報酬制度下では病棟を満床にして、フル稼働できたとしても余剰資金を残すことはおそらくできないのですから、まして医師が集められなくて病棟閉鎖が行われているというのでは、如何ともしがたいであろうとは想像に難く有りません。

順天堂江東
 私の周りでも、当医院のすぐ裏にある順天堂江東高齢者医療センターはそれなりの赤字を出しているそうでです。都は順天堂大学に対して毎年の欠損をやむを得ず補填しているはずですが、それもお互いに苦しかろうと想像されます。さらに、決算報告書は拝見してはおりませんが独立行政法人になった東京医科歯科大学も黒字ではありますまい。

 この番組の内容をネットで調べてみていたら、十和田市立病院の院長は聞いたことのあるお名前蘆野吉和さん(蘆野吉和氏 十和田市立中央病院院長 1978年東北大医学部卒。同大附属病院を経て85年福島労災病院。)でした。なんと私も教室で見慣れていた笑顔が優しく小柄な大学医学部の同級生です。

 同級生も今では皆56歳を過ぎました。大学の教授になった人、公立病院に入って内科部長や外科部長になった人、或る時期で公的な地位を離れて私の様な開業医になった人、そして既に鬼籍に入った仲間(最も親しく下宿も一緒だったT君ももうなくなりました)とさまざまです。

 このような時期に病院の責任者になってしまった蘆野さんの苦労は想像を絶するものであろうと思います。今日の番組で蘆野さんのお顔を見られるかどうかは分かりませんが、気持ちだけでも励ましたいという思いを抱きつつ謹んで番組を拝見させていただきます。

芸術館私の実家の隣に建てられたまつもと市民芸術館という建物も赤字を出しているそうです。構造的には同じ箱物の問題でしょうか。

ーーー引用ーーー
http://www.nhk.or.jp/etv21c/
 番組タイトル:ETV特集「病院は建てたけれど~地域医療・混乱と模索の現場から~」

チャンネル:ワンセグ2
放送日: 2010年5月23日(日)
放送時間:午後10:00~午後11:30(90分)

 立派な病院を新築したものの、肝心の医師が集まらず、オープン当初から巨額の赤字を計上する自治体が相次いでいる。医療崩壊に端を発する自治体の財政破綻が現実のものになろうとしているが、それでも大規模病院を新築しようという自治体は全国に後を絶たない。

 今年4月にオープンしたばかりの北秋田市民病院。90億円以上をかけて21診療科320床の市立病院を新築したが、予定の半数の医師しか確保することができず、真新しい病棟の半分は空いたままだ。病院運営は秋田厚生連に委託されているが赤字は全額市で補てんするという約束で、建設費の償還に加えて年間3~4億円と予想される赤字が市の財政にのしかかる。

 十和田市では2年前に164億円かけて新築した市立中央病院の経営が悪化。毎年10億円もの赤字を出し続け、銀行からの借入でようやく経営を維持する自転車操業に追い込まれている。このままでは市の財政を圧迫し、市自体が財政再建団体に転落しかねないと、この2月から経営検討改革委員会を立ち上げ、根本的な経営再建に乗り出した。

 こうした赤字病院の建設が続く背景には、ダムや道路などの公共事業に逆風が吹くなかで、「医療の充実」という謳い文句には異論が出にくいため、「公共事業最後の聖域」として期待されているという現実がある。そのため、過大に見積もられた需用(患者数)に基づいて、医師の確保のめどもないまま、各地で「身の丈を超えた病院」が建設されるのである。

 番組では、外部の専門家を招き経営改革に乗り出した十和田市のケースを中心に、病院建築ラッシュが加速する「医療崩壊」の現実にスポットを当てる。
ーー引用終了ーー
拝見しました。前向きに地域医療に立ち向かう蘆野さんの姿勢に打たれました。所為かを出すのが期待される6か月という期限は厳しそうですが、頑張って下さい。何の手助けも出来なくて済みません。

もしかしたら、元気のよい私的な病院グループなどに引き受け手があれば、労働者や地元納入業者などとのしがらみを断って、経営の立てないしは却って上手かもしれず単年度経常収支は黒字化できるのかもしれません。(当然儲からぬことはするなという風は吹くでしょうが。)

もう一つの問題は、既に存在する地元の開業医から患者を奪うのでなければ、地域外からの患者を集めることはできないのですから、病院の売り上げの増加は期待できないという事です。このあたりも中枢になる病院側がクリアーしないと上手くはゆかないと思います。

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