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2010年3月10日

1325 眼瞼けいれんの診断と治療:清澤源弘 江本博文(友の会スライド)

清澤の講演スライドの内容は次の通り
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1、 眼瞼けいれんの診断と治療:清澤眼科医院 (東京医科歯科大学眼科学)清澤源弘 江本博文

2、 眼瞼けいれん:「けいれん」の名前の通り、眼瞼けいれんでは瞼がぴくぴく動くものと思われがち。 実際にまぶたがぴくぴくけいれんするものはミオキミアという病気のことが多い。

3、 眼瞼けいれん:眼瞼けいれんは、まぶたの筋肉が緊張し、目が開けにくくなる 脳の病気 。症状は主に3つで、 1)運動症状:まばたきがうまくできない、2) 感覚症状:目の不快感と、まぶしさ、3) うつ症状

4、 眼瞼けいれん:1)10万人に約 12人の割合で見られる 2)男女比は約 1:2 でやや女性に多い傾向、3)平均発症年齢は 56歳で、約 2/3は 60歳以上

5、 眼瞼けいれんの原因:原因は、不詳 。PET (ポジトロンCT)などの結果などから、大脳基底核、視床、脳幹部との関連を指摘 。眼瞼痙けいれんは、 本態性眼瞼けいれん、 症候性眼瞼けいれん、 薬剤性眼瞼けいれんの3つに大別される。

6、 本態性眼瞼けいれん:本態性眼瞼痙攣は原因がはっきりしないケースで、最も多い。瞬目反射の異常が関与しているとも考えられる。

7、 症候性眼瞼けいれん:手足がふるえたり、体がかたくなる、パーキンソン病に眼瞼けいれんを伴うことあり。この場合、目が開きにくくなる、開瞼失行を合併することあり。

8、 薬剤性眼瞼けいれん: 痙攣は、50歳未満の若い方のケースが多い 。エチゾラムや、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬を使用していることが多い。

9、 眼瞼けいれんの診断:眼瞼けいれんの診断は意外に難しい。 単なるドライアイと診断されたり、ヒステリーと診断されたりすることが多い。 眼瞼けいれんの診断がつくまで、数か所の眼科、総合病院にかかり、2~3年かかることも珍しくない。

10、 眼瞼けいれんの診断: 各症状を評価して診断を行う。医療機器による検査で確定診断できるものではない。したがって、症状を正確に評価した上で眼瞼けいれんに似た病気に対して、鑑別診断をしっかり行う必要あり。

11、 眼瞼けいれんの鑑別診断:以下のような病気に対して鑑別診断が必要。鑑別診断: 片側顔面けいれん 、眼瞼ミオキミア、開瞼失行症、ドライアイ、重症筋無力症など。 そのために、必要に応じて他科と連携をとり、診断を進める

12、 鑑別診断:片側顔面けいれん;眼瞼けいれんのように、最初に目の周りの筋肉が緊張することが多いので、初期には眼瞼けいれんとの鑑別が困難な場合もある。病気が進むと口元など、他の顔面の筋肉がぴくぴくするようになる。

13、 鑑別診断:ドライアイ;眼瞼痙攣は、通常のドライアイと異なり、開瞼困難の症状が強いため、人や電柱にぶつかったりしやすい。

14、 眼瞼けいれんの評価:1)まぶたの症状の評価は、まず、アンケート形式の評価を行い、2)眼瞼けいれんの可能性があるケースは,瞬目負荷試験を行います。

15、 眼瞼けいれんの評価:ドライアイの評価は、シルマーテスト(涙の量を測る)と、角膜生体染色検査(渇き目のために目の表面が傷ついていいないかを見る)などがある。

16、 眼瞼けいれんの評価:うつ症状の評価は、CES-D(セスディー:アメリカ国立精神保健研究所作成;20問のアンケート式検査)を行う 。60点中、16点以上でうつ疑いとする 。

17、 眼瞼けいれんの診断治療の主体は眼科;眼瞼けいれんに関する目の症状の評価、ドライアイ合併例に対する点眼薬、涙点プラグの治療、ボツリヌス治療の副作用の管理、まぶたの手術後のフォローなど、眼瞼けいれんの治療では、眼瞼けいれんを総合的に診られる眼科を主体とした治療体制が重要

18、 眼瞼けいれん;現在のところ、まぶたの症状に対して、最も治療成績が良いのはボツリヌス治療で、80~90%のケースで改善が見込める。10%前後のケースでは、ボツリヌス治療が無効で、内服治療、手術治療などを検討。

19、 ボツリヌス治療:一般的には、顔のしわを消すために、美容目的で投与されることもある

20、 ボツリヌス治療;基本的な投与方法では、目の周りの筋肉の6か所に対し、ごく細い針で、0.1ml(1.25~4単位)程度を筋肉内に注射

21、 ボツリヌス治療の副作用:副作用は、局所性のものがほとんどで、全身性の副作用は非常にまれ。局所性の副作用としては、注射部位の疼痛、浮腫、発赤、皮下出血、頭痛、一過性の知覚過敏 など。

22、 内服治療:ボツリヌス治療で改善が見られない場合は、治療が難しくなるが、内服治療を試みる。アーテン、リボトリール等の処方が試みられるが、長期的に効果を認めたのは、内服治療全体の約22%程度。

23、 手術治療:ボツリヌス治療が無効で、内服治療にても十分な効果が得られなかったケースでは、手術治療を考慮(特定の医師に紹介)。眼瞼けいれんの1.3– 14%のケースで手術治療を受けています。

24、 クラッチメガネ:固有感覚の利用:クラッチメガネは固有感覚を利用し、目をあける補助をする

25、 感覚症状に対する治療:ドライアイに対する治療と同様に、目薬で涙を補い、涙点プラグで、涙が流れ出ていく出口(涙点)に栓をして、うるおいを持続させる

26、 感覚症状に対する治療:まぶしさに対しては、サングラスが有効。サングラスには、いろいろあるが、最近の研究では、 特殊なレンズ( FL-41 )は、特に効果があったとされる。

27、 うつ症状へのアプローチ:眼瞼けいれんでは、うつ状態となり、社会生活に影響を与える。ボツリヌス治療で、運動症状の改善とともに、うつ症状も緩和し、社会生活を改善するという報告もある

28、 おわりに:眼瞼けいれんは慢性疾患で、時に難治性のケースもある。そのため、ある程度の期間をかけて、いろいろな治療法で手を尽くさないと、なかなかうまくいかないことがある。病状を理解し、眼瞼けいれんの専門医から正しい評価を受けて、適切な治療をお受け下さい。

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