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2010年2月24日

1298 成人に突然起きる斜視とは?

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成人に突然起きる斜視

突然成人に斜視を生じることが有るか?という事を尋ねられました。
話を伺ってみますと、眼科医が“突発する複視”として扱っている諸疾患に関する説明が欲しかったようです。

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斜視というのは左右の眼が特定の対象物を同時に見たときに同じ方向を向くことができなくなった状態です。他人から見て眼が外側や内側によって見えるというだけではなくて、本人にも物が2重に見えてしまいます。

ですから道を歩くにも本を読むにも片方の目に映る画像が他眼の画像を邪魔して大変苦しい思いをします。

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とりあえずは、片方の目に眼体をすることでその苦しさを逃れることができますが、それで済むわけではありませんので、原因を調べて眼の動きを良くする治療法を探さなくてはなりません。

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眼球には眼球を動かす働きを持った左右各々6つの筋肉が付いていて、それらは動眼神経、滑車神経、それに外転神経のいずれかの支配を受けて動かされています。ですから、成人が急に斜視になったという場合には、まず
1)眼球を動かす神経の障害、
2)神経と筋肉を結ぶ神経筋接合部の障害、
3)眼球を動かす筋肉の障害、とわけて考えてゆきます。

541)の眼球を動かす神経は、脳幹と呼ばれる脳と脊髄の間の部分にその神経の細胞が集まった神経核というものがあって、脳から出たあとこれらの眼球運動に関連する諸神経は脳の下のクモ膜下腔という自由な空間を通って、眼窩に入り眼球の周囲の筋肉まで走っています。

脳の中や脳を出てからの神経線維束での小さな脳梗塞や出血は片側の眼球の動きを麻痺させて斜視をおこします。眼球の動きをヘスチャートで記録して分析すると、どの神経が侵されているかが解ります。

糖尿病や血管の炎症はその重要な危険因子です。高血圧や高脂血症、動脈硬化もしばしば小さな梗塞を起こす原因ですから放置しない方が良いです。これらは広範な血液検査を行うと見つけることができます。

また、脳腫瘍や脳動脈瘤が神経を圧迫している場合もあります。これは、脳のMRIとMRAで見つけることができます。

強い痛みを伴う眼瞼下垂に外斜視が加わったものでは脳動脈瘤が破裂しかかっていて、重篤なクモ膜下出血の前兆である場合も有りますので、急いで日をおかずに脳の画像診断をする必要があります。

552)の神経筋接合部疾患には重症筋無力症が含まれます。複視を来たす場合と瞼が下がる眼瞼下垂が主な症状の場合とが有り、この場合には朝は快適だが夕方になって疲れると症状が悪化するという特徴的な訴えが有ります。

これも血液検査などに異常が出て診断できる場合が多いのですが、頭部MRIには異常がないというのも必要な診断根拠です。

神経筋接合部疾患には肺癌などの悪性腫瘍をきっかけに自己免疫が働いて筋無力症と同じ症状を来たすランバートイートン症候群である場合も有るので、これを疑えば全身の癌検診も行う場合が有ります。

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3)の眼筋自体の病気としては、外眼筋に炎症を持つ眼窩筋炎が有ります。甲状腺機能亢進症に伴って眼筋が腫れて眼球突出と眼球運動障害を生じるバセドー病もしばしば見られます。

女性に多いですが中年の男性にもなくはありません。この場合にはMRIと血液の分析で診断します。

突発性の眼筋麻痺は、その多くを占める血液の循環障害によるものでは、糖尿病に伴うものも含めてその大部分が3カ月以内に寛解してしまいます。しかし、脳動脈瘤や脳腫瘍など積極的な治療を必要とする疾患も少なくはありませんから、最初からしっかりとした検査とその結果に基づいた治療を進めるのが必要です。

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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