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2010年5月8日

1414 宮崎で多数の家畜の口蹄疫が出ているそうです。口蹄疫とは?

宮崎の口蹄疫が大変なことになっているらしい。

ニュースによれば、”2010年4月20日に宮崎県で発生が確認された家畜伝染病『口蹄疫』が、さらに広まりを見せている。口蹄疫は
牛や豚など偶蹄類の動物がかかる伝染病で、基本的に人には感染しない。しかし、その感染力は強く、発生が確認されると同じ農場にいる多くの牛や豚も殺処分の対象となり、5月6日現在で約4万5千頭にものぼっている。日本で口蹄疫が確認されたのは2000年以来10年ぶりで、今回の感染はそのときを上回る規模になっており、宮崎県はもちろん九州の各自治体は感染拡大の防止に必死だ。”と言う訳である。

そこで口蹄疫とは何なのか?という事を少し調べてみました。
口蹄疫 鼻

原因(病原体)は、口蹄疫ウイルス(Picrnaviridae Aphthovirus)で、感受性動物は、牛、水牛、めん羊、山羊、豚、しか、いのししなど。
症状は、突然40~41℃の発熱、元気消失に陥ると同時に多量の流挺(よだれ)がみられ、口、蹄、乳頭等に水胞を形成し、食欲不振,足を引きずる症状を呈するそうです。

口蹄疫 足

国内の発生状況は明治41年(1908年)に 東京、神奈川、兵庫、新潟で522頭、平成12年(2000年) に宮崎で(3~4月:3戸), 北海道(5月:1戸)と発生し、患畜・疑似患畜740頭が92年振りの発生を見たという事です。

人獣共通感染症第96回 宮崎で発生した口蹄疫、霊長類フォーラム:人獣共通感染症(第96回)Kazuya Yamanouchi 山内一也先生記載:4/19/00を参考になぞって、眼科医の私が理解できた程度にその要点をもう少し詳しくまとめてみます。

ーー抄出ーー
口蹄疫

宮崎で発生した口蹄疫
 病原体の口蹄疫ウイルスは最初に発見されたウイルスで、1898年にドイツでレフラーとフロッシュにより、その存在が証明された。口蹄疫ウイルスは古い論文ではヒトに感染したことが報告されているが、人獣共通感染症とみなす必要はない。

1.口蹄疫対策の国際的枠組み  

家畜伝染病の分野でWHOの役割を果たしているのは国際獣疫事務局OIE (Office International des Epizooties)。別名 Animal WHOとも呼ばれる。

OIEは国際的な家畜の貿易の際に監視が必要な家畜伝染病をリストA, Bとふたつに列記している。リストAは危険性の高いもので、その中でも口蹄疫と牛疫がある。
 
 口蹄疫は全世界に存在している。OIEが清浄国と認めているのは日本や欧米など 39カ国に過ぎない。とくに 現在大きな問題になっているのはアセアン諸国。

2.宮崎での発生の経緯  

 農水省のプレスレリーズが家畜衛生試験場(家衛試)ホームページ http://ss.niah.affrc.go.jp/に転載 されており、リアルタイムに情報が提供されている。

 最初の発生例:2000年3月8日に飼育中の肉用牛10頭のうち、2頭に発熱が見つかっている。これが発症時期と推測される。25日にELISAで口蹄疫抗体陽性。以下略。

3.原因ウイルス  
 口蹄疫ウイルスはエンベロープを持たない小型のRNAウイルスです。エンベロープ の代わりにウイルス粒子の外側 にはカプシドと呼ばれる殻があり、その主要な蛋白はVP-1。

これは非常に変異を 起こしやすい性質のもので、IAHではVP-1の配列にもとずいて口蹄疫ウイルスの系統樹を作ってる。アジアで流行しているO型 ウイルスではあるが、新しいサ ブタイプのものとして、O/Miyazaki/JAP/2000株という仮称が提案された。(前回の流行時)
 
 宮崎の発生では肉用牛である和牛が感染したが、病変は軽度であって教科書に出ている口蹄疫に特徴的と される水疱はほとんど見つかっていない。

4.ワクチン  
 口蹄疫の予防には不活化ワクチンが用いられている。日本は非常用にヨーロッパからワクチンを輸入して備蓄している。

立ち入り禁止 海外
 
有効なワクチンがあれば流行を阻止するためにはそれを使用するのが常識だが、口蹄疫の 場合には監視は抗体調査に依存している。もしもワクチン接種したウシがいると、感染による抗体か、ワクチンによる抗体か、区別ができなくなる。だから今回のような限局した発生であればワクチンを使用せずに、発生のあった農場の動物をすべて殺処分することが清浄国の立場を保つのに必要。
 
 しかし、流行が広がればワクチンを使用しなければならない事態になる。宮崎とほぼ同じ頃に韓国でも口蹄疫が66年ぶりに発生し、かなり広がっている。4月14日付けのAP電によれ ば、韓国ではこれまでに900 頭のウシとブタを殺処分し、20万頭にワクチン接種を行ったとのこと。さらに 国中の偶蹄類1100万頭すべ てにワクチン接種を行う計画と伝えられています。

5.診断体制  

 口蹄疫の最大の発生地域に日本は囲まれている。そして、口蹄疫ウイルスは物理的処置に非常に抵抗性が強いウイルス。藁に付着した口蹄疫ウイルスは夏では4週間、冬では9週間生存する。
 宮崎の発生での診断に役にたったのは、IAHから提供されていたELISAキットと、数年前にやっと農水省から許可 してもらって作ってあった合成核酸であった。このころの診断体制は弱いとされたがはたして今は?

6.口蹄疫のヒトへの感染性  

 Pro Medには人獣共通感染症とするドイツの雑誌:Foot-and-mouth disease as zoonosis. Archives of Virology, Supplement13, 95, 1997。    
 1950-60年代にはヨーロッパで口蹄疫が流行していた。口蹄疫ウイルス のヒトへの感染の可能性についての報告はこの時期に集中している。稀に軽い感染があったとみなされるものの、ヒトの健康に被害をあたえるものではない。
ーー引用終了ーーー

要するにピコルナウイルス(小さなRNAの核を持つウイルス)感染なのですね。数年前に台湾の豚が輸入出来なくなったというのもこのウイルスだったようです。
 殺された家畜代は誰が払うのかと心配してみておりましたら、東国原知事の小澤幹事長との交渉内容にその話が出ていて、県は殺処分にされた家畜の代金全額の補償を求めていて、現在はその80%が国に補償されているらしいです。

ここまで出続けてしまうと、早々にはおさまらない予感がしますがさて。。

追伸:(5月10日14時20分)
口蹄疫で家畜処分、国が損失全額補填
 宮崎県で発生している家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」問題で、赤松農林水産相が10日、同県に入り、東国原英夫知事と県庁で会談した。赤松農相は、国が農家に対し、殺処分された家畜の評価額の5分の4を補填(ほてん)する制度について、今回は国が全額負担する意向を表明した。

   

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