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2010年5月3日

1403大阪大学の人工眼の実験成功の話題が報道されています

新聞各社から大阪大学の人工眼の実験成功の話題が報道されています。 目が見えない人の脳に、小型カメラで撮影した画像を送り、視力を回復させることに大阪大学の不二門尚(ふじかど・たかし)教授(感覚機能形成学)の研究グループが国内で初めて成功した。

私もこの話題には古くから興味を持って拝見しています。

2006年05月28日
104, 人工の眼 artificial eye 人工視覚(2006のこの記事にリンク
人工眼(artificial eye)といって網膜や視神経が病気で冒された人の視神経や大脳に視覚情報をこのように直接送り込むと言う装置の研究が進められています。このテーマは、実際にまじめに米国、ドイツ、日本などで研究されています。

人工眼

ーーーー引用ーーーー
小型カメラが網膜代わり 眼球裏に電極、脳に情報送る2010年5月1日3時5分
  
 目が見えない人の脳に、小型カメラで撮影した画像を送り、視力を回復させることに大阪大学の不二門尚(ふじかど・たかし)教授(感覚機能形成学)の研究グループが国内で初めて成功した。動く物の位置がわかるようになったという。効果と安全性を確かめ、3年以内にはつえなしで歩ける装置を作りたいという。

 研究に参加したのは、網膜色素変性症の女性(72)。15年ほど前から網膜が損傷し始め、最近は明るさがぼんやりとしかわからないほどまで視力が低下した。

 研究グループは、女性の左眼球の裏側に、7ミリ四方の電極チップを手術で埋め込んだ。外の世界の様子を額につけた小型カメラで撮影。画像処理装置を通してから、耳の後ろに埋め込んだ電力・画像データ受信装置に電波で画像を送り、電極が視神経を電気刺激して脳に伝える仕組みだ。

 4月27日に行われた試験では、黒い幕の前に置かれた白いはし箱を研究者が動かすと、女性はその位置を手で追うことができた。女性は「はし箱が豆粒のような白い光として見えた。はし箱を動かすとその光がどこに動いたかわかった。いつか、家族の顔を再び見たい」と話している。

 現在の電極で、パソコンの画面いっぱいに映し出されたアルファベットが区別できるまでの視力が期待できるという。

 安全性と効果を見るため、年内に網膜色素変性症の患者5人に臨床研究をする予定。今後、さらに電極の数を増やして、より画像を鮮明にできるかどうか確かめる。不二門教授は「カメラや電源を小型化して持ち運べるようにし、つえなしで歩けるまでにしたい。長期的な安全性も確かめる」と話している。

 網膜の異常で失明した人の根本治療は今のところない。米国やドイツでも網膜に直接電極を接触させ画像を送る研究が進むが、今回の方法は網膜を包む膜に電極を埋めるので安全性が高いという。

 今回の方法で視力を回復できる可能性があるのは、網膜色素変性症や加齢黄斑(おうはん)変性症といった、網膜の異常が原因で失明した人。全国で18万8千人いる失明者のうち、約2割にあたる。視神経、脳の異常で失明した人には、効果が期待できない。(坪谷英紀、瀬川茂子)
ーー引用終了ーーー
清澤の解説:人工の眼に関しては私も以前から興味を持っており、たびたび言及してきました。

私は個人的には大脳の視覚領皮質の上に電極を置く方式の方が良さそうだと思っており、その方法でも実験段階としてはアルファベットが分かる程度の改造力は得られている様に聞いています。

しかし、世界の研究の趨勢は網膜上の電極を目指している模様です。この記事では網膜色素変性症のほか、加齢黄斑変性症も対象になるとしていますが、加齢黄斑変性だけであれば、視野は中心暗点を示しても、視力は指数弁以下にはならず周辺視野が残りますから、その結果がが目にっぱいに記されたアルファベットであるならば、素直にこの方式の治療対象になるとは思えません。

そうしますと、網膜色素変性で視細胞が障害されているが網膜神経節細胞はしっかり残残存している今回の症例の様なものが対象ということになります。それでも多数のキャンディデートはいるでしょう。それらの患者さんには間違いなく希望の光が見えたというところです。

ただ、今回の移植チップはしばらくしたら取り外さねばならないというのは如何にも痛ましい気がいたします。埋め込まれるチップの安全性がまだ確保できないという事なのでしょうか?

いずれにしても不二門先生のグループにはこの研究をより一層、力強く推進していただきたいものだと思います。

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