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2010年3月2日

1309 あの社長の涙は何なのだ? 涙における各カテゴリの基礎的記述

某有名自動車会社の社長の涙を見て、”あの涙は一体どう医学的生理学的にはには説明されるのか?”と質問を寄せてくださった方がいました。
そこで調べてみました。

まずはヒトの涙の各カテゴリに対する基礎的な記述です。
その基本的な文献は英文のWikipediaの涙に関する記述です。
驚いたことに、それに比肩する記載は神経眼科の本にもほとんどなく、わずかに分厚い眼科生理学の聖書であるAdler’s Physiology of the eye, Clinical applicationなどにあるだけです。

ーーー要点のまとめーーー
ヒトの涙の各カテゴリに対する基礎的な記述
1)基礎分泌の涙
健康な哺乳類の目では角膜は、基礎的な涙によって絶えずぬれているように保たれています。 涙は、目に水分を補い、ほこりを払って清潔に保つのを助けます。
涙液は水、ムチン、脂質、リソチーム、ラクトフェリン、リポカリン、ラクリチン、免疫グロブリン、ブドウ糖、尿素、ナトリウム、それにカリウムを含んでいます。
リソチームなどの涙液の中のいくつかの物質が免疫システムの一部として細菌感染と戦います。 リソチームは、バクテリアの外側の皮膜を溶かすことによって、細菌を殺します。 それは血漿と同様な塩分含有量を持つ典型的な体液です。 通常、24時間の間に、0.75から1.1グラム程度(清澤注:確認が必要)のの涙が分泌されますが、年齢に応じてこの分泌量は少なくなります。

2)反射性分泌による涙
 第2の分類の涙は、異物によって引き起こされる目への刺激や刺激物質の存在で引き起こされる涙です。それにはたまねぎの汁、催涙ガス、トウガラシスプレーなどの刺激物質からの目への刺激で起きます。それを感じるのは、角膜、結膜、または鼻粘膜などです。反射性の涙液の分泌は明るい光や、そのほかにも舌と口への辛さやコショウ味のきいた刺激でも引き起こされます。
反射性涙液分泌はまた、嘔吐にも連結しています。これらの反射で湧き出る涙は、目と接触した刺激物を洗い落とす働きが有ります。

3、感情に関連した涙(叫びやめそめそ泣きに関連する涙)
第3の分類は、叫びや泣くことに関連した涙です。これは、強い情緒的ストレス、苦しみ、悲しみ、または肉体的苦痛に伴って出ます。しかし、この行為は否定的情動にだけ伴って起きるわけではありません。
多くの人々は、非常に幸福であるときにも泣きます。 人間の感情的な涙は、顔の紅潮、すすり泣くこと、鼻をすすること、咳の様な痙攣様の呼吸をすること、そして時には上半身全体の痙攣を伴います。

感情によって引き起こされた涙は、潤滑のための涙とは異なった化学的な成分を持っています。 感情的な涙は、基礎的涙や反射的な涙とは違って、タンパク質に基づいたホルモンであるプロラクチン、副腎皮質刺激ホルモン、およびロイシンエンケファリン(自然な鎮痛剤)をを含んでいます。

大脳の辺縁系は怒り、恐怖などの基本的な感情の発生にかかわります。 また、大脳辺縁系(正確には視床下部)は自律神経系を自律神経系を統制しています。

自律神経系の一部である副交感神経は、神経伝達物質アセチルコリンを介して涙腺を制御します。 それにはニコチン性とムスカリン性の両受容体が関与しています。これらの受容体が刺激されると涙腺は涙を分泌するように刺激されます。

次に涙の社会的な局面について
多くの哺乳類は、極端な痛やその他の刺激に反応して涙を流しますが、感情的な反応によって涙を流すのは唯一人間だけの現象であると考えられています。人間は高度な自己認識があるから泣くことができるのでしょう。しかし、いくつかの研究では、象、ゴリラ、そしてラクダでさえ泣く事が出来るのを示しています。

ほとんどすべての文化では、ほおの下に涙を流してすすり泣くことが、涙に関連している特定の行為として見られます。

感情的な引き金は、たいてい悲しみと深い悲しみですが、また、怒り、幸福、恐怖、笑い、ユーモア、フラストレーション、後悔です。しかし、その他の強い経験豊富な感情でも泣くことを引き起こすことができます。

多くの文化では、泣くのは赤ん坊と子供に関連しています。 いくつかの文化では、泣く事は威厳を傷つけ子供っぽい事で有ると考えています。衆人の中で泣くことは、それが親友や家族の死の場面でなければ軽蔑されます。

ほとんどの文化では、女性と子供が泣くのは、男性が泣くことよりは、より社会的には許容されます。

再評価カウンセリングなどのいくつかの現代の治療法では、泣く事が健康と精神的な幸福に有益であることを教え、積極的に泣くことを奨励しています。

深い悲しみに対する不誠実な表現は、ワニの涙と表現されます。これは古代ギリシアの逸話で、犠牲をむさぼり食う時にワニが流す涙にたとえたものです。医学用語では、顔面麻痺からの回復の時に見られる珍しい現象として、ワニの涙症候群というものがあります。これは、顔面神経の不完全な再生によって、患者は食事をしている間中、涙を流し続けるというものです。
ーーーーー引用終了ーーー

不完全な訳出で済みません。
以前にも似た質問を誰かから受けたのですが、この3分類を見つける事が出来ず、第一と第2の分類しか見つけられませんでした。
シルマーテストという私の医院でも毎日行っている涙液分泌のテストが有ります。点眼麻酔をして流涙を測れば第一分類の基礎分泌が、麻酔なしで測れば基礎分泌と反射性分泌の和が得られます。

 しかし、感情に基づく精神的な涙は眼科医学の中では考慮されてはいません。悲しみに涙も枯れ果てたというのは評価が難しいという事です。

いずれにしろ、これで”自分たちが守っていると思っていた社員に自分が守るられていると感じた喜びの涙”の説明がつきました。社長には今後も頑張っていただけるようにエールをお送りします。

この駄文が皆様の何らかの参考になればよろしいのですが。

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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