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2010年2月7日

1266 ゲーム・ボーイズ・アドヴァンスが訴えるものとは?羊のどりーはなぜ死んだ?テロメア?

ゲーム・ボーイズ・アドヴァンスが訴えるものとは?
ゲームボーイ
パトリシア・ピッチニーニ《ゲーム・ボーイズ・アドヴァンス》:

パトリシア・ピッチニーニ
《ゲーム・ボーイズ・アドヴァンス》(部分) 2002
シリコン、ファイバーガラス、人毛、衣服、ゲーム機 140 x 36 x 75 cm 撮影:渡邉 修

先日、このブログでも話題にしていたのですが、やっと森美術館で開かれている
「医学と芸術展」を小学生の子供を連れて見に行ってきました。日曜の朝10時半くらいでしたが、もうそれほど込み合ってはいませんでした。

こどもが気味悪がる解剖図などもありましたが、それはそれとして、今日は上の作品から話を始めてみましょう。

この写真を見ただけでは分からないのですが、この2人の少年の像に近づいてみますとしわの入った顔立ちであたかもウェルナー症候群(以前の記事にリンク)のようなのです。

テレビゲームばかりしているとこのように早く老化するというわけではないでしょうが、作品の解説にも記載があったのが、”クローン羊のドリーがなぜ普通の羊の寿命を全うできずに若死したのか?”という話題です。(テレビゲームというところで多少は眼科学にも関係があるかとおもいます。)

その話題を今日はテーマにしてみたいのですが、参考にするページはリンクです

親は生きていてもまた死んでいてもよいのですが、体細胞の一部から新たなクローン個体を作るという技術は今日までにかなり実用化されているようです。

しかし、成熟個体の体細胞ではすでに体細胞の分裂可能回数を制御する回数券のような働きのテロメアが既に消費されているので、体細胞を提供した個体以上には長生きは出来ないという話のようです。では、この間の事情を説明している先のページを引用してみます。

ーーー引用開始(抄録)ーーー

1996年にキャンベルらによってヒツジ乳腺細胞核由来のクローン(ドリー、2003年 2月14日死亡)が作られ、これは哺乳類の体細胞クローンから作られたという点で注目を集めた。
ーーー中略ーー
その後、ヒツジ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ブタ、ネコ、ラットなど多くの哺乳動物で、体細胞由来のクローン作製の成功例が報告されている。

クローン人間はできるの?
ヒトのクローンはいまだ成功していないとする考えが一般的ではあるが、公にされることなくすでに作成されている可能性を完全に否定することはできない。

ドリーの誕生以来、医薬品になる物質を多く含んだ乳の出る乳牛や、良質の肉を提供する家畜、移植用の臓器を提供する動物などの開発をめざした研究が世界中で活発に進められ、体細胞クローン技術は遺伝子導入動物作製の成功率を従来法の20倍以上に上げるので、動物の体を用いた医薬品等の生産プラントでの利用が期待されている。

クローンの問題点
希少動物を他の動物に生ませて繁殖させることへの応用が期待される一方、アメリカでは04年に飼い主の依頼で死亡したネコの体細胞クローンから作ったクローンネコが5万ドルで買い取られたり、05年8月には政府の規制にもかかわらずイヌの体細胞クローンが誕生するなど、倫理面とともに政治面からも問題が生じている

2006年現在、ほぼすべての動物のクローン体には何らかの欠陥(エラー)が報告されており、この技術を人間に適用するのは、倫理的な問題以前に技術的な問題があるとされている。たとえば、細胞の分裂に必要なテロメアの長さが短いことがわかってきている。そのため、クローン体は通常より寿命が短い可能性も否定できない。

なぜヒツジのドリーは死んだのか?

1998年4月ドリーは妊娠し、子羊「ボニー」を出産しました。ボニー出産の翌年にも3頭の子供を出産したが、2001年末にはヒツジの「老化現象」といわれる関節炎を後ろ足におこしていることがわかりました。

ドリーは、染色体の中のテロメアとよばれる老化とかかわりの深い部分が、同年齢のヒツジよりも約20%短い。そのため、早期に老化してしまうこととの関係性が指摘されていた。そして03年2月14日、ウイルス性の肺癌(はいがん)が悪化し、回復がみこめないため安楽死させられた。ヒツジはふつう11~12歳まで生きるが、ドリーは6歳7カ月だった。

染色体の末端にあるテロメア

テロメアとは?
テロメア (Telomere) は染色体の末端部にある構造。染色体末端を保護する役目をもつ。Telomere はギリシア語で「末端」を意味する τέλος (telos) と「部分」を意味する μέρος (meros) から作られた語である。

真核生物の染色体は直鎖状であるため末端をもち、この末端部に存在する構造がテロメアである。

テロメアは特徴的な繰り返し配列をもつDNAと、様々なタンパク質からなる複合体である。テロメアは染色体末端をDNA分解酵素やDNA修復機構から保護しており、テロメアを欠いた細胞では染色体の分解や染色体末端どうしの異常な融合がおこる。

なぜヒツジのドリーは死んだのか?クローンに問題の「テロメア」 (リンクhttp://blog.goo.ne.jp/liberty7jp/e/79f2b174c2024a18b728c844d0fce2c3)

クローン羊ドリー(この本にリンク)

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清澤のコメント:大隈重信の義足、ジョージワシントンの入れ歯、ダーウィンの杖、ワトソンの2重らせん構造遺伝子のアイデアスケッチ、2週間かけて手で人の頭蓋骨をすりつぶしたサンドペーパーとか、さまざまです。気持ちが悪いだけでそれがどうしたの?と言いたくなるものも多かったですけど、それなりに楽しめる展覧会ではありました。2月末までです。

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