お問い合わせ

03-5677-3930WEB

ブログ

2010年4月29日

1394 ALS発症の仕組み解明、治療薬開発に大きく貢献…徳島大梶教授などの記事が出ています。

ALS発症の仕組み解明、治療薬開発に大きく貢献…徳島大など

ネイチャー表紙
眼瞼痙攣にボトックスを使う治療の普及などで日本をリードするお仕事をなさっている徳島大神経内科の梶龍兒教授を含む日本人のグループが「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の原因遺伝子と発症の仕組みを解明し、有名なイギリスの自然科学雑誌ネイチャー電子版に発表したという記事が出ています。
ネイチャー電子版http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature08971.htmlを見ますとレターでHideshi Kawakami先生が責任著者でした。

ーーー引用ーーー
ALS発症の仕組み解明、治療薬開発に大きく貢献…徳島大など

 全身の筋力が徐々に失われる難病「筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)」の原因とみられる遺伝子と発症の仕組みを、徳島大の梶龍兒教授らと広島大の川上秀史教授らの両チームが解明した。病気の進行を抑える治療薬開発に大きく貢献する発見という。米科学誌「Nature」電子版で28日発表した。

 ALS患者には、約1割の遺伝性と9割の非遺伝性の両患者がおり、これまで原因遺伝子はいくつか見つかっているが、発症の仕組みは解明されていなかった。

 梶教授らのチームは、「オプチニューリン」と呼ばれる遺伝子が異常を起こすと、「NFkB(エヌエフ・カッパ・ビー)」というたんぱく質が活性化し、ALSの原因となる仕組みを突き止めた。「NFkB」は、発がんや炎症を促す働きがあるとして知られていたが、今回初めてALSにも影響していることが判明。この発症の仕組みは遺伝性、非遺伝性の両患者に共通するという。

 「NFkB」を抑える薬はすでに流通しており、梶教授は「ALS治療に応用すれば、進行を抑える薬の開発に大きな弾みがつく」と期待している。

(2010年4月29日 読売新聞)
ーーー引用終了ーーーー

梶先生は京都大学のご出身で、私ともわずかな時期ですが米国ペンシルバニア大学神経内科で重なって在籍したことがある先輩です。

○私たちの眼瞼痙攣の本”目がしょぼしょぼしたら…眼瞼けいれん? 片側顔面けいれん?―正しい理解と最新の治療法―”にも次の様な推薦文をいただいています。
”徳島大学神経内科教授 梶 龍兒 本書は「眼が開けにくく、眩しい場所に出るとものが見づらくなる」眼瞼けいれんについてわかりやすく解説した良書である。医学的にも非のうちどころのない正確さをもち、現代のストレス社会においてまだまだ正しい診断を受ける機会が少ない病気についての初めての解説書である。”

○また梶先生の”眼科疾患のボツリヌス治療”は第4章のBTX治療の実際の項目を江本博文,清澤源弘,江本有子で書かせていただいています。その内容は1.BTX治療と他の治療法(治療手技)、と2.BTX治療の副作用です。

ALSは原因不明の難病でモーターニュ-ロン病と表現されることもありますが、治療は大変難しく、私も神経眼科で治療される患者さんを拝見し、発症後数年で寝たきりになった方々を何人か拝見しています。外眼筋が侵されないというのは逆にこの疾患の特徴とされています。

梶先生達がこの有名な雑誌に発表された内容は、大変有用な情報で患者さんには大いに助けになる内容と思います。

また新聞記事も出典の雑誌をこのようにはっきり記載して下さると元のデータに戻って確かめられるので助かります。

追記:この疾患の特徴です。私なりに短縮しまとめなおしておきます。
http://www.imasy.or.jp/~hsdl/mnd/als.html

▼筋萎縮性側索硬化症 Amyotrophic Lateral Sclerosis(ALS)
代表的な神経難病。運動神経だけが次第に破壊され、全身が数ヵ月から数年の間に次第にマヒします。最後には食事や話すこともできなくなり、呼吸筋までマヒし自力呼吸も不可能になることも少なくありません。

俗にALS(エーエルエス)と略称で呼ばれ、宇宙物理学者のホーキング博士が羅患していることで知られます。またアメリカでは大リーガーのルー・ゲーリック氏が羅患したことから、ルー・ゲーリック病とも呼ばれます。

日本国内では4~6千人が羅患していると推測されます。 患者数は少ないものの、主に壮年期に発症するため、本人はもとより家族にも深刻な経済的・精神的な影響を与える、きわめて重大な難病です。

有病率 約1/25000(人口2.5万人に一人の割合で発生)
中年以降40~50代に好発
男女比1.5~2.0対1で男に多い
遺伝性と思われるものが5~10%存在します(家族性ALS)
原因不明、有効な治療方法もなし

ALSの症状と病態
 運動するための神経系統(いわゆる運動神経)は、脳(中枢神経)・上位(一次)神経細胞(=ニューロン)=錐体路(すいたいろ)・下位(二次または末梢)ニューロンの三段階の神経細胞でできています。脳からの体を動かすための指令は、この三段階の神経細胞をリレーして筋肉に伝わり、体を動かします。

 ALSでは、脳から筋肉へ指令を伝える経路である、錐体路=上位運動ニューロン(脊髄前角細胞)および脊髄・脳幹部運動ニューロンの変成が起こり神経が破壊される結果、運動障害=マヒが起こります。

▼陰性四微候

感覚(いわゆる五感)は障害されない
目の動きは障害されない(眼筋麻痺がない)
排泄は障害されない(膀胱・直腸障害がない)
床ずれ(褥創・じょくそう)ができない
ALSには、上記のような「ある症状が現われない」特徴があります。これらを「陰性四微候」と呼びます。

Categorised in: 未分類