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2010年3月8日

1320 片側顔面けいれんの手術療法のお話を田草川先生に伺いました。

これが、三井記念病院脳外科の田草川先生の片側顔面けいれんに関するお話の清澤による聞き書きメモです。

ーーー内容開始ーーー

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片側顔面痙攣は数カ月から数年で重くなってゆきます。表情筋は感情を表現するという目的を持って動きますが、その感情は大脳辺縁系で発生して顔で表現されます。
顔面けいれんの表情は不自然だから患者が苦しむことになります。

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片側顔面けいれんの原因が解ったのは高々40年程度前のことにすぎません。ピーター・ジャネッタが脳幹から出る神経と動脈が交差して、動脈が神経を押すとおこり、その圧迫を外すと症状が消えることを示しました。しかしこの意見は最初は懐疑的にとらえられました。

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実際に血管による神経の圧迫が起こるのは三叉神経で起きる三叉神経痛、顔面神経で起きる片側顔面けいれん、そして舌咽神経で起きる舌咽神経痛の3つの場合だけです。

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手術に関する概要は、全身麻酔で行われるので大手術です。心臓疾患や糖尿病が有ると安全には行いにくいです。横臥位で耳の後ろに5センチくらいの切開を置いて頭蓋骨に穴を穿って行います。手術は手術用顕微鏡下で明るく照明し拡大して行います。

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臨床経験の積み重ねの結果成績は良くなりましたが90%程度の有効性で100%ではありません。合併症としてはまず肺塞栓症が有ります。これは、エコノミークラス症候群とも呼ばれるもので、死に至ることもあります。

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脳神経に関連した合併症には聴覚障害が有ります。初期には3人に一人くらいの高い頻度であったが、今は1から5%程度です。現在の治療頻度としてはボトックス治療を受けている患者さんが多いですが、手術治療に意味がないわけではありません。

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手術を受けるかどうかは、患者さん自身が選ぶべきものであって、医師にその判断を求めるべきものではありません。
ーーー終了ーーーー
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清澤のコメント:非常に解りやすく真摯にご説明になりました。内容に聞き間違いがあることに気が付かれましたらご訂正ください。

私の診療所では、片側顔面けいれんの症例への主な治療はやはりボトックスです。しかし、若年者で多少のリスクを冒しても、この疾患とは手を切りたいという強い希望のある患者さんは手術のご検討をお願いする紹介をすることが有ります。
手術のための入院期間は10日程度という事でした。
 
また最近は、片側顔面けいれんに限らず血管による神経への圧迫が疑われる三叉神経痛の症例もご相談をお願いしたことが有ります。

清澤からのお断り:追記:2010.8.29

この記事の公開につきまして田草川先生の校閲をお願いしましたが、ご返事がなかなか戴けませんでした。時期も移りますので、私の聞き書きということでこのまま掲示させていただきます。修正箇所等ありましたら訂正いたしますが、文責は清澤ということで読者にはご了解ください。

私の認識ではこのジャネッタ手術は、特に術者がこの手術に習熟していることを要求する手術です。田草川先生はもちろんエキスパートですが、私の知人の医科歯科大学脳外科成相講師や、同大学大野教授もこの手術はお得意であると承っています。

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