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2010年4月23日

1386 くも膜下出血 術後の動眼神経麻痺について(質問と答え)

絢さんからの相談  [くも膜下出血 術後の動眼神経麻痺について] 患者の気持ちへの質問にさらに解説を加えて掲示します。

doumyakuryuu
(動眼神経を圧迫する内頸動脈と後交通動脈分岐部の動脈瘤を下から見た図と横から見た図です http://www.medscape.com/viewarticle/459061_2から借用。図のダブルクリックで大きくできます。)側方(A) と上から (B)見た手術時の頸動脈と後交通動脈の遠位端から出た嚢状動脈瘤 。この動脈瘤は後外方向に付き出ていて動眼神経を圧迫している。もうひとつの重要な点は前脈絡叢動脈の幹が押しつけられて動脈瘤に癒着している事である。このことは、クリップを置き動脈瘤を引きはがす時に細心に行う事が必要であるので重要である。Aneurysms. Neurosurgery 51 Suppl 1:121-158, 2002.

清澤先生、始めまして。ブログ、Q&Aを拝見させて頂きました。
ご多忙の中恐縮ですがご質問させてください。先月3/26、母がくも膜下出血(未破裂 右内頚動脈)のためクリッピング手術をしました。手術前は右目の瞼は少し下がっている程度でしたが、手術後は右瞼は全く開かず、視力はありますが黒眼も左側には全く動きません。(術後20日)手術をした脳神経外科の先生は、特に治療法はなく、ビタミンを飲みながら時間がたつのを待つとおっしゃっています。手術の際に動眼神経は傷つけていないとのことでした。術前は開いていた瞼が、手術後に麻痺してしまうこともあるのでしょうか?先生のブログ「2006年09月15日 159 動眼神経麻痺」に治療と観察を続けて6か月程度の間、斜視角が安定するのを待ち、治療の方法を考えます。とありますが、もうしばらくこのまま待ってから診察していただいた方がよろしいのでしょうか?
とても不安で、先生の病院まで伺いたく思っております。よろしくお願いします。

お答:内頸動脈と後交通動脈の分岐部にできて動眼神経を圧迫していた動脈瘤だったのでしょうか?弱っていた動眼神経が手術後には力尽きたという状況なのでしょう。手術の失敗とは考えない方が良いでしょう。
この様な場合にはビタミン剤を飲んでもらいながら暫く待ってみて、次には眼が開いてくるならばプリズム眼鏡の処方を考え、最後に残余した斜視の手術を考えます。プリズムもないよりマシというものがあれば作るという程度のものですし、斜視手術も動かぬものは動かせぬので、正面でのずれを少しでも減らすように眼の向きを少しでも真ん中に近づけようとするという程度のものです。ご相談ください。

当ブログの関連記事
○怖いサインかも 突然、斜視になる人【健康】2010年04月01日 掲載
糖尿病が原因なら半年くらいで自然に治るが脳腫瘍や脳動脈瘤のことがある(記事へ)2010年4が知1日号の日刊ゲンダイの清澤がお答えした取材記事です。

○2010年04月14日 1371 脳動脈瘤とクモ膜下出血の神経眼科学的側面(記事へ

○2007年11月27日
458 脳動脈瘤の眼科における診断 (翻訳原案)脳動脈瘤は、それ自体を眼科医が治療すべきものではありませんが、複視や眼窩深部の痛みとして患者が眼科を受診する可能性も高く、また脳外科から眼科としての患者の評価を求められることも多い疾患です。(記事にリンク

○2007年11月27日
454 解離性動脈瘤の眼科診断 (翻訳原案)(記事へリンク):この形の動脈瘤は通常の脳動脈瘤とは多少異なった者です。

○2006年09月15日
159 動眼神経麻痺:動眼神経麻痺は眼球運動障害の内でも“核および核下性の麻痺”に含まれるものの一つです。
記事にリンク
動眼神経の麻痺でこの範疇に含まれるものには、脳外科医にすぐに渡さねばならない内頚動脈と後交通動脈の分岐部に出来る動脈瘤によるがあります。それは眼科医師がMRIなどの検査を進めるうちに、もし数日以内にこれが破裂してしまって、くも膜下出血を起こすと命を落とすことがあるからです。

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清澤のコメント:プロ野球の木村選手の落命以来、脳動脈瘤とくも膜下出血に関する質問をお受けすることが増えています。関連した記事もまとめて掲載してみます。

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